今回はかんでんWITH YOU編集部が実際に歩いて見つけた、“通天閣の下で味わいたい名物グルメ”を厳選して9店ご紹介。にぎやかな通天閣の景色とともに、大阪らしい食べ歩きを楽しみませんか。
※価格は税込み表記です。
通天閣の下で楽しむ、大阪らしい食べ歩き体験

大阪のシンボルとしても知られる通天閣があるのは、大阪府浪速区のなかでも最南東に位置する、通称「新世界」と呼ばれるエリア。最寄りは大阪メトロ「恵美須町駅」、「動物園前駅」や、JR「新今宮駅」です。
この街のルーツは、1903(明治36)年に日本の産業発展を目的に開催された「第5回内国勧業博覧会」。跡地の一部再開発によって1912(明治45)年に新世界が誕生し、同時期に遊園地「ルナパーク」と、界隈のシンボルとして通天閣が建設されました。

新世界という名の由来は、徳川時代の旧世界にはなかった新しい文化や技術を取り入れて、近代的な街にしようという想いから。また、当時の博覧会は会場設計時にパリやニューヨークといった近代都市を参考にしたため、シンメトリーで扇型の街区となり、その区画はいまでも残っています。
加えて、通天閣とは“天に通じる高い建物”の意味。初代(1943年の延焼火災の影響で解体され、現在のものは1956年造の二代目)のデザインも、パリのエッフェル塔と凱旋門をモチーフにされました。なお「ルナパーク」に設置されたのが、当時世界的に流行していたビリケン像を展示した「ビリケン堂」。この像が、日本におけるビリケンさんのルーツです。

現在の通天閣も展望台や観光地として有名ですが、界隈は名店が軒を連ねるグルメスポットととしても大人気。新世界の一角にある南陽通商店街、通称「ジャンジャン横丁」も、大阪を代表するアーケード街の1つです。
食べ歩きでは、新世界発祥といわれる串カツやミックスジュースをはじめ、コテコテの大阪名物をメインに楽しむのがセオリーですが、本稿では厳選したおすすめをご紹介しましょう!
通天閣で食べ歩きするなら!おすすめ9スポット
串かつだるま|大阪名物の串カツを語るなら元祖の味は必食!

大阪名物の、串カツ発祥店として知られるのが「大阪新世界 元祖 串かつだるま」。1929(昭和4)年に創業(当時の屋号は「たこ菱」)し、串カツは当時高価だった牛肉を手軽に食べてほしいという想いから考案されたといわれています。
お店は新世界総本店のほか、近くのエリアだけでも計4店舗を展開。総本店は2階の窓から睨みを利かせるだるま会長の人形や、大きな暖簾(のれん)が目印で、写真映えも抜群です!

(右から)元祖串かつ143円、紅生姜143円
マストで味わうべきは「元祖串かつ」や、大阪串カツならではの「紅生姜」など。キメ細かい衣とライトな特製油で揚げた味わいは、サクッと軽い一方、素材のうまみが凝縮。あっさりしながらコク深いソースも、おいしさの決め手です。もし注文に迷った時は、お得なセットメニューをどうぞ。

元祖串かつ だるま 新世界総本店
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東2-3-9 |
| 営業時間 | 11:00~22:30 土曜・日曜・祝日10:30~22:30(各L.O.22:00) |
| 定休日 | なし |
| Web | https://www.kushikatu-daruma.com/ |
てんぐ|プルほわで甘じょっぱい「どて焼き」にノックアウト

大阪で、串カツと並んで見逃せないグルメが「どて焼き」。牛スジ肉を白味噌やみりん、ダシなどで長時間煮込む料理で、名古屋メシで有名な「どて煮」のルーツともいわれているそうです!
通天閣エリアの串カツ店でもよく見かけますが、店頭に「串かつ どて焼」と二大看板として掲げているのが「てんぐ」。ジャンジャン横丁にあり、看板の横でニカッと微笑む大きな天狗のお面が目印です。

どて焼 150円
自慢の「どて焼」は150円で、串カツも150円から。開放感あふれるコの字型カウンターも魅力で、目の前の厨房では「どて焼」が特製ダレとともにグツグツ煮込まれシズル感も満点です。食べれば、プルほわのやわらか食感と甘じょっぱい濃厚な味にノックアウトされるはずです!
てんぐ
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東3-4-12 |
| 営業時間 | 10:30~20:00(L.O.19:00) |
| 定休日 | 月曜 |
新世界 かんかん|通天閣でたこ焼きを食べるなら界隈屈指の人気店で

大阪のご当地グルメといえば、たこ焼きも外せません。この一帯も当然の如く激戦区ですが、なかでも人気の一軒が「新世界 かんかん」。行列ができていることも珍しくありません。

