レトロな街並みの温泉街「洞川温泉(どろがわおんせん)」とは

奈良県南部、人口約1,000人の天川村に位置する「洞川温泉」。「どろがわおんせん」と読むその名は、かつて周辺に点在する鍾乳洞から水が湧き出て川となり、流れが穏やかな「瀞(とろ)」を成していたことに由来するといわれています。
標高約820mの涼やかな高地に位置することから「関西の軽井沢」とも称され、夏は避暑地としても大人気。古くから大峯山(おおみねさん)へ向かう修験者(しゅげんじゃ)の宿場町として栄えてきた歴史を持ち、今もどこか懐かしいレトロな街並みが残っています。
そして夜になると提灯のやわらかな明かりが点灯し、昼間のにぎやかさとは一変。風情ある木造旅館街には、まるでタイムスリップしたかのような情緒的な風景が広がります。
食べ歩きグルメの主役は名水百選「ごろごろ水」
洞川温泉の食文化を語るうえで欠かせないのが、環境省の「名水百選」にも選ばれた「ごろごろ水」。大峯山麓にある鍾乳洞の奥から水が湧き出る際、洞窟内に「ごろごろ」と響くような音が聞こえることからその名が付いたとされています。
この豊かな名水を生かした美食こそ、洞川温泉での食べ歩きの醍醐味。界隈には、澄んだ味わいが際立つ名水豆腐やごま豆腐、手打ちそば、本格コーヒー、クラフトビールなどを味わえるお店が点在しています。さらに、清流で育ったアマゴやアユなど野趣あふれる塩焼きも見逃せません。
洞川温泉のおすすめ食べ歩きグルメ6選
洞川温泉の名物グルメといえば、名水を使った豆腐やごま豆腐、そして香ばしい川魚の塩焼き。情緒ある木造の街並みを背景に、できたてをその場でパクッと頬張る時間は、温泉街歩きならではの楽しみです。テイクアウトや店前のベンチ、店頭の飲食スペースなどで気軽に味わえる、おすすめの食べ歩きスポット6店舗をご紹介します!
名水とうふ 山口屋|1皿200円の名水豆腐を店頭でパクリ

創業90余年を数える、洞川温泉を代表する豆腐店「名水とうふ 山口屋」。名物「ごろごろ水」と厳選された大豆を使い、昔ながらの製法で丁寧に手作りされた豆腐が味わえます。

食べ歩きの定番は、店頭で手軽にいただける「とうふ1皿」(200円)。ひと口食べると、なめらかでしっかりとした食感とともに、大豆本来の濃厚な風味と甘みが口いっぱいに広がります♪ お好みで、爽やかな風味が効いた生姜醤油をかけていただきましょう。
さらに店頭では、よりピュアなおいしさを楽しめる「豆乳1杯」(130円)も。口当たりがまろやかで、大豆のうまみがギュッと詰まった濃厚な風味にはきっと驚かされるはず!
名水とうふ 山口屋
| 住所 | 奈良県吉野郡天川村洞川258 |
| 電話番号 | 0747-64-0509 |
| 営業時間 | 8:00~16:00(売り切れ次第終了) |
| 定休日・冬季休業の有無 | 水曜(11・12月は火、水曜)・冬季休業あり(12月28日~1月5日ごろ) |
| 食べ歩きメニューと価格 | 「とうふ1皿」200円 |
| 支払い方法 | 現金のみ |
| アクセス | バス停「洞川温泉」から徒歩約6分 |
| 駐車場 | なし |
| 飲食スペース | 店先にテーブル席あり |
| https://www.instagram.com/yamaguchiya_tofu/ |
名水ごまどうふ 小屋商店 本店|わさび醤油でいただく手練りの「ごまどうふ」

吟味したごまと名水、そして奈良名産の高級品・吉野葛(よしのくず)を使い、毎日手作りするごま豆腐の専門店が「名水ごまどうふ 小屋商店 本店」。仕込みに使われるのは、大峯山の恵みである洞川湧水群のなかでも、一般立ち入りはできない神秘の湧水「神泉洞(しんせんどう)の水」です。

店舗では、できたての「ごまどうふ 1切れ」(460円)に、わさびと醤油をかけてその場で味わうことができます。ひと口含むと、葛ならではのもっちりした弾力のあと、ごまの芳醇な香りを残してスッと上品にとろけていく口どけがたまりません!

