大人の悩みとしてよく聞くのが親との関係。子どもを思うからこその気遣い=おせっかいが負担という声をよく聞きます。誕生日プレゼントとして、いらないものを毎年くれる親に、断ったらいいのか、欲しいものをリクエストすればいいのか悩む声が寄せられました。そこで、精神科医Tomyさんとエッセイスト・ものすごい愛さんに、ちょうどいい落としどころをアドバイスしてもらいました!
オトシゴロなオトシドコロとは−
大人になると、きれいさっぱり解決できる悩みってほとんどない。だからこそ、納得できる「落としどころ」を見つけるのが、わたしたちらしい悩みとの向き合い方。人生経験豊富な先輩世代と同じ悩みを持つ同世代、2人のアドバイザーから、同じお悩みにちょうどいい落としどころを提案してもらいます。
[お悩み]両親がくれるプレゼントがいらないものばかり……
うちの両親は誕生日にプレゼントをくれます。それが風水的に良い(?)派手な財布だったり、自己啓発本だったりと、興味のないものが多くて素直に喜べません。娘に幸せになってほしいという気持ちはありがたいなと思うのですが……。今年ももうすぐ誕生日がやってきます。プレゼントはいらないと言う? それともほしいものをリクエストする? どちらにしても両親をがっかりさせることになりそうで悩んでいます。
(27歳 会社員)
[同世代・ものすごい愛さんの答え]「プレゼントはいらない」という本心は否定しなくていい。罪悪感を持たないで
ーもしご自身がほしくないプレゼントをもらったらどうしますか?
全然好みじゃないプレゼントをもらっても「選んでくれた気持ちがうれしい」って思う方もいらっしゃいますよね。私、実はその気持ちがあまりわからなくて。いらないものはいらないしなぁ、と思っちゃうんですよね(笑)。そのプレゼントがほしくない、もらっても喜べない気持ちが本心なら、否定しなくていいと思います。相手に伝えるかどうかは別にして、まずは自分の気持ちを素直に受け止めていいんじゃないかな。
ーうれしくないと思うのは、仕方がないことですものね。
そもそも人からもらうプレゼントには期待しないほうがいい気もしています。例えば、昔からの友達で趣味が合ってこちらの好みも熟知している相手なら、めちゃくちゃ気に入るプレゼントをくれる可能性もありますが……。100%喜べるプレゼントをもらうのって、むしろ珍しいことだと思います。
ー趣味も年代も違う、親からのプレゼントならなおさら難しいですよね。
そうなんです。気に入らなくて当然だと思ってもいいのに、この相談者は親の心情をここまで考えている時点で、ものすごくやさしくて親孝行。お父さん、お母さんの子育ては大成功していると思いますよ!
ー確かに、親を気づかう気持ちが感じられます。
ただ、プレゼントを喜べないことに罪悪感を感じているようだし、親への必要以上な遠慮も感じます。どうしても気になるなら「私じゃ手が届かない美味しいお店に連れて行ってほしいな」とか「しっかり教育を受けさせてもらって自分で稼げるようになったからさ。お金は老後のために蓄えて、お母さんの手料理を食べさせて」などと、プレゼント以外の代案を自分から提案してみてもいいのではないでしょうか。本心から喜べるものを一つでももらえたら、ちょっとは罪悪感が減るかもしれませんね。
ー親とどんな距離感で付き合うのか、結構難しいですよね。
私は親とすごく仲はいいのですが、全然連絡を取り合わないんです。メールや電話は2〜3か月に1回、車で40分のところに住んでいるのに会うのは年に2回ほど! 私ももう結婚しているし、お互いの生活を大切に幸せに暮らしましょう、というスタンスで。割と気楽に付き合っていますね。
ー仲がいいからしょっちゅう会うというわけではないんですね。
親子の関係って難しくて、いわゆる“呪い”になることもあるし、特に女性は母親の言葉に大きな影響を受けることもありますよね。私は、親相手にそこまで真摯に向き合う必要はないんじゃないかなと考えています。頼りたい時など都合のいい時には甘えて、あとはほどほどに付き合っておけばいいと思います。
ーなるほど。それぐらいのスタンスでいられると、気持ちもラクです。
一緒に暮らしている夫やパートナーとの関係は、しっかり向き合った方がいいし、本音をさらけ出して話し合って、仲を深めることは大切だと思います。でも、親と子の関係では、自分の思うことをすべて言って理解してもらうのは難しいし、それが健全とは限らない。ほどよい心の距離を取って、親を気にしすぎないようにするのがおすすめです。
ものすごい愛さんのオトシドコロは?
親との関係は呪いになることもあります。真摯に向き合いすぎずに、ほどよい心の距離を取りましょう。