万葉の時代から歌人たちを魅了し、地元の人々に愛され続けてきたこの地には、実はパワースポットがたくさん! 地元をよく知る関西電力和歌山支社のあいさんと共に、和歌の浦の魅力に迫ります。
<今回のナビゲーターはこちら>
あいさん 関西電力株式会社 和歌山支社員
和歌山生まれ和歌山育ち、和歌山支社では地域の広報担当を担っています。
「和歌山のことならお任せください。定番から穴場まで和歌の浦のパワースポットをご紹介します!」
さやぱん 「かんでん WITH YOU」編集部員
最近の楽しみは、推し活。「読者の皆さんの開運と、推しのさらなる成功も祈らせていただこうとはりきってきました!」
和歌の浦って、どんなところ?
和歌の浦は、和歌山市南部と海南市北部にまたがる和歌浦湾沿いに広がるエリア。和歌川の河口に広がる干潟を中心に、南は熊野詣の道・藤白坂から西は紀伊水道に面した雑賀崎まで、緑豊かな山々と大海原に抱かれた絶景の宝庫です。
実は、この景観があまりにも美しかったために「和歌山」という地名が生まれたと知っていましたか? 約1300年前、「若の浦(わかのうら)」と呼ばれていたこの地を訪れた聖武天皇が、玉のように美しく島々が連なる眺めに感動し、景観を末永く守るようにと命じました。そして、同行していた万葉歌人・山部赤人が情景を讃えて詠んだ歌が、その後「古今和歌集」にとりあげられたことをきっかけに、和歌の聖地として崇められ、「和歌の浦」と呼ばれるように。それが、今の和歌山県の由来となっています。
古くから訪れる人々の心を癒し、力を与えてきた和歌の浦。どんなパワースポットと出会えるのでしょうか?
開運旅のスタートは、和歌の浦の周遊の拠点「あしべ庵」から
2024年9月にオープンした「あしべ庵」は、和歌の浦の周遊拠点。和歌の浦の情報発信、観光案内、体験交流、滞在休憩などを担う施設は、旅のはじまりにぴったりです。
名称 | 和歌の浦あしべ庵 |
住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦中3-4-26 |
拝観時間 | 10:00~16:00 |
休場日 | 月曜日、12月29日〜31日(1月1日〜3日は開場) ※休場日が祝日または1月2日、2日の場合は翌平日休場 |
WEB | http://tamatsushimajinja.jp/ |
和歌の浦のおすすめパワースポット9選
和歌の浦には、古くから伝わる強力なパワースポットがいくつも点在しています。玉津島神社の芸事・芸能、鹽竈神社の安産・子授け、東照宮の出世・仕事の開運など、ご利益もさまざま。和歌の浦のパワースポットを巡る旅へ出かけましょう!
【芸事・芸能】うさぎがいっぱいの神社!?「玉津島神社」
はじめに訪れたのは「玉津島神社」。こちらでは「和歌三神」に称された衣通姫尊(そとおりひめのみこと)が祀られ、和歌の神様として多くの万葉人の信仰を集めてきました。その麗しさは名のとおり「衣を通して光り輝いた」と伝えられ、ひときわ和歌の道に秀でたことはよく知られています。聖武天皇、山部赤人、小野小町など、数々の天皇や貴族、歌人がこの地を訪れました。
「玉津島神社は、和歌の神様のイメージが強いのですが、実は別の顔もあるんですよ」とあいさん。
うさぎ神社と呼ばれるほど、うさぎと深い縁で結ばれているんです!古くからうさぎは子孫繁栄や豊穣、幸福をもたらす神の使いとされていました。今でも境内のあちこちに、かわいらしいうさぎの姿を見つけることができますよ。
確かに境内を見渡すと、「幸福のうさぎ守」に「うさぎおみくじ」、至る所でうさぎの姿が!
私、卯年生まれなので、「うさぎ神社」という言葉にときめきます。今年の運勢も、うさぎおみくじで占ってみたいと思います!
神社で授与される「幸福のうさぎ守」には子孫繁栄の願いが、うさぎの形をした絵馬には良縁成就の祈りが込められているそう。
また、ここには芸事の神様も祀られているため、芸能活動の成功を願う方も多く訪れます。「私も推しの活躍を願って、しっかりお参りしてきました!」とさやぱん。和歌の聖地としてだけでなく、縁結び・開運のパワースポットとしても親しまれているんです。
境内のあちこちに隠れたうさぎを探しながら、あなたも参拝してみませんか?
