不易糊工業に聞く、「フエキくん」誕生秘話
「フエキくん」の原型になっているのは、1975年“かわいい容器で楽しい工作”というコンセプトで発売された「でんぷんのり どうぶつシリーズ」。発売から48年を経た現在でも「どうぶつのり」として園児や学童に愛され続けています。発売当初は黄色い犬と青い象、ピンクのウサギの3種類のデザインがありましたが、最終的に人気が高かった黄色い犬だけが残ったそう。
「黄色いので、ひよこやあひると間違えられることも多いですが、実は犬なんです。海外では未だにあひるだと思われてますが(笑)」と、不易糊工業 企画開発室の山口学さん。
大阪府八尾市に本社がある不易糊工業は、1886年に不易糊工業の前身「足立商店」として創業。1895年にはホルマリンを使った、腐らない「不易糊」を発売しました。その後、とうもろこしでんぷん100%にこだわった安心安全なでんぷんのりを開発。学童用として販路を拡大し、今も変わらないロングセラー商品となっています。
「キャラクターとしてのフエキくんの誕生は、2006年頃、社員の一人がどうぶつのりの容器の特集サイトを見つけたことがきっかけです。子どもの頃からファンという男性がCGを使って容器のデザインをあしらった架空の商品のイメージ画像を載せていたのに驚きました。その時、ああ、フエキくんを一つのキャラクターとして見ていてくれる人がいたんだなと気づいたんです」。
さらに同時期、大阪のライセンス管理会社「エフォート」からも「ぜひ容器をキャラクター化してみませんか?」との提案があり、一気に商品化への動きが加速。こうして2008年、どうぶつのりから生まれた「フエキくん」が誕生したのです。
誰もが懐かしく感じる、認知度の高さが魅力に
実は、最初に人気に火がついたのはステーショナリーではなく、新たに参入した化粧品事業だったそう。どうぶつのりのデザインを利用した容器でハンドクリームを販売したところ、懐かしさとその意外性から3か月で40万個の大ヒットに!
続いて2010年には「フエキくんステーショナリー」を発売。シャープペンシルやボールペン、シールなどが人気を集め、今では自社オリジナルアイテムは約50種類と実に多彩。公式オンラインショップでも購入することができます。
「子どもの頃には無意識だったものが、大人になってから見ると懐かしい、可愛い、という人が増えてきたタイミングだったのかなと思います。子どもの頃に使っていた人が成長するとともに、フエキくんの可愛さも成熟してきたのかもしれませんね」(山口さん)
心斎橋PARCOハンズ内「フエキショップ」の楽しみ方
そして2020年11月、心斎橋PARCO9Fハンズ内の一角にフエキくんの専門店「フエキショップ」が誕生。店内には不易糊工業のオリジナルアイテムだけでなく、お店の運営会社が独自に開発した雑貨や衣類、お菓子など約200点がずらりと並んでいて、見ているだけでワクワクしてきます。
お店の看板には「ALWAYS BE WITH YOU」の文字が!
「WITH YOU」編集部として嬉しい発見でした。
絶好のフォトスポットは巨大な「フエキくん」
入り口にある巨大な「フエキくん」は絶好のフォトスポット。背後にはのぞき穴があり、ボタンを押すとカラフルな映像が流れるのも楽しい仕掛けです。
豪華なコラボ商品やオリジナルグッズが充実
三菱鉛筆のボールペン「ジェットストリーム」とのコラボ商品や、画材大手マルマンのスケッチブック、BEAMSがデザインしたTシャツやパーカーなど、さまざまな企業とのコラボ商品が多いのも特徴。レトロなイラストが可愛い「クッピーラムネ」やサンリオキャラクターとコラボしたお菓子、そして“糊”にちなんだ“海苔”の商品も見逃せません!
フエキショップ限定の映えソフトクリーム
さらに、自分で巻いて作るソフトクリームもフエキショップならではのお楽しみです。
フレーバーは全部で6種類。バニラ、ストロベリー、チョコレートなどの定番はもちろん、毎月変わる期間限定のフレーバーもあります。
その中から好きなものを選び、可愛いどうぶつのりの容器にぐるぐる巻いて入れていきます。
なるべく容器の中におさめるように巻いていくと、最後に容器から飛び出すソフトクリームがちょこんと可愛らしいサイズになります♪
容器も6種類あり、「どうぶつシリーズ」の仲間だった青い象やピンクのうさぎの復刻版も勢ぞろい。食べ終わったあとは、もちろん容器のお持ち帰りOK。カラフルで可愛い容器を集めるのを楽しみにしているコレクターもいるのだとか。
懐かしくてかわいい「フエキくん」の魅力を再発見
フエキくんカラーの黄色で彩られたショップは、そこにいるだけでワクワク、ハッピーで元気になるような空間でした。カラフルで懐かしくてレトロで、なんだか過去と現在が交差しているような気分になります。
2021年には香港にも専門店がオープンし、すでに海外でも大人気なんだそう。
昭和レトロな雰囲気が幅広い世代から支持を集め、世代を超えて愛されるフエキくん。その魅力は、時代とともに歩んできた歴史と、見ているだけでほっこり幸せな気分になる愛らしさにあるのかもしれません。
これから大阪を代表するキャラクターとして、益々成長していくフエキくんに目が離せませんね!
ゆっぴー
ソフトクリームの容器は、月によって本体と蓋の色の組み合わせが変わるんだとか。
何度でも楽しめる「フエキショップ」、ぜひ一度足を運んでみてください!
店名 | フエキショップ-Fueki shop- |
住所 | 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3 心斎橋PARCO 9F ハンズ内 |
電話番号 | 06-6243-3111 |
営業時間 | 10:00〜20:00 |
定休日 | 不定休 |
Web | https://fuekishop.thebase.in/ |
https://www.instagram.com/fuekishop/ |