食べ歩きはもちろん、お持ち帰り用の「4切れ入り」(1,400円)や「6切れ入り」(1,800円)もあり、こちらはお土産に喜ばれること間違いなし(それぞれわさび、醤油付き)。また、より温泉街に近い場所には「名水ごまどうふ 小屋商店 温泉前店」もあります。
名水ごまどうふ 小屋商店 本店
| 住所 | 奈良県吉野郡天川村洞川293-2 |
| 電話番号 | 0747-64-0065 |
| 営業時間 | 9:00~17:00(4~10月)、9:00~16:00(11~3月) |
| 定休日・冬季休業の有無 | 雨天は休み、不定休・冬季休業なし |
| 食べ歩きメニューと価格 | 「ごまどうふ 1切れ」460円 |
| 支払い方法 | 現金のみ |
| アクセス | バス停「洞川温泉」から徒歩約10分 |
| 駐車場 | なし |
| 飲食スペース | 店先にベンチあり |
| Web | http://koyasyouten.com/ |
炉端焼き 亀清|囲炉裏で焼くアユの塩焼きは食べ歩きのハイライト

※写真はイメージです。
店先の囲炉裏で香ばしく焼き上げる川魚が自慢の「炉端焼き 亀清」。「亀」の文字が入ったTシャツとエプロンがトレードマークの店主は、ファンから“亀仙人”の愛称で親しまれる名物キャラクターです。その愛嬌たっぷりの姿と、絶品の炉端焼きがTikTokやInstagramなどのSNSで拡散され、大行列ができるほどの話題に!
名物の、岐阜・長良川から仕入れる焼きたての「あゆ」(600円)や「子もち鮎」(900円)のほか、「岩魚(イワナ)」(600円)、「あまご」(600円)は串のまま豪快に頬張るのが食べ歩きの醍醐味。また、ラップに包まれた自家製の丸い「鯖ずし」は、150円という驚きの良心価格で大人気です。
店内でのイートインも可能で、席に着くと手作りの煮魚やおつまみがサービスで出てくるなど、あたたかい人情味も嬉しいポイント。なお、同店も会計は現金のみなので、事前の準備をお忘れなく。
炉端焼き 亀清
| 住所 | 奈良県吉野郡天川村洞川240付近 |
| 電話番号 | 0747-64-0132 |
| 営業時間 | 10:00~ |
| 定休日・冬季休業の有無 | 月、木、金曜・冬季休業あり(12〜2月ごろ) |
| 食べ歩きメニューと価格 | 「あゆ」600円 |
| 支払い方法 | 現金のみ |
| アクセス | バス停「洞川温泉」から徒歩約2分 |
| 駐車場 | なし |
| 飲食スペース | 全20席 |
洞川温泉醸造所|名水仕込みのクラフトビールで乾杯

レトロな温泉街に突如現れるクラフトビールのブルーパブ(醸造所兼バー)、というギャップが新鮮な「洞川温泉醸造所」。2022年8月にオープンしたこのお店を手がけるのは、なんと1,300年以上の歴史を持つ和漢胃腸薬「陀羅尼助丸(だらにすけがん)」の老舗「銭谷小角堂(ぜにたにしょうかくどう)」です。
もちろん、仕込み水は「ごろごろ水」。看板銘柄の「山わらうエール」(ハーフパイント600円/1パイント1,100円 ※1パイントは473ml)のほか、「陀羅尼助丸」の原料植物であるキハダの実や、地元の「洞川夏いちご」を用いたユニークなビールも楽しめます。店内には造りたてをその場で味わえる立ち飲みスペースがあり、フレッシュなおいしさは格別!

さらに同店では、天川村の恵みを活かした自然派ドルチェ「TENKARA GELATO」も味わえます。お酒を飲まない人はもちろん、湯上がりビールを楽しんだ後の爽やかな“〆スイーツ”としてもぴったりです。お土産には、食べ過ぎや飲み過ぎに重宝する「陀羅尼助丸」も一緒にどうぞ。
洞川温泉醸造所
| 住所 | 奈良県吉野郡天川村洞川226-2 |
| 営業時間 | 15:00~22:00、土日祝13:00~22:00 |
| 定休日・冬季休業の有無 | 木曜・冬季休業なし |
| 食べ歩きメニューと価格 | 「山わらうエール」ハーフパイント600円 |
| 支払い方法 | カード可、QR可 |
| アクセス | バス停「洞川温泉」から徒歩約7分 |
| 駐車場 | なし |
| 飲食スペース | 立ち飲みスペースとベンチあり |
| Web | https://yama-beer.com/ |
| https://www.instagram.com/dorogawaonsen_brewery/ |
洞川川魚センター|焼きたてのアユ・アマゴをテイクアウト