たこやき 8個 500円
メニューは「たこ焼き」オンリーと、潔くわかりやすいのがポイント。職人さんの手際もよく、行列があっても次から次へとたこ焼きが作られては列が進んでいきます。そして、一皿8個500円と価格がリーズナブルなのも魅力! 提供時には、すぐ食べるかどうか、とマヨネーズの有無を聞かれます。

食べると、外はカリッとなかはトロふわな食感。ダシのうまみがやわらかい生地とともにじゅわ~っと広がります。ほんのり甘めのソースも絶妙で、タコはモキュッと存在感満点。本場のおいしさとは、まさにこのこと。間違いなく並ぶ価値のある大名店です。
新世界 かんかん
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東3-5-16 |
| 営業時間 | 9:30~18:00 |
| 定休日 | 月曜・火曜(祝日は営業) |
うさぎや|新世界最古のお好み焼き店で本場の粉もんに舌鼓

豚玉 780円
大阪名物の粉もんとしては、お好み焼きも外せません。通天閣エリアで味わうなら、新世界最古と呼ばれる1951(昭和26)年創業の「うさぎや」がおすすめ。歴史の長さもさることながら、和やかな雰囲気とオリジナリティの高さから愛される名店です。

調理はカウンター前の鉄板で、お店の方が焼いて提供。テーブル席なら、備え付けの鉄板の上にサーブしてくれます。お好み焼きは、シンプルな「豚玉」(780円)に、イカや海老も入る「ミックス」(1,080円)など数種。「焼きそば」(680円)や、焼きそば入りの「モダン焼き」(830円~)、玉子と豚の「とん平焼き」(830円)などもあり、容器代を払えばテイクアウトもできます。
「豚玉」の味は、魚介ダシが豊かに香る生地に、キャベツの甘みやメインの具材が好アクセント。ふんわりとした食感は軽やかで、ペロリといけちゃいます。なお、同店はうどんと中華そばを両方使った「うそ焼」(880円)という麺料理も名物なので、気になる人はこちらもどうぞ。

うさぎや
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東1-14-5 |
| 営業時間 | 12:00〜20:00(最終入店19:00、L.O.19:30) |
| 定休日 | 月曜・木曜 |
| https://www.instagram.com/okonomiyaki_usagiya/ |
グリル梵|著名人にも愛される上品リッチなヘレカツサンド
ヘレビフカツサンド2,200円
いまや東京でも名を馳せる、大阪のへレカツサンド。いわゆる牛ヒレ肉のカツサンドですが、この名門が「グリル梵(ぼん)」。初代オーナシェフが1950(昭和25)年に大阪ミナミで創業し、1961(昭和36)年に新世界へ移転し、今に至ります。
初代は神戸のオリエンタルホテル出身の腕利きで、さまざまな洋食と並び愛されたのが「ヘレビフカツサンド」(2,200円)。冷めてもおいしいことから、歌舞伎役者や映画俳優への差し入れ品としても重宝されました。

ロゼ色の麗しいヒレ肉のリッチなうまみと、薄くサクサクの衣が調和した味わいで、さっぱりとしたソース、しっとりした上品なパンもあいまって、まさに絶品。お好みで、添付のからしを使いましょう。なお、店内で味わう際には「ヘレカツカレー煮込み」(2,400円)もおすすめです。店内では+1,100円で、ヘレカツサンドのハーフも楽しめますよ。
グリル梵
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東1-17-17 |
| 営業時間 | 12:00~14:00(L.O.) 17:00~19:30(L.O. 19:00) |
| 定休日 | 毎月6、16、26日の平日。 土・日曜祝日の場合は営業(不定休) |
お串かつとお出汁 串右衛門|個室もある広々とした和モダン空間で創作串カツを!

老舗の名店が多いことも通天閣エリアの魅力ですが、新鋭のニューフェイスも負けていません。その1つが、通天閣を正面に望む「通天閣南本通り」沿いにある「串かつとお出汁 串右衛門(くしえもん)」。2023年にオープンした、創作串カツをメインとした居酒屋です。

開放感のあるファサードと、和を基調としながらスタイリッシュに仕上げられた空間はモダンでおしゃれ。軒先にはテラス、店内には完全個室や掘りごたつの座敷などが用意され、ゆったりくつろぐこともできます。

(右から)和牛いちぼのうにくら528円、黒豚ロース西京漬け330円
ぜひ味わいたいのが、「和牛いちぼのうにくら」(528円)や「黒豚ロース西京漬け」(330円)といった、ビジュアルも美しい創作串カツ。また、店名にも掲げられた関西ダシによる明石焼きやうどんなども、お店のウリとなっています。席数も多いので、数人でワイワイと楽しむにはうってつけかもしれません!

