今回は、湿気が溜まる原因や、すぐに取り組める湿気対策について解説します。適切な湿度についても紹介するので、湿気の高いシーズンも健康で快適に過ごせるように心がけましょう。
※この記事は2024年5月9日に公開した内容をアップデートしています。
水回り、日当たり・風通しが悪いところは湿気が溜まりやすい
湿気が溜まりやすい場所として、お風呂や洗面所、台所といった水回りを思い浮かべる人は多いでしょう。もちろん、水回りは湿気が溜まりがちな場所の1つ。しかし、水回り以外にも気をつけたい場所があるのです。
例えば、気温が下がりやすい北側の部屋、クローゼット、押入れ、靴箱や床下収納、寝室のベッドや布団の周りなど。こうした場所は、日があまり当たらず、風通しが良くない場所なので、湿気が溜まりやすいとされています。
また、雨の多い梅雨時だけでなく、乾燥しがちな冬場でも湿気が溜まることがあります。外の気温と室温との温度差によって、窓付近に結露ができると、湿気の原因になります。特に、窓とカーテンの間などは、冬場でもカビが発生することがあるため注意が必要です。
湿気は「カビ」や「細菌」の原因に
室内の湿気を溜まったままにしておくと、カビや細菌が発生しやすくなってしまいます。カビや細菌は、独特な臭いなど不快に感じるだけでなく、鼻炎やぜんそくといった、身体に影響を与えるアレルゲンとなるおそれもあるため、注意が必要です。
健康で快適な生活のためには、カビや細菌を増やさないよう、日頃から室内をできる限り清潔に保つ工夫が大切です。
今すぐできる湿気対策10選
ここからは、カビや細菌を発生させないために、簡単で取り組みやすい湿気対策を紹介します。
①こまめに換気をする
まずは、こまめに窓を開けて、室内の空気を入れ替えることが大切です。
目安としては30分に1回、数分間窓を全開にするよう心がけましょう。また、窓は同時に複数箇所開けるようにして、空気の流れを作るとよいでしょう。
雨の日などで窓を開けるのが難しいときは、換気扇を回して室内の空気を入れ替えるのがおすすめです。
参考:厚生労働省「「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」
堺市「暮らしの中のダニ・カビ対策」
②除湿機・エアコンを使う
カビや細菌の発生を予防する上で重要なのが、湿度を下げることです。カビや細菌は湿度が高い場所を好むため、除湿機やエアコンの除湿機能を使って、室内全体の湿度を下げることが効果的です。
また、除湿機やエアコンが汚れていると、機械内部の汚れを広げてしまうおそれがあります。取扱説明書にしたがって、フィルターなどを定期的に掃除するようにしましょう。
③サーキュレーターや扇風機を使う
水回りなど風通しが悪い場所では、サーキュレーターなどを利用して換気をしましょう。洗面所など窓がない場所でも、空気を循環させることができます。サーキュレーターなどを置く場所は、部屋の角や壁際がおすすめです。
参考:カビバスターズ福岡「梅雨対策には除湿器とサーキュレーターでカビとバイバイ!湿気と空気の汚れを解消|快適な生活空間を実現する方法」
④除湿剤や新聞紙を活用する
靴箱や床下収納など換気が難しい場所には、置くだけで湿気を吸収してくれる除湿剤や新聞紙を活用しましょう。風通しが悪いままにしておくと、最悪の場合、収納している靴などにカビが生えてしまうことも。除湿剤などを上手に使って、カビの発生を予防することが大切です。
除湿剤には、据え置きできるタンクタイプや薄いシートタイプなど、いくつか種類があるので、スペースや使い勝手に合わせて選ぶのがおすすめです。
湿気を吸収した除湿剤は、定期的に新しいものに交換する必要があります。タンクタイプの除湿剤の中に水が溜まったり、シートタイプの除湿剤の内部がゼリー状になったりしたら交換の目安。除湿剤の内部に水分が溜まったままだと、十分な除湿効果が発揮されないことがあるので、忘れずに交換するようにしましょう。
なお、シリカゲルなどを使った除湿剤の中には、乾燥させることで繰り返し使えるものもあります。商品の注意書きや取扱説明書をよく読んで、正しい使用を心がけましょう。
また、新聞紙を丸めて靴の中に入れると、水分を吸収してくれるので、雨の日などで濡れた靴を乾かすのに効果的です。水分を吸った新聞紙は入れたままにしておくとカビの原因になるため、こまめに入れ替えて必ず乾いたものを使うことが大切です。
⑤結露防止シートをつける
ホームセンターなどでは、結露による水分を吸収したり予防したりするアイテムが販売されています。窓ガラスに貼れて、断熱効果のあるシートなら、外気温が室内に伝わりづらくなるので、結露を予防する効果が期待できるでしょう。
参考:となりのカインズさん「結露を防止してカビを防ぐ!おすすめグッズ8選と結露の対処法」