清らかな水で育った新鮮な魚を味わえる「洞川川魚センター」。炭火で香ばしく炙った塩焼きはテイクアウトでき、「アユ」、「アマゴ」、「イワナ」は各600円。温泉街散策やドライブのお供にぴったりです。

また、イートインではニジマスやイワナを刺身で味わえる(700円~)のも川魚専門店ならでは。海鮮の刺身とはひと味違う繊細なおいしさを楽しめます。塩焼きのテイクアウトは注文を受けてからじっくり30分程度焼くため、時間には余裕を持って来店しましょう。
さらに敷地内では「さかなのつかみ取り(制限時間30分)」も実施しており、遊ぶだけなら500円、塩焼きも食べるなら1,000円と、こちらもリーズナブル! ファミリー層の思い出作りにも最適です。冬季などのシーズン外やオフ期間に訪れる際は、事前に電話などで確認してから足を運びましょう。
洞川川魚センター
| 住所 | 奈良県吉野郡天川村洞川675-56 |
| 電話番号 | 0747-64-0357 |
| 営業時間 | 10:00~15:00 |
| 定休日・冬季休業の有無 | 不定休・冬季休業なし |
| 食べ歩きメニューと価格 | 「アユ」「アマゴ」「イワナ」各600円 |
| 支払い方法 | 現金のみ |
| アクセス | バス停「洞川温泉」から徒歩約11分 |
| 駐車場 | あり |
| 飲食スペース | オープンエアの屋根付きイートイン席あり |
| https://www.instagram.com/dorogawakawauo/ |
山の家STAND|ソフトクリーム片手にひと休みできる休憩スタンド
キャンプ場「洞川 山の家」の敷地内に併設された、旅行者やキャンパーが誰でも気軽に利用できるオープンスペース「山の家STAND」。実は同キャンプサイトも、「洞川温泉醸造所」と同じく陀羅尼助丸の老舗「銭谷小角堂」が手がけています。

「山の家STAND」では、ブルーパブ同様の新鮮な樽生クラフトビール(600円~)が味わえるほか、こだわりのコーヒー(500円)や濃厚なソフトクリーム(600円)などのカフェメニューも充実しています。

