近年、関心を集めている「再生可能エネルギー」。自然界に存在する資源を利用した二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンなエネルギーです。

しかし、再生可能エネルギーは現状では課題も多くあります。上手に活用し、さらに普及させるためには、メリットと課題の双方を正しく知っておくことが大切。この記事を読めば、注目の再生可能エネルギーについての知識がもっと深まるはずです。

再生可能エネルギーの種類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

再生可能エネルギーの主なメリット

再生可能エネルギーにはいくつかの種類がありますが、その中でも特に普及が進められているものが、「太陽光」「風力」「水力」「バイオマス」「地熱」の5つです。この5つは、日本国内での再生可能エネルギーの普及促進を目的として導入された「固定価格買取制度(FIT制度)」の対象にもなっています。この再生可能エネルギーには、主に、大きく3つのメリットがあると考えられています。

メリット1 発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない

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発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないという点は、メリットのひとつです。

地球温暖化は、世界中にさまざまな影響をもたらしますが、その原因とされているのが温室効果ガス。私たちの暮らしの中で発生するCO2も、この温室効果ガスの一つなのです。地球温暖化を防止するためにも、CO2をなるべく出さないような取り組みを世界各国が行っています。

2021年11月、地球温暖化を食い止めるという大きなテーマに向けて、世界中の国々が目標を共有した「COP26」では、「世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5℃よりも低く保つ」という約束が取り交わされたのです。

この約束を守るために、世界各国はCO2の排出量の削減目標を立て、削減のための取り組みに力を入れているところです。そこで、発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーに大きな関心が集まっているのです。地球温暖化についてはこちらで詳しく解説しています。

メリット2 資源が枯渇する心配がない

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再生可能エネルギーは、自然界に常に存在するエネルギーであるため、枯渇する心配がないのです。

では将来、枯渇する可能性があるエネルギー源とは何なのでしょうか?それは、石炭や石油、液化天然ガス(LNG)といった化石燃料です。
化石燃料で発電する火力発電についてはこちらで詳しく解説しています。

これから先、技術革新によってエネルギーのリサイクルが可能になったり、枯渇の心配が当面なく十分なエネルギー生成技術が見込めるような天然資源が発見されたりすれば、この予測が変わることもありえますが、今の状況では現実的とはいえません。

こうした問題を解決してくれる一つの有力なエネルギーが、再生可能エネルギーです。

参考:BP Statistical Review of World Energy 2021

メリット3 エネルギー自給率の向上につながる

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再生可能エネルギーは、日本国内に存在するエネルギーであるため、普及すれば、日本のエネルギー自給率を向上させることにつながるのです。

エネルギー自給率とは、必要なエネルギーのうち国内でまかなうことのできる割合のこと。実は、日本のエネルギー自給率は、2018年度で11.8%と低い水準にあるのです。日本には資源が少ないので、エネルギー資源の9割近くを海外からの輸入に頼ってしまっているのです。

エネルギー自給率が低いことは、資源を他国に依存しなければならず、国際情勢の影響を受けやすくなります。そのため、安定したエネルギー供給に懸念が生じてしまうかもしれないのです。

再生可能エネルギーの主な課題

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再生可能エネルギーには大きなメリットがある反面、課題も存在します。

課題1 気候条件によっては安定した発電が難しい

自然の力を利用する再生可能エネルギーですが、逆に言うと、発電量が自然環境に左右されてしまうというデメリットがあります。「バイオマス発電」などはこの制限を受けませんが、天候などの条件が大きく影響する「太陽光発電」や「風力発電」は発電ができないこともあります。

例えば、太陽光発電は、夜の間は電気を作ることができません。また風力発電も、無風の状態では電気を作れません。
このように、再生可能エネルギーによる発電は自然環境に左右されるため、貯めることができない電気を私たちが利用するタイミングに合わせて必要な分だけ発電量を確保することが難しいのです。このような需要と供給のバランスを保つ難しさは、再生可能エネルギーの課題となっています。

画像: 課題1 気候条件によっては安定した発電が難しい

課題2 エネルギー密度が低い

太陽光発電や風力発電で多くの電気を作るためには、広い土地が必要となります。
例えば太陽光発電では、郊外などに、太陽光パネルがずらっと並んでいる光景を目にしたことがあるかもしれません。
広さの確保以外にも「日射量」「発電所から距離が離れる大規模消費地へ供給するための送電容量の確保」などさまざまな条件を検討する必要があります。

画像: 課題2 エネルギー密度が低い

関西電力の発電所を例にとって説明しましょう。堺太陽光発電所は、約21万平方メートルの面積で1万kWの電気を発電することができます。一方で、液化天然ガスの火力発電所である堺港発電所は、面積は約10万平方メートルですが、200万kWの電気を作ることができるのです。単純に1平方メートルあたりの面積で比べると、発電出力が約400倍も違うことがわかります。

このように、単位あたりでどれくらい発電できるかを表す「エネルギー密度」を比べると、再生可能エネルギーによる発電はエネルギー密度が低いと言えます。

課題3 発電所を建設する適地が少ない

国土に山地が多く十分な広さの土地を確保しにくい日本では、発電設備を設置できる適地が少ないことも普及の難点になっています。

例えば、風力発電に適した条件は、強い風が絶えず吹き続けることです。しかし、日本ではそのような適地は山間部に集中しており、開発しづらいのが現状です。また、地熱発電では、適した場所が温泉などの施設がある地域と重なることもあります。

全国どこでも再生可能エネルギーによる発電が行えるかというと、そうではないのです。

再生可能エネルギーの課題への対策

画像: 再生可能エネルギーの課題への対策

さまざまなメリットがある一方で、課題も抱えている再生可能エネルギー。こうした課題を解決するために、どのような対策が取られているのか解説します。

蓄電システムの開発

需要に合わせた発電が難しいという課題に対しては、蓄電システムを一緒に使うことで解決できる可能性があります。

こうした蓄電池を利用して、発電量が足りないときには蓄電池から放電し発電量が余るときには蓄電池に充電するといったコントロールができるようになってきました。

ほかにも大容量化できたり長寿命であったりと、それぞれ長所が異なる蓄電池が開発されています。用途に適した蓄電池を使用することで、再生可能エネルギーのデメリットをカバーすることができると考えられているのです。

このように、再生可能エネルギーと蓄電システムを組み合わせて上手に活用すれば、電気の需要と供給のバランスの改善につながるとされています。

発電技術の進化

適地が少ないという課題に対しても、様々な取組みが行われています。

例えば風力発電では、陸上の適地が少ないという課題に対し、海の上に風車を浮かべる「浮体式洋上風力発電」の導入が進められています。

また、より効率的に発電設備を設置する技術や、発電効率を高める技術が進化することで、適地の課題も解消されていくことが期待されています。

技術や制度で課題を乗り越え、拡大を目指す再生可能エネルギー

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このように、再生可能エネルギーには、CO2を排出しないというメリットや、エネルギー自給率の向上に役立つといった長所があります。しかし、その一方で、発電量が自然環境に左右される変動性という乗り越えるべき課題があるのも事実です。

こうした課題を解決するために、蓄電システムなどさまざまな対策が取られています。再生可能エネルギーのメリットと課題の両方を正しく理解し、課題をカバーするような対策とともに導入を進めることが求められているのです。

画像: 再生可能エネルギーのメリットは?課題は?普及に向けたポイントも解説

みなぱん

再生可能エネルギーの課題を乗り越えるために、最新の技術や制度など、様々な取組みが行われています!

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