推シゴトファイル〜推しからみえるお仕事の世界〜
関西電力が担う業務は実にさまざま。電気にかかわるものはもちろん、一見関連性がないように思える意外な分野まで、幅広く手がけています。このシリーズでは、社員が語る、業務やプライベートの“推シゴト“を通じて、多種多様な「お仕事」をご紹介します。
日本有数の観光スポットでもある黒部ダムや関電トンネル電気バスの魅力を伝えることが使命
─まずは、現在携わっている業務について教えてください!
曽我「黒四管理事務所は、扇沢駅(長野県大町市)から黒部ダム駅(富山県立山町)の間を結ぶ、『関電トンネル電気バス』の運輸事業を担う部署です。私は黒四管理事務所の庶務課に所属しており、電気バスの運行を直接司る運輸課の業務をサポートするほか、より多くのお客さまに黒部ダムを訪れていただくための、プロモーションにかかわる業務を担当しています」
─日常業務で、いちばん気を配っていることは何ですか?
曽我「なんといっても、黒部ダムを訪れるお客さまの安全を守ることです。電気バスの前身となるトロリーバスの運行開始から来年で60周年となるのですが、その間無事故でお客さまを運んできました。その記録を更新し続けることが、いちばんの使命と考えています」
─庶務課が担当するプロモーションのお仕事とは、具体的にどのようなものなのでしょう?
曽我「地域と黒部ダムで共同開催するイベントの企画運営のほか、メディアの方々の取材対応、そして各地で開催する出向宣伝キャンペーンなど、業務の内容は多岐にわたっています。イベントの際には、私がガイドを務めることもあるんですよ」
─電力会社で働く人のお仕事としては、とてもユニークですね!
曽我「私も関西電力に入社して、人前で話す仕事をすることになるとは思っていませんでした(笑)。異動した当初は、はじめての経験ばかりで戸惑うことも多かったのですが、最近ようやく慣れてきた感じです」
黒部ダムの歴史を知ることで、より深まる感動
ガイドのモットーは「楽しく、わかりやすく、そして安全に」
─黒部ダムには、年間どれくらいの観光客が訪れるのでしょう?
曽我「コロナ禍以前は、年間100万人が訪れていました。2023年は、70万人以上の来訪が期待されています」
─すごい! かなり人気の観光スポットなんですね。
曽我「立山黒部アルペンルート観光の一環として見学に訪れる方が中心ですが、世代によって黒部ダムに対する印象は異なるようです。例えば黒部ダム建設を描いた、石原裕次郎さんの主演作『黒部の太陽』(1968)を知るシニア世代ですと、映画のロケ地巡りのような感覚でいらっしゃる方も多いですね。また、国内だけでなく海外からの観光客も多くいらっしゃいます」
─ガイドのお仕事をされる際に、心掛けていることはありますか?
曽我「まずは楽しく、そして安全に黒部ダム観光を楽しんでいただくこと。そのうえで、黒部ダムの歴史をわかりやすく伝えることを心掛けています。半世紀以上の昔、この地になぜ水力発電専用のダムを建設しなければならなかったのか。そして巨大なダムを建設するため、どれだけ多くの人が懸命に取り組んだのか。そうした背景を知ることによって、黒部ダムに対する感動がより深まりますから」
─お仕事に対して、やりがいを感じる瞬間は?
曽我「やはり、お客さまの喜びの声を聴くことです。予備知識を持たず訪れた方に、黒部ダムという巨大建造物に触れ、その歴史を知ることで大きな感動を得たとおっしゃっていただけると、とても嬉しくなってしまいますね」
趣味はイギリス発祥のミニチュアゲーム
“センス・オブ・ワンダー”の世界にハマっています
─プライベートの“推シゴト”についても教えてください!
曽我「10年ほど前から『ウォーハンマー:ファンタジーバトル』という、イギリス発祥のミニチュアゲームにハマっておりまして」
─ミニチュアゲームとは、どんなゲームなんですか?
曽我「簡単に説明すると戦略ボードゲームの一種ですね。戦士や魔法使いといったキャラクターのほか、城壁のような建物類(情景)が精巧なミニチュアモデルになっている点が特徴です。キャラクターや情景を自分で組み立て塗装するので、ボードゲームとプラモデルをあわせたような趣味ともいえます。といっても私は、組み立てや塗装があまり得意ではないのですが(照)」
─いやいや! 写真を見る限りでは、かなりレベルが高いです。結構なキャラクターの数がありますが、すべてご自身で揃えられたんですか?
曽我「そうなんですよ(笑)。ゲームの規模にもよりますが、一度に30~40体のキャラクターを使うこともありますからね。『これは本当に必要なのか?』と厳選して買うようにしているのですが……。それでもこれまでに300体くらいは集めたと思います」
─凄いですね(驚)! ズバリ、ミニチュアゲームの魅力とは?
曽我「一言であらわすなら、常にセンス・オブ・ワンダー(不思議な感動)を得られるところでしょうか。同じルールやシナリオで遊んでも、プレイする相手によってゲームの様相がガラリと変わるんです。各国版のルールブックが、とてもよく整備されているので、海外の方とでも、言葉の壁を超えて遊べる点も魅力的ですね」
─黒部ダムを見ながら「ここがゲームの舞台になったら……」なんて想像してしまうこともありそうですね?
曽我「正直……あります(笑)。ダムって、ちょっとした要塞のように見えたりもしますから。壁面の質感や周囲の樹木の色合いなどを見て、情景モデルの塗装の参考にすることもありますね」
常に目指すのは「参加されるみなさん全員が楽しめる場づくり」
60周年イヤーに向け、さらに魅力を伝えていきたい
─趣味のミニチュアゲームで得た知見のなかで、お仕事に役立っていることはありますか?
曽我「ミニチュアゲームを楽しく遊ぶためには、対人コミュニケーションのスキルが必要になるんです。勝ち負けのある遊びですが、それ以上にプレイヤー同士が互いを尊重し、良いゲームを創ることが大切ですから。イベントのアテンドをする際『参加されるみなさん全員が楽しめる場づくり』を心掛け、さまざまな工夫をこらす習慣が身についているのは、ミニチュアゲームの経験が役に立っているからだと思います」
─最後に、今後のお仕事についての意気込みを聞かせください!
曽我「関電トンネル電気バスは来年で運行開始60周年を迎えます。その記念行事はもちろん、黒部ダムでもさまざまなイベントを企画しておりますので、ぜひ現地に来ていただければ幸いです。写真や映像だけではわからない黒部ダムの“生”の魅力に、大きな感動を味わっていただけると思います」
黒部ダムでしか味わえない「感動」を、これからも多くの方々に伝えていきたいという曽我。参加されるみなさん全員が楽しめる場づくりを目指し、これからも業務に励みます。