名称 | 玉津島神社 |
住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦中3-4-26 |
拝観時間 | 9:00~16:00 |
定休日 | なし(神社のため年中無休) |
WEB | http://tamatsushimajinja.jp/ |
【安産・子授け】生命のはじまりの地「鹽竈(しおがま)神社」を参拝
続いては、玉津島神社のすぐお隣にある「鹽竈神社」に向かいます。
鹽竈神社が祀る御祭神・鹽槌翁尊(しおづちのおじのみこと)は、兄海幸彦から借りた釣り針を失くし、兄の怒りにふれて困っている弟山幸彦を、海神の所へ送り出しました。のちに山幸彦は龍宮の豊玉姫と結婚し、姫は安産によって御子を授けられました。この神話から尊は、安産・子授けの神様として古くから厚い信仰を受けています。
こちらの神社、実は巨石の中の岩穴に鎮座しているんです。岩穴の中は、静けさに包み込まれて落ち着いた雰囲気です。
地元では「しおがまさん」の愛称で親しまれる鹽竈神社。実は「塩」との縁も深く、潮の満ち引きが出産に関係しているとされた法則を人々に唱え、生命を守護した神様だとも伝えられています。子どもを授かりたい、母子の健康と無事の出産を祈願したいという方は、ぜひ足を運んで、神秘的な岩穴の中で、祈りを捧げてみてください。
名称 | 鹽竈神社 |
住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦中3-4-26 |
拝観時間 | 9:00~16:00 |
定休日 | なし(神社のため年中無休) |
WEB | http://tamatsushimajinja.jp/ |
【自然・癒し】旅の疲れを忘れる絶景!「奠供(てんぐ)山」
鹽竈神社からあしべ庵へ戻って、案内看板に沿って階段を上り、玉津島神社の裏にある奠供山へと向かいます。標高は34m、階段を登ること10分弱。無事山頂に到着しました!
山頂からは和歌浦湾を中心とした美しい眺望が辺り一面に広がります。山頂に設置されたベンチに座り、景色を眺めながらほっと一息。日常から少し離れ、ストレスもどこかへ消えてしまいそう。最高の癒しタイムになりました。
聖武天皇がここからの眺めに深く感動し、この地からの景観を後世に残すよう命じたとか。朝日・夕日と水平線のコントラストはまさに絶景です!
神社でパワーをいただいた後に、こんなに素晴らしい景色を見られるなんて! 和歌浦の魅力を、身体全体で感じられる場所ですね。
玉津島神社、鹽竈神社と参拝した後は、ぜひこの奠供山に登ってみてください。和歌浦の歴史と共に受け継がれてきた絶景が、あなたを待っています。
名称 | 奠供山 |
所在地 | 和歌山県和歌山市和歌浦中3-4 |
開放時間 | 特に規定なし(ハイキングや散策は日中推奨) |
定休日 | なし(自然地のため) |
WEB | http://tamatsushimajinja.jp/ |
【不老長寿】永遠の願いを込めた「不老橋」
石造りの橋、情緒があって素敵ですね。水面に映るアーチも綺麗! でもなんで「不老」なんだろう?
橋造りに携わった伊達千広が「老(ろう)せぬ橋をつくるなり」と詠んだことが残されています。江戸時代にアーチ型石橋は珍しいものだったようですが、何度か修復されながらも、当時の形のまま今に残っている、まさに「不老」の橋なんです。
玉津島神社で安産祈願をしたあとに、不老の橋を渡ると、人の一生をここで感じているような気がします。丈夫な橋にあやかって健やかな体を手に入れるために、踏みしめて渡りたいと思います!
時を超えて現代に残る不老橋。その名の通り、永遠の願いを込めて渡ってみませんか?
名称 | 不老橋 |
所在地 | 和歌山県和歌山市和歌浦南3丁目 |
見学時間 | 特になし(橋のため終日通行可) |
定休日 | なし |
WEB | https://www.wakayamakanko.com/sightseeing/history7.html |
【出世・仕事】108段の石段の先に!関西の日光「紀州東照宮」で出世祈願
参道の木々の間を進んでいくと、鳥のさえずりが私たちを出迎えてくれました。そして目の前に現れたのは、「侍坂」と呼ばれる石段。108段もの階段が、まるで天へと続くように伸びています。
「この石段、真ん中が少し凹んでいるの、わかりますか?」とあいさんが指さす方向を見ると、確かに長年の参拝客の足跡が刻まれているように見えます。「江戸時代から、多くの人がお参りに来た、その歴史が石段に残されているんですね」。
徳川家康公と頼宣公を祀る紀州東照宮は、「関西の日光」の名で親しまれています。階段を登り切ると、極彩色に輝く社殿が私たちを迎えてくれました。金箔や朱色が眩しいほどの存在感を放っています。
社殿の見どころは彫刻の数々。特に西側にある鶴と亀の彫刻には面白い言い伝えがあるんですよ。「鶴は千年、亀は万年生きる」ということから、この彫刻を見ると長生きできるんだとか。左甚五郎の彫刻や狩野探幽の壁画も見応え抜群です!
