入り口がわからない? 最近増えている「スピークイージー」なお店って?
そもそも、お客さんにたくさん来て欲しいはずのお店が、なぜ入り口がわからないようにしているのでしょうか?その理由は、禁酒法が成立された1920年代のアメリカで、お酒を密造し、提供していたバーを「スピークイージー」と呼んでいた歴史があります。当時は、警察の目を逃れるために「こんなところから!?」と驚くような入り口が各所に設置されていたそう。現代では、隠れ家バーの総称として使われ、遊び心溢れるお店がスピークイージーを取り入れることも増えています。
街を歩いていても、バーの入り口とは気付かずに通り過ぎてしまうような外観。隠れ家に入っていくドキドキ感も、話題になる理由の一つかもしれません。
秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入
大阪・天王寺駅から徒歩約10分、居酒屋などのお店が並ぶなか、突如現れる赤い電話ボックス。薄暗い灯りに照らされながら、ロンドンに来たかのような異国感を放っています。少し見上げると、「Bar Call me Tell me」の表記。こちらが、隠れ家バーへの入り口です。
![画像1: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/566c6941e95cfd52d165767d4274fccee3e9534d_xlarge.jpg)
赤い扉を押して入店! 電話ボックスとバーがつながっているという、まるで映画のような体験…。この先にはどんな景色が広がっているのか、好奇心に掻き立てられながら足を踏み入れます。
![画像2: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/ce08b6a151005384aa797f4679af83c4e43cd3db.jpg)
入ってみると、店内は落ち着いたカウンターバー。バーテンダーとの会話を楽しみに、一人でもふらっと立ち寄れるような和やかさがあります。
![画像3: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/8d7eb46388c4a9be64671bd9235166a6c263af4e_xlarge.jpg)
バーの入り口は赤い電話ボックスに、と立案したマスターバーテンダーの三谷悠一郎さん。スピークイージーなお店にしたのは、アメリカに実際にあるホットドッグ店に影響を受けたのだそう。ごく普通のホットドッグ店の奥に電話ボックスがあり、電話をかけるとバーへの道が開かれるのだとか。「そこに面白さを感じ、お店を作る際に入り口を赤い電話ボックスにしました」と三谷さんは話します。
![画像: (左)バーテンダーの竹田晴暢さん、(右)マスターバーテンダーの三谷悠一郎さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/9de560b07b280235958ac867a709986f58a26dec_xlarge.jpg)
(左)バーテンダーの竹田晴暢さん、(右)マスターバーテンダーの三谷悠一郎さん
幅広い客層が訪れるという「Bar Call me Tell me」。なかには、20歳になった記念に、とバーへのドアを開けるお客さんもいるのだそう。
新しいお酒に挑戦していただくため、あえてメニューを置かないのもこだわり。その場でお客さんの希望を聞き、一人ひとりに合ったカクテルを作ってくれます。
![画像4: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/76f39e78a0ffb0290bea1fbf82a33350dc13dfe1_xlarge.jpg)
今回オーダーしたのは、「さっぱりとしたフルーツ系のカクテル」。スポットライトの下で丁寧に作り始めたのは、18歳からバーテンダーを始めたという竹田晴暢さんです。当時働いていたホテルのバーテンダーに憧れ、勉強していくうちに、お酒の深さや楽しさに没頭していくようになったそう。
![画像5: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/4020fedb877824d2737579a57158221cd65aa89a.jpg)
楽しく話している間に、ベージュに鮮やかな水色が映える爽やかなカクテルが完成。白ワインベースのジンとマスカットリキュールを使用し、フルーツの香りもフワッと感じられます。
味の希望を伝える人が多いそうですが、「あの日の夏の思い出のような味」や「私に合うようなもの」と注文する人も。お客さんと話しながら頭の中でイメージし、味を理想に近づけていくのだそうです。
どんなお酒にするか迷っている人には、優しく提案もしてくれるので安心を。目の前で作っている様子を見ながら、出来上がりを待ちます。
![画像1: 電話ボックスが入り口!?大人の隠れ家バー「Bar Call me Tell me」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/9098e45f8f18343c5d9daa69591166f9d189125a.jpg)
ひとりでも、バー初心者でも安心ですね!
![画像6: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/3d1b66fa346271b29b06a8eb7433288dc30c2a43.jpg)
サービス料にはチャーム代も込み。今回はどんなお酒にも合うようにと、クラッカーに生ハムとガーリック・ハーブのチーズ盛り、ドライイチジクを用意してくれました。三谷さん、竹田さんの気分によって変化するのも、楽しみの一つですね。
![画像2: 電話ボックスが入り口!?大人の隠れ家バー「Bar Call me Tell me」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/9098e45f8f18343c5d9daa69591166f9d189125a.jpg)
チャームとは、バーで最初に飲み物を頼んだ際に出てくる、スナックやナッツなどのちょっとした小鉢のことを指します!
