世界中で起こっている環境問題の種類についてご存じでしょうか? 「環境問題といわれても、漠然とした印象しかない」という方もいるかもしれません。しかし、環境問題はSDGsの掲げる17のゴールの多くにかかわる重要な課題であるといえます。

そこで、本記事では、環境問題の種類にはどのようなものがあるかについて解説します。この記事を読めば、環境問題の定義や種類はもちろん、いま注目を集めるサステナブル社会やSDGsとの関係もきっとわかるようになるでしょう。

環境問題 はいつから始まったのか?

画像: 環境問題 はいつから始まったのか?

環境問題とは、人間の活動によって地球環境に変化が生じ、それによって起こるさまざまな問題のことを指します。環境問題は、地球規模の大きな問題に発展することが多く、人類の将来にとって深刻な脅威となってしまうのです。

日本の歴史を振り返ってみると、これまでもさまざまな環境問題が発生してきました。特に、戦後の高度経済成長期に全国で相次いで起こった、イタイイタイ病、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくの四大公害は有名です。

もちろん近代化の以前も、人間の活動が地球環境へ与える影響はゼロではありませんでした。しかし、その影響は自然が本来持つ回復スピードを上回ることはなく、人間が環境に与える影響よりも自然界の回復力の方が勝っていたと考えられます。そのため、近代のような重篤な環境問題になることは少なかったといえるでしょう。

参考:独立行政法人 環境再生保全機構

コラム:人間の活動が環境に影響を与えはじめたきっかけ

人間の活動が環境に大きな影響を与えるようになったきっかけは、18〜19世紀にかけて世界中で始まった産業革命が大きな要因であると考えられています。この頃から、石油や石炭といった化石燃料が使われるようになり、経済や社会が急速に発展していきました。世界の人口も急激に増え、自然界の回復力を超える人為活動が繰り広げられるようになりました。

その結果、酸性雨やスモッグによる健康被害など、さまざまな環境問題が地球規模で発生し、徐々にその深刻な現状に目が向けられるようになっていったのです。1972年6月には、世界で初めて環境問題を話し合った「国連人間環境会議(ストックホルム会議)」がスウェーデンで開催されました。ストックホルム会議のテーマは「かけがえのない地球(Only One Earth)」とされ、環境問題が人類共通の課題であることが確認されたのです。

7つの環境問題 とは

画像: 7つの環境問題 とは

現在、環境問題は、大きく次の7種類に分類されています。

  1. 海洋汚染
  2. 化学物質・有害廃棄物の越境移動
  3. オゾン層の破壊・地球温暖化
  4. 生物多様性の減少
  5. 鉱物資源やその他資源の減少
  6. 森林破壊・砂漠化
  7. 酸性雨

地球規模で起こる環境問題は、各国が協力して解決すべき課題と考えられており、国は外交上の重要課題と位置付けています。

①海洋汚染

画像: ①海洋汚染

海洋汚染とは、人間が排出したさまざまな物質によって海洋環境が汚染されてしまうことをいいます。近年は、プラスチックごみによる海洋汚染が特に問題視されています。プラスチックは非常に分解されにくいため、長期間にわたり自然界に残り続けます。

また、5mm以下の微細なマイクロプラスチックによる海洋汚染は全世界に拡大しており、北極や南極でも観測が報告されています。マイクロプラスチックは、人体への影響が懸念されており、マイクロプラスチックを摂取した海産物を通じて人体に侵入する可能性があります。実際に生物の体内から検出された事例も報告されております。

プラスチックだけでなく、水銀やカドミウムといった有害な廃棄物によって海洋汚染が起きることもあります。しかし、こうした有害化学物質に関しては、比較的早くから国際法によって海洋投棄が禁止されてきました。

1972年12月には「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(ロンドン条約)」が採択され、有害廃棄物の海洋投棄を禁止。その後、1996年にはこの条約をさらに強化する「ロンドン議定書」が交わされました。

参考:環境省
参考:大阪市

②化学物質・有害廃棄物の越境移動

画像: ②化学物質・有害廃棄物の越境移動

1970年代ごろから、欧米諸国などを中心に、化学物質や有害廃棄物を途上国に放置するなどの国境を越えた移動が行われるようになりました。その結果、途上国の環境汚染が進み、しかも最終的な責任が誰にあるのかが不明確であるという問題も生じてしまったのです。

