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「エシカル」という言葉をご存じですか? ニュースなどで聞いたことがある人もいるかもしれませんが、初めて聞いた人も多いのではないでしょうか。また、「聞いたことはあるけど詳しくはわからない」という人もいることでしょう。そこで今回は、エシカルとは何か、わかりやすく解説します。SDGsとの違いや、エシカル消費が話題になっている理由についても説明しているので、読めばきっと、エシカルについて理解を深めることができるでしょう。

※この記事は2023年8月10日に公開した内容をアップデートしています。

エシカルとは「倫理的」を意味する言葉

画像: iStock.com/Sakorn Sukkasemsakorn

iStock.com/Sakorn Sukkasemsakorn

エシカル(ethical)とは、もともと「倫理的な」という意味の英語の形容詞です。倫理とは簡単にいうと、人として守るべき道のことを指します。最近では、もともとの意味から派生して、人や地球環境、社会などに対して配慮されているという意味合いで、エシカルという言葉を使うことが増えているようです。

エシカルに関連する言葉に「エシカル消費」があります。消費者庁は、エシカル消費を「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組んだりする事業者を応援しながら消費活動を行うこと」と定義しています。つまり、買い物の際、価格やデザインだけでなく、作られた背景やストーリーに配慮して、できるだけ社会的課題の解決につながる商品を積極的に選ぶという消費スタイルが、エシカル消費なのです。また、人や社会、環境を意識して作られた商品のことを「エシカル商品」といいます。

例えば、商品が作られて役目を果たすまでには、原材料の調達、製造、流通、消費、廃棄といったいくつものプロセスがあります。すべてのプロセスで発生するCO2排出量が少ない商品を選ぶと、地球温暖化の原因とされているCO2の排出量を抑えるのに役立つでしょう。また、商品の原材料の調達において、製造国で生産者の人権が尊重されているかなどを確認して購入することも、エシカル消費だといえます。

SDGs・サステナブルとの違い

画像: iStock.com/hisa nishiya

iStock.com/hisa nishiya

ではエシカルは、SDGsやサステナブルと、どのような違いがあるのでしょうか? SDGs(Sustainable Development Goals)とは、「持続可能な開発目標」のことであり、2015年に国際連合で採択された17のゴール(目標)があります。SDGsには貧困や飢餓、健康、教育といったさまざまな目標が含まれていて、エシカル消費はそのうちの一つ「ゴール12:つくる責任 つかう責任」に位置付けられています。

一方で、サステナブルとは、英語の“sustain(持続する)”と“able(可能な)”を組み合わせた言葉で、「持続可能な」という意味です。環境への負荷が少なく、将来世代にわたってずっと続けていけるような持続可能なあり方をサステナブルと呼びます。

SDGsを達成するためのサステナブルな取り組みにはさまざまなものがありますが、持続可能な条件の一つがエシカルだと考えるとわかりやすいでしょう。

エシカル志向が必要とされる2つの理由

近年、テレビやニュースなどさまざまな場面で、エシカル志向が重要視されるようになってきました。エシカル消費など、買い物の際にもエシカルかどうかを判断基準にする人も増えているとされています。その背景にはいったい何があるのか、説明します。

①ごみの増加などの環境問題を解決するため

画像: iStock.com/apomares

iStock.com/apomares

日本では、1年間で東京ドーム約110杯分、4,095万トンものごみが処分されています。これを一人当たりに換算すると、1日890グラムのごみを排出していることになります。世界でもごみは増加の傾向にあり、世界銀行は「緊急対策が講じられなければ、世界の廃棄物は2050年までに現在のレベルより70%増加する」と警告しています。

ごみを処分するには、広大な土地と多くのエネルギーが必要で、環境に大きな負荷を与える恐れがあります。そのため、一人ひとりがごみの減量に取り組み、環境への負荷を減らすことが重要だとされているのです。こうした背景から、買い物の際にマイバッグを持参したり、割り箸や紙ストローを断ったりするエシカル志向が注目されています。

②人権問題や貧困などの社会的課題を解決するため

画像: iStock.com/Ada daSilva

iStock.com/Ada daSilva

世界ではまだまだ低賃金で雇われた労働者や子どもが過酷な環境で労働を強制されているという現実があります。それを象徴するのが、2013年にバングラデシュで発生した縫製工場「ラナプラザ」の崩落事故です。過酷な環境で多くの人が労働を求められた結果、建物が倒壊し、1,000人を超える死者を出した世界最悪の労働災害です。

