[同世代・ものすごい愛さんの答え]癖を完全に直すのは難しい。問題が起こらないような環境を作ることも、一つの努力
ーまずは、このお悩みを聞いてどう思われましたか?
先延ばし癖があることで、これまでそれほど痛い目を見たことがないのかなと思いました。本当に取り返しのつかないことをやらかさない限り、変わらない気がします。ただ、こういう性質は誰しも持ってるんじゃないかなとも思います。実は、私も先延ばし癖ありますよ。
ーどう対策しているのでしょうか?
結婚式の招待状や飲み会のお店の予約など、他人に迷惑がかかることはしないようにと自分に言い聞かせています。あとはやっぱり、最悪のパターンを想像してみること。これをやったらもう誰からも飲み会には誘われなくなって孤独なまま死ぬとか、裏でものすごく悪く言われて信用できない人のカテゴリーに入れられるとか(笑)。
ー確かに、そうやって自分を戒めるしかない気も……。
周りに協力してもらうのも一つの手だと思います。私の場合、原稿を書くときにこだわりすぎて時間がかかったり、後で見直そうとして返事が遅れたりしてしまうことがあるんです。お付き合いが長い編集者さんは、こんな私を熟知してくれているので本当の締切を言わない。最終締切だと言われた期日が、あとで聞くと本当の締切の5個前くらいだったりして(笑)。自分の特性をわかってくれる人がいるのなら、恥を忍んでサポートを頼んでみては?
ーほかにも、先延ばし癖を改善するためにできることはありますか?
そもそも、先延ばししがちなのはその人の性質なので、完全に直すことは難しいと思うんです。この癖によって問題が起こらないような環境を作ることの方が重要なのでは? まずは、先延ばし癖があるという事実を受け止めて、その上で、結婚式の招待状の締切はリマインドしてもらうように友達に頼んでみるとか、飲み会の幹事は引き受けないとか。やってもらったらしっかり感謝はしつつ、できないことは無理せずに、周囲の得意な人に任せていいんじゃないかな。
ーなるほど。人に迷惑をかけないよう予防策をとっておくということですね。
予防策をとるには、自分がどんなタイプなのかを把握することも大切かもしれません。一口に先延ばし癖があるといっても、いろいろだと思うんですよね。私は楽観的なところがあって、時間の読みが甘いタイプ。ほかにも、極度のものぐさとか面倒くさがり屋で腰が重く、なかなか作業が進まないとか、実は完璧主義者で目の前のことが片付かないとほかのことに取り掛かれないとか、色々なタイプがあると思うので。
ー自分のタイプによって対策も変わってきそうですね。
そうですよね。例えば完璧主義者なら、予定が入った時点で優先順位を書き出して、ほかの作業が途中でも、優先度の高いものから進めていくと決めるのがいいと思います。
ーちなみに、自分ではタイプがわからなかったり、対策がとれない場合はどうすれば?
カウンセリングなどに行って、プロに相談するのも有益な方法だと思います。自分の特性を知って向き合うことってすごく大切ですし、診断名がついたりすることで、気持ちがラクになるかもしれません。コーチングなどもあるし、自分に合う方法が見つけられるといいですね!
ものすごい愛さんのオトシドコロは?
先延ばし癖がある人には、面倒くさがり屋もいれば完璧主義者もいる。まずは自分のタイプを知り、それに合わせた対策で、他人への迷惑を回避しよう。
[まとめ]自分の性質を受け止めて、それに合った対策を
「早めに進めた方がいいものの、ほどよいペースで」と話す精神科医Tomyさんと、「自分の先延ばし癖を受け止めて、対策を」と話すものすごい愛さん。どちらも、自分の性質やキャパシティを知った上で、それに合った無理のない対策をすすめてくれました。自分の先延ばし癖と、一度しっかり向き合ってみては?
精神科医Tomy
1978年生まれ。心療内科・精神科クリニック院長として勤務。心に響く言葉を発信しているTwitterが人気で、フォロワーが38万人を突破。さまざまなお悩みにわかりやすく答えるYouTubeチャンネル「精神科医Tomyの人生クリニック」も人気となっている。著書『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に始まる「1秒シリーズ」は、30万部突破のベストセラーに。新著に『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)。
ものすごい愛
1990年生まれ。エッセイスト。札幌在住。明朗快活で前向きな発言、最愛の夫との仲良し生活を綴ったツイートが人気。著書に『今日もふたり、スキップで ~結婚って“なんかいい”』(大和書房)、『命に過ぎたる愛なし 〜女の子のための恋愛相談』(内外出版社)、『ものすごい愛のものすごい愛し方、ものすごい愛され方』(KADOKAWA)。現在、女性の恋愛に関する悩みを解決するメディア『AM』にて『命に過ぎたる愛なし』を連載中のほか、さまざまなメディアにエッセイを寄稿。