古くから、仕事運のパワースポットとしても知られる紀州東照宮。
さっきの108段、実は出世の階段と考えることもできるそうです!確かに、一段一段登るごとに心が引き締まる気がして、登り切った今は達成感でいっぱいです。
あ、お守り売り場で推しカラーのだるまも見つけちゃいました(笑)
次は紀州東照宮の隣に位置する「和歌浦天満宮」へ。学業成就の神様を参拝しに行きましょう!
名称 | 紀州東照宮 |
住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦西2-1-20 |
拝観時間 | 9:00~16:30 |
定休日 | なし(年中無休) |
WEB | https://www.kishutoshogu.org/ |
【学問】合格祈願は迷わず「和歌浦天満宮」へ!
天神山の中腹にある和歌浦天満宮。学問の神様として知られる菅原道真公を祀るこの神社は、太宰府天満宮、北野天満宮とともに「日本三菅廟(かんびょう)」の一つとされています。
階段を上り、楼門をくぐったところで「振り返ってみてください!」とあいさん。眼下に和歌浦湾とそれを取り囲む山々の景色が広がり、さやぱんが思わず歓声をあげます。
地元で学問の神様といえば、和歌浦天満宮。私も学生時代に何度もお参りに来ました。「試験に滑りませんように」という思いも込めて、一段一段慎重に階段を上り下りしたのを覚えています。
「ところで、和歌浦天満宮にはちょっと面白いものがあるんですよ」とあいさん。案内されて手水(ちょうず)舎に向かうと、かわいらしい鳥の置き物が所狭しと並んでいます。なんとその数、119羽!
キョトンとした表情がかわいいですね! 試験前にこの鳥たちを見たら、緊張が和らぎそう!
宮司さんによれば、この鳥は「鷽鳥(うそどり)」。コロナ禍で手水舎が使えなくなった時に、お参りする人の心が少しでも明るくなればと願いを込めて飾られたのだそう。「鷽(うそ)」という名前から「災いを『うそ』に鳥(とり)変える」という願いも込められているのだとか。鷽御守も人気です。
国の重要文化財に指定されている本殿の前には、受験生たちの願いを込めた絵馬がずらりと並んでいます。学業成就はもちろん、さまざまな試験の合格を祈願する参拝客で、特に受験シーズンは賑わうそう。あなたも、和歌浦の海を見下ろす天神様に、夢への一歩を後押ししてもらってみませんか?
名称 | 和歌浦天満宮 |
住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦西2-1-24 |
拝観時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | なし(年中無休) |
WEB | https://wakauratenmangu.jp/ |
【ひとやすみ】天神様と権現様のお膝元で、勝負の味を!「御手洗池公園」と「春栄堂」
天満宮での参拝を済ませたら、お待ちかねのおやつタイム!東照宮と天満宮のふもとに広がる「御手洗池(みたらいいけ)公園」へ向かいます。かつてはこの池で手を清め、紀州東照宮に参拝したのだそう。干潟の最深部に位置するこの池には、赤い橋がかけられ、周囲には美しい遊歩道が整備されています。
池の周りを歩くと、四季折々の風景が楽しめるんですよ。春は桜、夏は緑の木々、秋は紅葉……。地元の人たちの憩いの場所になっています。
池のほとりで休憩するなら、2024年に和歌山で開催された第37期「竜王戦」で藤井聡太竜王が「勝負おやつ」に選んだという「春栄堂」のシューパリはいかがでしょう?和歌浦地区の中央、海岸通りの東側を南北に貫く「明光商店街」の入り口すぐ、赤いテントが目印のお店です。
「シューパリ」は、カリッと焼き上げた生地にアーモンドをまぶし、中にたっぷりと生クリームとカスタードクリームをブレンドしたクリームを詰めた看板商品。1日に何度も生地を焼き上げるので、いつでも焼きたての美味しさを楽しめます。
香ばしいアーモンドの風味とサクッとした生地、濃厚なのに後味すっきりの上品なクリームがたっぷり……、絶妙な組み合わせですね!お土産にたくさん買って帰ろうと思います。
シューパリを頬張りながら、池の周りのベンチで休憩。参拝で清められた心に甘いおやつは、最高のひとときです。