お串かつとお出汁 串右衛門
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東2-5-2 |
| 営業時間 | 11:30~22:00 金曜・祝前日11:30~翌1:00、土曜11:00~翌1:00、日曜・祝日11:00~22:00(各L.O.は1時間前) |
| 定休日 | なし |
| https://www.instagram.com/kushiemon_osaka/ |
釣鐘屋本舗|キュートでやさしい甘さの大阪銘菓はお土産にも◎

新世界がある浪速区と、堺筋を挟んで東側にある天王寺区の四天王寺。同古刹の大梵鐘(ぼんしょう)に因んで名付けられた、大阪銘菓「釣鐘(つりがね)まんじゅう」を名物とするのが「総本家 釣鐘屋本舗」です。有名百貨店にも展開するこちらの本店は、通天閣北側の「春日通商店街」沿いにあります。
釣鐘まんじゅう 179円
看板商品の「釣鐘まんじゅう」(1個179円)は、北海道十勝産の小豆をさらに粒を吟味するこだわりよう。それで作られたこしあんは、カステラ生地と調和するシルキーでやさしい甘さのおいしさに。
どれもキュートなルックスで写真映えする点も嬉しいポイント。日持ちするので、お土産にもおすすめです。
総本家 釣鐘屋本舗
| 住所 | 大阪市浪速区恵美須東1-7-11 |
| 営業時間 | 9:30~18:00 |
| 定休日 | 水曜 |
| Web | https://tsuriganeyahonpo.co.jp/ |
新世界おみやげもん横丁|笑顔とおいしさに思わずにっこり!「ビリケンさんしあわせ焼」
通天閣のほぼふもとにあるショップが、「新世界おみやげもん横丁」。2024年の夏にリニューアルし、店名通りの大阪土産をはじめ、大小雑貨屋アパレルなど多彩なアイテムを取り扱っています。

店内にカフェがあるので休憩もでき、そこで名物となっているのが「ビリケンさんしあわせ焼」(350円)。通天閣のシンボルであるビリケンさんをモチーフに、たい焼きのようなレシピで仕上げた甘味です。
味は北海道産あずきと濃厚カスタードの2種類が定番で、季節ごとに「焼き芋バターあん」や「京抹茶あん」などの限定も。店を出ればすぐ真上に、高さ108mの通天閣がそびえ立っているので、ぜひ食べる前にはタワーをバックに記念撮影を。これぞ通天閣観光の新定番、かもしれません!
新世界おみやげもん横丁
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東2-7-2 |
| 営業時間 | 10:00~19:30 |
| 定休日 | なし |
| Web | https://kokomo-yoshimoto.co.jp/shinsekai-omiyage |
千成屋珈琲|元祖のミックスジュースを楽しめる昭和喫茶

ひやしあめと並ぶ、大阪のソウル“ドリンク”といえばミックスジュース。その発祥店は、1948(昭和23)年にジャンジャン横丁で創業した「千成(せんなり)屋珈琲」です。当時高級品だったバナナが完熟し、黒ずむ前においしく味わうメニューとしてジュースを考案。リンゴや牛乳などを加えて販売した「ミックスジュース」が大ヒットし、やがて府内外へ知られていきました。

ストローが真っ直ぐ立つほどしっかりとした濃度ながら、現在はリンゴやバナナ、ミカン、黄桃、白桃を使い、甘さは控えめに。アップルピールの爽やかな風味や、微細な氷がテクスチャーのアクセントとなり、クリアなジュースよりはぽってりしつつ、スムージーより軽やかなおいしさです。

ロイヤルミックスジュース 950円
店内は、THE昭和レトロといえるあたたかな意匠と雰囲気。飾られたミックスジュースのポスターやモノクロの写真はお洒落さを演出し、気持ちも高揚します♪ なお、ジュースのバリエ―ションはトッピングを乗せた「ロイヤルミックスジュース」(1,000円)や、「ミックスジュースフロート」(900円)などもあり、飲み比べもおすすめですよ。

千成屋珈琲
| 住所 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東3-4-15 |
| 営業時間 | 11:30〜19:00 土・日曜・祝日9:00〜19:00 |
| 定休日 | なし |
| Web | https://www.sennariya-coffee.jp/ |

たかっぺ
さすが通天閣エリアだけあり、頭上にタワーが見えるロケーションはここならでは。通りはどこもにぎやかで、高コスパの大衆的なお店が多いのも特徴です。グルメのほかにも射的やスマートボールなどのレトロなアミューズメント店もあって飽きません♪ もちろん、通天閣の展望台へ行くのもおすすめ。とにかく食べたり遊んだりと、1日中楽しめるのが魅力の街です。
















