SNSで話題のギャラリーカフェ「unimocc(ユニモック)」とは
大阪・谷町六丁目の駅から徒歩1分、2023年3月にオープンして以来、またたく間に人気店となった「ユニモック」。SNSでも「行ってきた!」「アートな時間を過ごせた」と多くの投稿があり、メディアでも話題に。
ユニモックとは、“アートをテーマにしたドリンクやスイーツが楽しめる、ギャラリー併設のスタンディングカフェ”です。「日常にアートの溢れる世界を。」をビジョンに、あらゆる場面でアートを提供しています。
名画がスイーツに!? 芸術的なメニューの数々
ギャラリーを併設したスタイリッシュな空間では、名作絵画をモチーフにした「アートモック・ドリンク」がいただけます。ドリンクの種類は6つあり、クリムト、ミュシャ、シャガール、モネ、クレー、ミレーとどれも日本人になじみ深い画家の作品。
「絵画をモチーフ」と言っていますが、ドリンクで絵画を表現するのは、かなりのセンスとテクニックが必要です。実はユニモックのスタッフは、店長の生田心さんをはじめ、全員が何かしら絵心のあるアート好き。これらのドリンクも「この作品の見どころは何か」を徹底的に考え抜き、色・形・味まで細部にこだわって完成させたそう。
例えば、カラフルなモザイクが可愛い『サザンガーデン』は、画家のパウル・クレーが音楽からインスピレーションを受けて描いた作品であることに注目し、「音を楽しめる」仕立てにしています。
一つ一つ味の違うフローズンゼリーをパズルのように敷き詰め、紅茶シロップとアルコールを飛ばした甘い白ワインシロップを炭酸で割って、サングリア風モクテル(ノンアルコールカクテル)に。凍ったゼリーがシャリシャリと崩れ、ソーダがシュワシュワ弾ける音でクレーの作品を表現しています。
シロップもゼリーもとても甘くて、甘党にはたまらなかったです!ストローでかき混ぜるとシャリシャリと音がしてテンションが上がりました!
金色にキラキラ輝くジンジャーエールは、クリムトの代表作『接吻』がモチーフ。金箔を多用した画家であったことから、ジンジャーエールにゴールドで着色しています。一番下の層の赤と緑のゼリーは画中の花畑をイメージ。また、氷にレッドカラント(赤スグリの実)を閉じこめることで、女性の服の赤色まで表現するこだわりようです。
辛口のジンジャーエールがすっきりしていて、とても美味しかったです!
ドリンクにはそれぞれ、作品の制作背景や画家の生い立ちなどを記したカードが添えられています。使っている色の意味や絵に秘められたストーリなども解説してくれるので、ちょっとした豆知識が増えるのも嬉しいですね。
スタッフが一つ一つのパーツに手間暇かけて色付けしたり、型取りしたり、さらに味のバランスや食感も考えて仕上げた、まさに“飲むアート”。1杯1,200円~1,800円ですが、決して高くはない!と感じました。
ちなみに、お土産やギフトに人気な「名画のアイシングクッキー」は、名作をイメージして一つ一つ手描きされているアートスイーツ。現在は制作を中止されていますが、再開されるのが楽しみです!
「かんでんWITH YOU」編集部がキャンバス・ケーキ作りに挑戦!
さて、このお店の看板メニューと言えるのが「キャンバス・ケーキ」。キャンバスに見立てたキューブ状の白いケーキに、カラフルなクリームや琥珀糖などのパーツを自由に盛り付けてオリジナルケーキを作る体験メニューです。今回は、実際に「かんでんWITH YOU」編集部が挑戦しました!
トレイには、白いバタークリームケーキ、5色のクリームをのせたパレット、6種のパーツを入れた標本箱、パレットナイフがセットされています。クリームとパーツも「アートモック・ドリンク」と同じ6絵画のテーマの配色や素材になっており、1週間ごとに変わるそう。この時はジョン・エヴァレット・ミレーの名作『オフィーリア』をイメージした、緑、茶、紫などでした。
本当に油絵を描くような道具なのでちょっと緊張しますが、スタッフが丁寧にナイフの使い方などを説明してくれるので安心です。
驚くのは、ケーキに使われている材料が、時間が経っても溶けにくいように作られていること。長い人だと完成までに1時間ほどかかる場合もあるからだとか。土台のバタークリームは何度も上に塗り直しできるよう固めに、絵の具となるクリームも温度で質感が変わりにくいものを使っています。
いざ描こう!となっても、何をどうすれば良いか悩みます。「来る前にイメージを作っておけばよかった…」と後悔。生田さんに作品例の写真を見せてもらうと、側面を塗りつぶしたり、パーツ全乗せしたりと、人によって千差万別!「海外のお客様は斬新で、最初にケーキを真っ二つに切る人もいました」というから驚きです。
他の人の作品を見てしまうと、そのイメージに引っ張られてしまうので、どこまで参考にするかが難しいところですね!
黙々と制作に集中していると、生田さんが様子を見に来てくれました。空間ができてしまった部分に何を埋めるかを相談したら、「この白い余白があるからこそ、こちらの花の模様が生きてくると思うので、そのままでも良いかも」とのこと。プロのアドバイスが頼もしいです!
クリームで蔦のように側面を飾ったり、お皿にも花を盛りつけたりと、新たな技法に挑戦しながら作業を進めること約30分。こだわるとどこまでも終わりがないので、「これで完成!」としました。
欲張らないことがポイントかもしれません(笑)
作品には本物の絵画のように「キャプションカード」を付けて写真を撮ることができます。タイトルを考えるのもなかなかの苦行(笑)。やはり、来る前に構想を練っておくことが大事だと痛感しました。
頑張って完成させたマイケーキをいただいてみます。シャリッとした琥珀糖やサクッとしたメレンゲ、色によってフレーバーが違うクリームなど、どこを食べても味わいが異なるので楽しい!
スポンジにはフランボワーズのクリームがサンドされ、ピンク色の見た目と甘酸っぱさがアクセントになっています。バタークリームもどこかなつかしい味わい。まさに作って楽しい、見て可愛い、食べて美味しいアートケーキです。
一つ一つの材料にこだわられているので、全てが本当に美味しかったです!!口の中が甘くて幸せでした!!
アート×スイーツでコミュニケーションのきっかけにも
「アートに『スイーツ』を絡めることで、敷居が高く感じていた方もハードルが下がると考え、みんなでこのお店を作りました。アートを通じてコミュニケーションができる場になればいいなと思います」と生田さん。スタンディングでケーキ制作をするのも「自由に動き回って、他のお客さん同士でお喋りしたり作品を見せ合ったりできるように」とのはからいから。旅行者同士ここで意気投合して、そのままたこ焼きを食べに行った……なんて出会いもあったとか。
これまで「キャンバス・ケーキ」は予約のみで1日8~14セット限定でしたが、2月7日から大幅に数を増やし、予約は20セット、当日も10セット用意しているそう。パーツやクリームなども週によって変わり、期間限定バージョンも登場するということで、何度も挑戦して腕を上げよう……と闘争心が沸いてしまいますね!
unimocc(ユニモック)
住所 | 大阪府大阪市中央区谷町6-3-25 |
電話番号 | 080-4914-6545 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
定休日 | 毎週火曜 |
WEB | https://unimocc.com/ |
https://www.instagram.com/unimocc/ |
アートを楽しめるだけでなく、ケーキもドリンクも全て美味しいので、ぜひお勧めしたいカフェです!ここからアートに興味をもっていただけるともっと嬉しいですね!