名称 | 御手洗池公園 |
住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦西2丁目 |
開園時間 | 特になし(公園のため自由に散策可能) |
定休日 | なし |
店名 | 春栄堂 |
住所 | 和歌山県和歌山市和歌浦中1-5-13 |
営業時間 | 8:00~17:30 |
定休日 | 日曜日、水曜日 |
WEB | https://wakayama.mypl.net/shop/00000333090/ |
【自然・癒し】穴の開いた奇岩に願いを!「蓬莱岩」
さわやかな潮風に吹かれながら、和歌浦漁港から海岸沿いを歩いていきます。2023年5月にリニューアルされた和歌浦観光遊歩道は、和歌浦漁港から田ノ浦漁港までの約900mを結ぶ海沿いの小道。ゆるやかなカーブを描きながら、波音を聞きつつ10分ほど歩くと……。
「あ、見えてきました!」とさやぱん。浜辺から海へと突き出した岩場に、真ん中にぽっかりと穴の開いた不思議な岩が現れました。これが「蓬莱岩」です。
蓬莱岩という名前は、古代中国の伝説にある仙人の住む霊山「蓬莱山」から取られているんです。この岩の真ん中の穴は、長い年月をかけて波に削られてできたものなんですよ。
遊歩道から岩のすぐそばまで近づくことができ、穴の向こうに和歌山マリーナシティを望むことができます。まるで額縁のように景色を切り取る蓬莱岩の穴は、写真スポットとしても人気です。
穴から覗く景色がまるで絵画みたい!波に削られてできた自然の芸術作品ですね。この不思議な形のおかげで、見る人の心も癒される気がします。
穴から覗く景色は、時間帯や天候によってさまざまな表情を見せてくれます。
名称 | 蓬莱岩 |
所在地 | 和歌山県和歌山市新和歌浦2丁目 |
見学時間 | なし(海上にある岩のため、浜辺・展望台などから眺望) |
定休日 | なし |
【自然・癒し・恋愛成就】海へと突き出た岬で絶景を!「番所庭園」
最後に訪れたのは、景勝地「番所(ばんどこ)庭園」です。
平坦で海に長く突き出た不思議な地形「番所ノ鼻」に位置するこの庭園は、珍しい紀州青石で形成された美しい海岸を有し、その景観の素晴らしさから瀬戸内海国立公園特別地区にも指定されています。
実はここ、紀州藩の海の見張り番所があった場所なんです。今では地元の人たちにバーベキューや海釣りスポットとしても親しまれています。雄大な景色を眺めながらのレジャーは最高ですよ!
きれいに整備された芝生の先には「恋人岬」の石碑が。空と海の青に、芝生と木々の緑が溶け込んでいきます。
今日巡ってきた神社やパワースポットが、ここからの景色で全部つながっているみたい。パワーチャージできた気がします!
園内には日本庭園と広々とした芝生広場が広がり、休憩所やベンチも完備。お弁当を持参して、潮風に吹かれながらゆっくりとくつろぐのもおすすめです。バーベキューサイトもあり、グループでの観光にも最適。
万葉の時代から歌人たちを魅了してきた和歌浦の景色を、全身で体感できる番所庭園。瀬戸内海国立公園内の景勝地五十ヶ所にも選ばれた絶景とともに、和歌の浦旅を締めくくります。
名称 | 番所庭園 |
住所 | 和歌山県和歌山市雑賀崎 番所ノ鼻 |
営業時間 | 4月~8月 8:30~17:30、9月~3月 8:00~17:00 (最終入園は終業30分前) |
定休日 | なし(荒天時臨時休園有り) |
WEB | http://www.banndoko.com/ |
パワーチャージした旅を終えて
和歌の聖地として知られる和歌の浦には、数々の開運パワースポットが点在していました。万葉の時代から人々を魅了してきた景勝地は、今も変わらぬ美しさで私たちを迎えてくれます。
「今回の和歌の浦巡りで、本当にパワーをいただいた気がします」とすっかり満ち足りた様子のさやぱん。心も体もリフレッシュできる、素晴らしい1日となりました。
気軽に訪れられる和歌の浦にはたくさんのパワースポットがあります。街歩きを楽しみながら、お気に入りの場所を見つけてもらえたら嬉しいです。四季折々の表情を楽しみに、また和歌の浦に来てくださいね!
歴史と文化が息づく和歌の浦で、あなたも心温まる開運の旅、楽しんでみませんか?