緑豊かな自然に囲まれたオープンエアな空間で、ソフトクリームやドリンクを片手に心地良い風を感じながらひと休み♪ 洞川温泉街の散策途中に、ぜひ立ち寄りたい癒やしのブレイクポイントです。
山の家STAND
| 住所 | 奈良県吉野郡天川村洞川363 |
| 電話番号 | 0747-64-0046 |
| 営業時間 | 9:00~17:00 |
| 定休日・冬季休業の有無 | 不定休・冬季休業あり |
| 食べ歩きメニューと価格 | 「樽生クラフトビール」600円~、「コーヒー」500円、「ソフトクリーム」600円 |
| 支払い方法 | カード可、QR可 |
| アクセス | バス停「洞川温泉」から徒歩約15分 |
| 駐車場 | あり |
| 飲食スペース | ベンチスペースあり |
| Web | https://www.yamano-yeah.com/ |
| https://www.instagram.com/yamano.yeah/ |
食べ歩きの合間に立ち寄りたいランチスポット
ここまでは洞川温泉周辺でテイクアウトや店頭飲食ができるお店をご紹介してきましたが、温泉街のなかには食べ歩きの前後や合間に立ち寄りたいランチスポットも点在しています。今回はそのなかから、食べ歩きとあわせてチェックしておきたい一軒を、番外編としてご紹介します。
味処 きらく九兵衛|大正6年創業・洞川最古級の食事処
ぜひ立ち寄ってほしい食事処「味処 きらく九兵衛」。創業は大正6年(1917年)までさかのぼり、洞川温泉街に現存する最古の飲食店なのだとか。一歩足を踏み入れると、長年この地で時を重ねてきた木造建築ならではのぬくもりが心地良く、趣あふれる重厚な風情に包まれます。
ロケーションの魅力は、客席の窓越しに広がる山上川(さんじょうがわ)の澄み渡る清流。川のせせらぎを眼下に眺めながら、ゆったりと贅沢なひとときを過ごせます♪
名物の「あゆ味噌煮定食」(1,750円)は、じっくりと時間をかけて煮込まれたアユに特製の味噌がじんわりと染み込み、骨までやわらかい逸品。歴史ある空間と自然の景観が織りなす、ここならではの醍醐味です。
味処 きらく九兵衛
| 住所 | 奈良県吉野郡天川村洞川47 |
| 電話番号 | 0747-64-0600 |
| 営業時間 | 11:00~15:00 ※食材がなくなり次第終了 |
| 定休日・冬季休業の有無 | 不定休・冬季休業なし |
| 支払い方法 | 現金のみ |
| アクセス | バス停「洞川温泉」から徒歩約1分 |
| 駐車場 | あり |
洞川温泉の食べ歩きモデルコース
ここでは、これまでご紹介してきた食べ歩きのスポットと周辺の観光を組み合わせたモデルコースをご紹介します!
まずは、名水が生み出す絶品豆腐を味わえる「名水とうふ山口屋」へ!軽くお腹を満たしたら、「ごろごろ水」の採水場や大峯山龍泉寺、面不動(めんふどう)鍾乳洞といった周辺の名所観光を楽しみましょう。
散策後に商店街へ戻ってきたら、「炉端焼き 亀清」で香ばしい炙り焼きに舌鼓。締めくくりは「洞川温泉醸造所」で、個性豊かなクラフトビールでリフレッシュ! お酒が飲めない人や食後のスイーツを楽しみたい人は、濃厚なジェラートで締めくくるのがおすすめです。コンパクトな温泉街を効率良く巡る、充実の食べ歩きコースをぜひ体験してください。
【モデルコース】
名水とうふ山口屋
↓
周辺観光(「ごろごろ水」採水場、大峯山龍泉寺、面不動鍾乳洞など)
↓
炉端焼き 亀清
↓
洞川温泉醸造所
洞川温泉の食べ歩きに関するよくある質問
レトロな街並みに、魅力的なグルメが点在する洞川温泉街。実際に訪れる前に知っておきたい、食べ歩きやアクセス、現地での支払いに関する「よくある質問」をまとめました。出かける前に、こちらもぜひチェックを!
食べ歩きの所要時間はどれくらい?
洞川温泉街はコンパクトで、主要なお店は徒歩圏内に点在しています。テイクアウトや立ち食い中心の食べ歩きだけなら2〜3時間ほど。鍾乳洞や日帰り温泉などの観光もあわせて巡るなら、半日を目安にするのがおすすめです!
冬でも食べ歩きはできる?
冬季は休業する店も多いため、食べ歩きのベストシーズンは4~11月です。雪景色に包まれた温泉街で温かい名物を味わう冬の旅も乙なものですが、その際は店舗の営業を事前に確認しておきましょう。車で行く際は天候チェックや冬用タイヤの準備もお忘れなく。
駐車場はある?車がなくても行ける?
車の場合は温泉街周辺の「洞川温泉駐車場(有料)」などの駐車場が利用できます。公共交通機関なら、近鉄吉野線「下市口駅」から奈良交通バスで約1時間10分、終点の「洞川温泉」停留所で下車しましょう。車がなくてもアクセス可能です!
クレジットカードや電子マネーは使える?
キャッシュレス対応のお店も徐々に増えていますが、昔ながらの飲食店や個人商店では現金のみの店舗がほとんど。途中で足りなくならないよう、あらかじめ現金を多めに用意しておくと安心です。
名水の里・洞川温泉で食べ歩きを満喫しよう
名水が育む絶品グルメとノスタルジックな街並みが魅力の洞川温泉。老舗の名物豆腐や塩焼きの川魚、クラフトビールやジェラートなど、おいしいお店が徒歩圏内にギュッと集まるコンパクトな温泉街です。食べ歩きを満喫するなら、夕方前に営業を終えるお店が多いため、午前中からスタートするのがポイントです。
関西中心部から日帰りのおでかけはもちろん、温泉に浸かってのんびり過ごす滞在の旅にも最適。次の休日は少し足を延ばして、おいしい水と美食に出会うグルメ体験に出かけませんか?

ごんたく
レトロな街並みを眺めながら、名水「ごろごろ水」を生かした絶品グルメを楽しむ時間は格別です。温泉で日々の疲れを癒やしながら名物グルメをセットで味わう、洞川温泉ならではの一日を堪能してください♪