![画像7: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/a79fb71a419749aa2d86774eb2bab85e5b0f2268_xlarge.jpg)
次は「甘くてさっぱりした、ここでしか飲めないような一杯」とのオーダーに、三谷さんが応えてくれました。竹田さんと同じく、18歳の頃からバーテンダーをしている三谷さん。「いろいろな世界で活躍している人の話を聞く面白さや、作ったものを美味しいと言ってもらえることの嬉しさ。そんな経験をしていきたいと、バーテンダーとして働くことを決意しました」
お二人とも「バーテンダーやバーが好き」と話す姿が印象的で、仕事を楽しむ気持ちが伝わってきました。
![画像8: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/da495c35faa2ffb72ca676216b0803eeae4db276.jpg)
完成したのは、卵白を使ったカクテル。カプチーノのような見た目ですが、お酒の上に泡立てた卵白をこし、ビターズという苦みの強いリキュールを垂らしてラテアートのように描いています。すだちの皮や、カルダモンのスパイスが香り、まろやかな酸味が心地良い一杯です。
時季によって、フルーツの種類が変わるのも楽しいポイント。クリスマスが近づくとイチゴが登場するそう。
![画像3: 電話ボックスが入り口!?大人の隠れ家バー「Bar Call me Tell me」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/9098e45f8f18343c5d9daa69591166f9d189125a.jpg)
カクテルからも季節を感じ取ることができていいですね!!
そしてお酒と一緒にぜひ食べたいのが、ブランデー入りの生チョコです。バーテンダーになる前に、調理師の学校にも通っていたという三谷さんの手作りで、その都度入れるブランデーを変えているのだとか。口に入れると柔らかいチョコレートがとろけていき、ふんわりとブランデーの香りが広がります。
![画像9: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/7c0e879c06c2f6f86ff5d88b9eca1a772c125bd5.jpg)
「Bar Call me Tell me」には2階もあります。
1階店内には階段のようなものが見当たりませんが、なんと奥にある本棚が2階への入り口! スライドさせて開けると、2階への螺旋階段が奥に。また、トイレの扉も壁と同化して見えにくいよう、仕掛けが隠されています。
![画像: 2階につながる本棚の扉](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/30/88089cbf1f0ba6835d0566bed9ac1f807f1c47d3_xlarge.jpg)
2階につながる本棚の扉
![画像: 壁と同化されているトイレの扉](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/287649941b858ff35be0a03f66e93de32926fe12_xlarge.jpg)
壁と同化されているトイレの扉
2階は、ちょっとさびれた雰囲気が隠れ家らしさを強調しています。赤い消火栓のデザインが気に入って購入したという椅子や机は、電話ボックスの赤色とリンクさせているそう。
![画像4: 電話ボックスが入り口!?大人の隠れ家バー「Bar Call me Tell me」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/11ec93999eadb50cc60e1f467d347517cbc8192c.jpg)
![画像5: 電話ボックスが入り口!?大人の隠れ家バー「Bar Call me Tell me」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/bd2b1765d5951b1375a365e65e0ea62fe56d5b45.jpg)
「お酒の力を借りて、友達や家族、同僚には言えない悩みごとをバーテンダーに話しにくる人もいます。疲れた日、ここに来て息抜きをして、次の日もがんばろうと思ってくれたら嬉しいですね」と三谷さん。
また、お二人とも「いろいろな人と関わりをもてるのが楽しい」とのこと。店内に飾られている小物や備品のほとんどは、お客さんからのいただきものなのだとか。笑顔が素敵なお二人と話していると、また来たいという気持ちになりました。
![画像10: 秘密の入り口は電話ボックス! 「Bar Call me Tell me」に潜入](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/4d8c82c4b7d869f5cb58590fe1dbf45cf4ff9975_xlarge.jpg)
居心地の良いバー「Bar Call me Tell me」への隠し扉を、ぜひ開けてみてください。
隠れ家バーでゆったりお酒を楽しもう
日本のみならず、海外にも点在しているというスピークイージーなお店。普段何気なく通り過ぎている、あの自動販売機や電話ボックスも、誰かの隠れ家だったりして…? そんな妄想を膨らませながら街を歩いてみるのも、楽しみ方の一つかもしれません。
店名 | Bar Call me Tell me |
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住所 | 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋3-8-21 |
営業時間 | 19:00~翌5:00 |
定休日 | 不定休 |
https://www.instagram.com/barcallmetell |
![画像6: 電話ボックスが入り口!?大人の隠れ家バー「Bar Call me Tell me」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783624/rc/2023/11/29/7d127b6a1ad547d9de0c1e79df1a1e278f973b1a.jpg)
ゆっぴー
入口から遊び心満載のお店には、思わず入りたくなってしまいますね!!入口がわからない店を巡ってみたいと思いました!!