責任が不明確だと、回収責任はだれも背負うことなく見過ごされることに繋がるおそれがあります。このままでは、さらに有害物質の排出が進み、抑制や回収されることなく、環境汚染がさらに進んでしまうかもしれません。

こうした背景を受け、有害な廃棄物の国境を越える移動を規制する「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」が締結され、日本も1993年から加入しています。

バーゼル条約の規制の対象となる廃棄物は数年おきに追加・更新されています。2019年には「汚れたプラスチックごみ」が新たに規制対象に加えられました。

参考:環境省

③オゾン層の破壊・地球温暖化

画像: ③オゾン層の破壊・地球温暖化

オゾン層は地球を取り巻き、有害な紫外線などを吸収しています。しかし、冷蔵庫の冷媒や電子部品の洗浄剤などに使用されていたクロロフルオロカーボン(CFC)や消火剤に含まれるハロンといった物質が大気中に拡散されると、光分解されることで塩素原子を放出し、オゾン層を破壊してしまうことがわかっています。

こうしたオゾン層の破壊については、1970年ごろから国際的な議論が始まりました。1985年3月にオゾン層保護のための国際協力を定める「オゾン層の保護のためのウィーン条約」が、その2年後には、オゾン層を破壊する可能性のある物質を生産したり消費したりすることを制限する「モントリオール議定書」が採択されました。

一方、人間活動によって排出される二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスに起因する地球温暖化も、環境問題の一つだとされています。地球温暖化を含む気候変動の問題に対しては、国連において「気候変動枠組み条約」が定められ、1995年から「COP」と呼ばれる締約国会議で対策が議論されています。

地球温暖化のメカニズムについては、こちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

参考:環境省

④生物多様性の減少

画像: ④生物多様性の減少

私たち人類は、地球上の多様な植物や動物とともに生活しており、時には植物や動物を食料や医療といった目的に活用することもあります。生物多様性の減少は、生態系の豊かさが損なわれるだけにとどまらず、私たちの暮らしとも直結する問題だといえるでしょう。

近年は、乱獲や自然開発などのさまざまな影響から、野生生物の種がこれまでにないスピードで絶滅しているといいます。レッドリストに掲載される絶滅危惧種の数が増えているという話題を耳にしたことがある方もいるかもしれません。レッドリストとは、絶滅のおそれがある野生動物の一覧のことです。

そこで、世界では、絶滅のおそれのある特定種の動物の取引に関する「ワシントン条約」や、主に水鳥の生息地である湿地を守る「ラムサール条約」などを整備し、できるだけ多くの種が持続可能となるような対策を行っているところです。

⑤鉱物資源やその他資源の減少

画像: ⑤鉱物資源やその他資源の減少

人間の経済社会の活動では、いろいろな資源を利用しています。電子機器などに活用される鉱物資源もその一つ。ですが、こうした鉱物資源も枯渇が心配されているのです。例えば、金、銀、鉛といった鉱物資源は、あと30~40年で採掘できなくなってしまうという見方もあります。

こうした資源枯渇のリスクを回避するために、重要な考え方が「都市鉱山」を活用するというものです。「都市鉱山」とは、すでに私たちが使っている電子製品の基板などに含まれる金属を指します。こうした金属をリサイクルすることで、新たな鉱物資源を採掘する必要性が減り、資源をより持続的に活用できると考えられているのです。

実際に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で使われた約5000個の金・銀・銅メダルは、こうした都市鉱山によって集められた金属によって作られたものです。

都市鉱山の活用は、レアメタルの確保にも役立ちます。レアメタルとは、少ない埋蔵量や経済的、技術的な理由により採掘が難しい金属のことです。身近な例だと、スマートフォンのバッテリーに使われているリチウムや、腕時計のバンドや自転車、航空機などに使用されているチタン、その他、プラチナやニッケルなどもレアメタルです。レアメタルは産業の競争力を左右する重要な資源であり、日本ではこの資源をどのように確保していく かが課題とされています。

