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きたる4月13日(日)、「EXPO 2025大阪・関西万博」がいよいよ開幕します。関西電力を含む、10の電力会社からなる電気事業連合会(以下、電事連)のパビリオンは「電力館 可能性のタマゴたち」。建築工事にあたり、副長を務めた担当者に詳しい話を伺いました。
画像: 電気事業連合会 大阪・関西万博推進室 副長 河田智博

電気事業連合会 大阪・関西万博推進室 副長 河田智博

推シゴトファイル〜推しからみえるお仕事の世界〜

関西電力が担う業務は実にさまざま。電気にかかわるものはもちろん、一見関連性がないように思える意外な分野まで、幅広く手がけています。このシリーズでは、社員が語る、業務やプライベートの“推シゴト”を通じて、多種多様な「お仕事」をご紹介します。

「電力館 可能性のタマゴたち」とは?

「電力館 可能性のタマゴたち」は、タマゴ型デバイスとともに、未来のエネルギーの可能性について、楽しく学べるパビリオン。カーボンニュートラルのさらにその先を見据え、社会の基盤を支える電力業界ならではの視点で未来社会を描きます。

開催前から注目されているのは、その建築デザイン。まるで草原に大きなタマゴが佇んでいるようで、「ここから何が生まれるの?」と好奇心を刺激されます。そんなパビリオンの建築工事が2025年1月に竣工しました。

画像: 「電力館 可能性のタマゴたち」の建築デザイン(イメージ画像) ©The Federation of Electric Power Companies of Japan

「電力館 可能性のタマゴたち」の建築デザイン(イメージ画像)
©The Federation of Electric Power Companies of Japan

山積みの課題を職人技で解決。タマゴ型のパビリオンに隠されたマル秘エピソード

―まずは「電力館 可能性のタマゴたち」の建築にあたり、担当されていたお仕事について教えてください!

河田「建築工事の副長として、実施設計・施工者の選定コンペや、現場での施工管理・調整などを担当しました。

それまでは、約30年間にわたって関西電力の建築部門で、発電所などの電力施設の建築に携わってきたものですから、このような仕事を担当するのは初めて。電事連に出向を命じられたのは2022年7月ですが、それまで電事連に建築の職場はなかったので、はじめは何かの間違いではないかと思ったほどです(笑)。そのくらい、私にとっては未知の世界でした。しかし、これも何かの縁。驚きや不安を感じる一方で、この年齢になっても挑戦できるフィールドがあることに感謝して挑みました」

画像1: 山積みの課題を職人技で解決。タマゴ型のパビリオンに隠されたマル秘エピソード

―関西電力の施設とはまるで違う建築デザインで、まさに挑戦ですね!

河田「そうですね。『デザインを形にすること』が私たちの仕事ですが、このパビリオンはツルンとした曲線ではなく、光の当たり方や角度で見え方が変わるよう、多角形の平面で構成されています。周囲の建物と差別化を図り、アイコニックで、未来に向けた期待感や生命を感じるこの外観こそが『電力館 可能性のタマゴたち』の肝。しかし、このアイデアを具現化することは、建築の観点からは非常にハードルが高いものでした。

夢洲は埋立地のため、建物重量への配慮や、万博特有の設計条件への対応など課題は山積み。期間限定の建築物ゆえに、取り壊しの方法や廃棄物をできるだけ低減させることも考えて実施設計をしなければなりません。加えて、資材の高騰といった逆風も吹き、正直に言うと『本当にタマゴ型のデザインを実現できるのだろうか』と、頭を抱えました」

画像2: 山積みの課題を職人技で解決。タマゴ型のパビリオンに隠されたマル秘エピソード

―その課題を解決するために、どんな工夫をされたのでしょうか?

河田「まず、多角形のタマゴを実現するには、平面と平面のつなぎ目部分の稜線をいかに際立たせるかが重要です。当初は金属パネルを使うことを考えていましたが、コストの関係もあり、試行錯誤の末にシルバーの不燃膜材を貼り合わせる工法を採用することになりました。その後は、鉄骨の加工方法や組立精度の担保、膜材の張り方など細部にわたって検証を繰り返し、6回目のモックアップ(原寸大模型)での確認を経て、ようやく『これでいける!』と手応えを感じたのです」

画像: 検証の様子

検証の様子

河田「未来に向けた期待感や生命を感じさせる外観は、最終的に60パターン352枚もの膜材を貼り合わせ、2,000本を超える鉄骨に一つひとつ紐で結びつけることで実現しています。また、建物の高さを最大限高くするとともに、内部の床面積を限界まで確保するため、主軸を15度傾斜させていることもこだわりです。1度でも狂うと鉄骨が組み合わなくなるので、鉄骨の組立てにはとても苦労しました」

―試行錯誤を重ね、パビリオンが完成したときにはどんな想いでしたか?