⑥重曹や竹炭を活用する
食品として使われることもある重曹は、除湿剤としても活用できます。ビンなどに重曹を入れ、蓋をせずに置いておくだけで、周りの水分を吸収してくれます。同じように、竹炭も置いておくだけで水分を吸収してくれます。どちらも脱臭効果があるため、靴箱などの除湿に最適です。
参考:となりのカインズさん「湿気取りには重曹がおすすめ! 除湿剤の作り方や再利用術をご紹介」
⑦家具は隙間を空けて配置する
家具の配置を工夫して部屋の中に湿気が溜まりにくくすることも大切です。家具を壁にピッタリとくっつけて配置するのではなく、ある程度隙間を空けて、風通しを良くするのがよいでしょう。家具の背面や壁紙にカビが発生するのを防ぐことができます。
⑧入浴後に換気扇を回しておく
入浴後は浴室内に湿気が充満しています。浴室に窓がある場合には開け、換気扇を回すようにしましょう。お風呂のドアを開けっぱなしにすると脱衣所に湿気が流れ込んでしまうため、おすすめできません。換気扇を回すことで空気の流れができて、湿気が溜まりにくくなります。
⑨凍らせたペットボトルを部屋に置く
除湿機がない場合に湿度を下げたいなら、凍ったペットボトルを室内に置くのが簡単です。ペットボトルが周りの空気が冷やすことで、空気中の水分が結露としてペットボトルに付着します。これによって室内の湿気を取り除くことができます。ペットボトルの表面が濡れてしまったら、乾いたタオルなどで拭き取れば、繰り返し使うことができます。
⑩すのこの上に布団は片付ける
寝ている間にも汗をかくため、布団には湿気がこもりやすくなっています。そのため、布団を片付ける際にはすのこを置いて空気の通り道を確保することが大切です。特に、押入れに布団を片付ける場合には、密閉されて湿気がこもりやすいため、必ずすのこを使うようにしましょう。布団を片付ける前に、広げて乾燥させることも効果的です。
湿度を上げないためにできる予防法4選
部屋の湿度を上げないようにすることが湿気対策のポイント。ここで紹介する4つの予防法をぜひ実践してみてください。
①水蒸気が発生しない暖房器具を使用する
石油ストーブや灯油ファンヒーターなど燃焼するタイプの暖房器具は、燃焼する際に多くの水蒸気を発生させます。一方で、エアコンやセラミックジャンヒーターなどの燃焼しない暖房器具からは水蒸気は発生しません。湿気対策をする場合には、燃焼しないタイプの暖房器具がおすすめです。
②観葉植物はなるべく風通しがよく乾燥したところに置く
植物は、根から水分を吸い上げて葉から蒸散させます。土や受け皿の水からも湿気が発生するため、できるだけ風通しがよく乾燥したところに置くのがベターです。
③洗濯物の部屋干しをしない
洗ったばかりの洗濯物を室内で干すと、湿度を上げる原因になってしまいます。乾燥機を使うなどして、なるべく室内に湿気を溜めないようにしましょう。どうしても室内干しをする場合には、サーキュレーターを使うなどして早めに乾かすように心がけましょう。
④除湿剤は可能な限り下に置いておく
水分は空気より重いので、湿気は下の方に溜まりやすい性質があります。そのため、水を貯めるタンクタイプの除湿剤はできるだけ床に近い位置に置くのが効果的です。なお、除湿剤は形状や成分によって用途が異なるため、製品の表示をよく読んで使用しましょう。
厚生労働省が推奨する湿度は「40%以上70%以下」
厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」によると、空調設備がある建物では、湿度を「40%以上70%以下」にすることが望ましいとしています。つまり、乾燥しすぎず、高すぎない湿度に保つことが、カビや細菌の発生を抑え、健康に過ごす上で重要だということです。
まとめ:こまめな換気と適切な湿度のコントロールが大切
カビや細菌の原因になりうる湿気の発生を抑えるには、風通しを良くすることが効果的です。そのためには、こまめな換気を行うとともに、エアコンの除湿機能やサーキュレーターなどを活用することが大切です。梅雨時に備えて、正しい対策を取り入れて、心地よい暮らしを目指しましょう。
コラム:スマートフォンで家電を操作するサービスも
最近は、スマートリモコンと連携して、家電をまとめてコントロールできる便利なサービスが登場しています。
関西電力の「家電制御サービス はぴリモ+」では、スマートフォンのアプリを通じて、外出先から家電を操作して、室内を快適に保つことができます。手軽で簡単にスマートな暮らしを実現するのに役立つサービスです。こうしたサービスを利用するのもおすすめです。
みかりん
もうすぐ梅雨の季節がやってきますね...。カビや細菌が発生する前に、今すぐできる湿気対策から始めてみましょう!