参考:経済産業省 物質材料研究機構
参考:一般財団法人 日本環境衛生センタ

⑥森林破壊・砂漠化

画像: ⑥森林破壊・砂漠化

世界の森林の約半分を占める熱帯林では、森林破壊が進んでいるとされています。1990年から2020年までの30年間において、森林破壊されたエリアの約9割が熱帯地域に起因していると報告されているのです。

森林破壊は土地利用や木材の確保を目的とした、人間による伐採が主な原因とされています。また、森林火災もその原因の一つです。

こうした熱帯林などの森林破壊は、生態系の減少と同時に地球温暖化を加速させるリスクも指摘されています。熱帯林には、地球温暖化の原因であるCO2を吸収するはたらきもあるからです。

そこで、横浜市に本部を置く国際熱帯木材機関(ITTO)は、熱帯林が持続可能であるように、合法的な方法で伐採された木材の貿易を促進することで、森林の保護を行っています。

一方で、アフリカなどの地域では深刻な干ばつなどによる砂漠化の問題も顕在化しています。こうした地域の砂漠化を緩和するため、国は「砂漠化対処条約」に加盟するとともに、政府開発援助(ODA)などを通して支援を行っています。

参考:外務省

⑦酸性雨

画像: ⑦酸性雨

環境問題といえば、酸性雨を思い浮かべる方もいるかもしれません。主に西欧諸国では、1970年代ごろから酸性雨による生態系や遺跡、建造物などへの影響が注目され、対策がとられていました。

近年は、著しい経済成長を遂げつつある東アジア諸国でも同様の問題が発生しています。酸性雨も国境を越えた問題であることから、国際連携によって対策を講じることが必要 だとされており、2001年1月からは「東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)」という地域体制が活動を展開しています。

参考:外務省

サステナブル・SDGsは環境保全のための取り組み

画像: サステナブル・SDGsは環境保全のための取り組み

こうした数々の危機的な地球環境の状況を受け、2000年前後から「サステナブル社会(持続可能な社会)」や「SDGs(持続可能な開発目標)」という概念が国連などによって提唱され、環境保全を図るようになっていきました。

「サステナブル社会」とは、将来の世代にわたって豊かに暮らし続けられるような、地球の環境と資源が調和した社会のことを指します。「サステナビリティ(持続可能性)」という考え方は、もともと、1992年6月の「国連環境開発会議(地球サミット)」で提唱されたものです。

そして、2015年9月には、国連において「SDGs(持続可能な開発目標)」という17の目標と169のターゲットが設定されました。これは、2030年に向けて持続可能でよりよ い社会を目指すために設定された世界共通の目標で、地球上の「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」を掲げています。

関西電力グループでは、「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、地球温暖化を防ぐため、「ゼロカーボンビジョン2050」を掲げ、発電事業をはじめとする事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロにすることを目標にしています。
また、子どもから大人まで多くの方に向けたWebコンテンツ「教えて!かんでん」では、地球環境だけでなく電気やエネルギーについても簡単な言葉で説明しているため、環境問題を 気軽に学んでいただくことができます。

個人でできる環境保全活動

画像: 個人でできる環境保全活動

この記事をここまで読んでくださった方であれば、環境破壊を食い止めるため、何かアクションを起こしたい、と思っていただいた方もいるかもしれません。

そういった方でも、まず取り組みやすいのは、ゴミの処理をきちんとすることです。ゴミはゴミ箱に捨てる、プラスチックや容器のトレーは再利用ボックスに捨てるなど、当たり前のことを行うだけでも、環境破壊を食い止めることに貢献ができます。

まとめ:環境問題を理解し、できることから始めよう

環境問題は、地球規模で深刻な影響を与えるとても大きな課題です。地球や世界、または国家規模で取り組む課題だといって、私たち個人が何もしなくてもよいわけではありません。大切なことは、私たち一人ひとりが環境問題の現状を理解し、どうすれば解決につながるのか、自分にできることはないかを考え、継続的にアクションを起こしていくことではないでしょうか。個人や企業を問わず、地球の全員がアクションを積み重ねていくことが、限りある資源を守り、地球環境の改善につながるのではないでしょうか。

画像: 環境問題に迫る!7つの種類を解説|サステナブルやSDGsとの関係も紹介

こうちゃん

私は、地球環境のための活動として、、、できるだけ車に乗ることを少なくして、歩く(走る)ことを始めました!

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