河田「それはもう、安堵です。かっこいいことを言えなくてすみません(笑) 。難しいデザインを、工期通り、無事故で形にできたことにホッとしました。多くの課題を解決できたのは私一人の力ではありません。プロジェクトメンバーを始め、パートナー企業様の支えがあってこそ。『絶対に完成させたい』という、一つの目標めがけて全員で走り抜けたから今があるのだと、改めて喜びを噛み締めています」

―このプロジェクトに携わって良かったと思うことは?

河田「万博に携われるなんて一生に一度の大仕事。誰でも経験できることではありませんから、プロジェクトに関われたことこそが最大の喜びです。

また、建築を仕事にしている身としては、建設中のさまざまなパビリオンをあらゆる角度から見られることに幸せを感じます。普段は街中で見ることがないデザインに触れられるのは、まさに特権でしょう。特に、海外の建築物は日本にはない感性が豊富で、見ていてとてもおもしろいですよ!」

サウナで「ととのう」ための動線計画は仕事に似ている!?

―プロジェクトの困難を聞くに、心休まる時間がなかったのでは……

河田「休みの日は、サウナに通って“ととのって”いました。5年ほど前からサウナの魅力にとりつかれているんです (笑)。きっかけは、赴任先の単身寮にあったサウナに何気なく入ったことでした。じっくりと汗を流すと身体だけではなく頭の中もスッキリして、仕事の疲れが吹き飛ぶことに気付きました。

今では妻もすっかりサウナの虜になり、旅行をする際には『どこのサウナに行く?』から旅先を決定することが増えました。“推しサウナ”は、富山県にある『スパ・アルプス』です。大浴場や水風呂に、北アルプス水系の天然水を使用していて、何とも言えない水のやわらかさが味わえます。やはり、水がきれいなエリアにあるサウナは気持ちがいいですね」

画像: サウナで「ととのう」ための動線計画は仕事に似ている!?

―サウナと仕事、通ずるものはありますか?

河田「サウナ、水風呂、外気浴を繰り返すことで“ととのった”感覚が得られるのが、サウナの醍醐味。より良い“ととのい”を得るためにはこの3つをいかに滞りなく移動するかが重要なので、動線計画を考えることは欠かせません。建築も動線が肝心ですから、初めていくサウナではついつい動線をチェックしてしまいますね。

サウナの間は頭の中を空っぽにして、あえて仕事のことは考えません。そのおかげで、プライベートと仕事の切り替えがスムーズです。大変な時期を乗り越え、こうして喜びを得られているのもサウナがあったからかもしれません」

大阪・関西万博では、角度や時間帯によって表情を変えるパビリオンを満喫してほしい

―話は戻り、「電力館 可能性のタマゴたち」の見どころを教えてください!

河田「多角形の平面を組み合わせた外観は、360度全方向が表になるデザインを意識しました。私が好きなのは“大屋根リング”も一緒に眺められる東ゲート側からの景観。また、会期中は大屋根リングの屋上に設けられる回廊から見下ろすこともできますよ。シルバーの膜材は天候や時間帯によって見え方が変化するので、晴天時には青空が、日没時には夕焼けが映り込む姿は一見の価値があります」

画像: 東ゲート側からの景観。「電力館 可能性のタマゴたち」と書かれたパネルの形は、タマゴの外殻のどこかにも同じ形が!どこにあるか探してみるのも楽しそうです。

東ゲート側からの景観。「電力館 可能性のタマゴたち」と書かれたパネルの形は、タマゴの外殻のどこかにも同じ形が!どこにあるか探してみるのも楽しそうです。

河田「もちろん、中の展示も見ものです。『プレショー』『メインショー』『ポストショー』の3部で構成されたエリアを、タマゴ型デバイスを持って巡ることでエネルギーの可能性を感じていただけるパビリオンになっています。大人も子どもも楽しめるはずですよ」

画像: 体験展示の鍵となるタマゴ型デバイス

体験展示の鍵となるタマゴ型デバイス

―パビリオン建築がひと段落した今、これからの展望を教えてください。

河田「竣工したばかりではありますが、現在は解体に向けて検討に入っています。外観に使用したシルバーの膜材は防水性、耐火性、耐久性に優れているので、解体後は防災グッズにリユースできないかなど考えているところです」

―最後に一言お願いします!

河田「開幕までカウントダウンが始まりました。夢洲では着々と準備が進んでいて、さまざまなパビリオンが姿を見せ始めています。その中でも、『電力館 可能性のタマゴたち』は、未来におけるさまざまなエネルギーの可能性について、楽しみながら学んでいただけるパビリオンになっていると胸を張って言えます。ぜひ、ご来場ください!」

画像: 大阪・関西万博では、角度や時間帯によって表情を変えるパビリオンを満喫してほしい

EXPO2025 大阪・関西万博と関西電力の取組みについて詳しくはこちら

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