これらの問題は、商品の価格を抑えようとするあまり、違法な労働などによって低コスト化を図っていることが原因の一つだと考えられています。そのため、商品を適切な価格で販売し、生産者や労働者が対等に利益を得られるよう公正な取引を行うフェアトレードなどによって、社会的課題を解決しようという動きが生まれています。エシカル消費の必要性が高まっている背景には、こうした世界全体で社会的課題に対する問題意識があるのです。

エシカル消費3つの分類

画像: エシカル消費3つの分類

エシカル消費は、大きく分けて「人や社会に配慮した消費」「環境に配慮した消費」「地域に配慮した消費」の3つに分類されます。3つの分類それぞれについて解説します。

①人や社会に配慮した消費

生産者や労働者など、関わる人や社会に配慮した消費のあり方です。発展途上国の生産者や労働者といった立場の弱い人にも利益が行き渡る、フェアトレードによる商品を購入することなどがこれに当たります。また、売上の一部を社会活動を行う団体に寄付する商品の購入や、障がいのある人が作った商品の購入なども、人や社会に配慮した消費だといえるでしょう。

②環境に配慮した消費

地球環境への負荷を減らすことを目的に、リサイクルされた商品などを購入することが環境に配慮した消費に該当します。環境にできるだけ負荷が少ない商品を選んで購入する「グリーン購入」が代表例です。また、農薬や化学肥料を使用しない有機農法で作られた農作物を購入することも、環境に配慮したエシカル消費に当てはまります。

③地域に配慮した消費

地域に配慮した消費の代表例は、地産地消です。地域で作られた産品を地域で消費することによって、輸送や保管などに伴う環境負荷を減らすことができます。それに加えて、地域の産業を応援することにもつながります。また、自然災害などによって被災した地域の産品を購入することも、特定の地域に配慮した消費のあり方です。

エシカル消費の具体例

エシカル消費と聞くと「難しそう」と感じる人もいるでしょう。そこで、身近な例を挙げてエシカル消費を解説します。もしかしたら、日々の習慣ですでにエシカル消費を実践していたという人もいるかもしれません。

地産地消を心がけて地域の応援をする

画像: 地産地消を心がけて地域の応援をする

地産地消とは、地域で生産された食品をその地域内で消費することです。国内で作られた食品をすすんで消費することで、食料自給率の向上につながります。また、生産地から消費地への輸送距離が短くて済むことから、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)の発生を抑えることができます。

スーパーマーケットなどで買い物する際に、産地をチェックして国産のものを優先して買っている人もいるでしょう。こうした習慣もエシカル消費の1つです。

エシカルな認証マークのついた商品の購入をする

エシカルな商品を選ぶ目印に、第三者機関が設けた基準をクリアしたことを示す認証マークやラベルがあります。さまざまな種類がありますが、例えば、「国際フェアトレード認証ラベル」は、生産者に適正な価格で取引していることや人権に配慮した基準を満たしていることを示したものです。後述で詳しく説明します。

日常に取り入れやすいエシカル商品の具体例6つ

画像: 日常に取り入れやすいエシカル商品の具体例6つ

無理なく暮らしに取り入れやすいエシカル商品にはどのようなものがあるのでしょうか。近頃は、スーパーマーケットなどでもエシカル消費につながる商品がラインナップされていることがあります。ここではエシカル商品の具体例をご紹介しますので、ぜひ普段のお買い物の参考にしてみてください。

①エシカル食品

エシカル食品(エシカルフード)とは環境や社会に配慮された食品全般のことで、さまざまな種類があります。例えば、食品添加物や農薬の使用量が少なく健康に配慮された食品や、食品ロスを削減するために規格外の野菜を材料にしている食品などもあります。また、大豆ミートなど動物性の材料を使わずに植物性の原材料のみで作られた食品も含みます。

②エシカルファッション

近年、流行のデザインの衣服を低価格で販売するファストファッションが世界的に広がり、衣料の大量生産・大量消費が進んでいます。しかし、ファストファッションの拡大の裏には、過剰なコストダウンによって、前述のラナプラザ崩壊事故のような悲劇も起こっているという課題が指摘されています。そこで、できるだけ長く着続けることができる素材やデザインであるエシカルファッションが急速に拡大しています。中には、オーダーメードで衣服を作ることで、過剰な在庫を持たないというスタイルの衣服メーカーなども登場しています。

③エシカルグッズ

エシカルグッズとは、繰り返し使用でき、プラスチックごみを減らすのに役立つマイバッグやエコボトル、マイストローなどのこと。これまで使い捨てされていたものを繰り返し使用できるものに変えることで、ごみの発生を抑えることができます。コンビニエンスストアで配られるスプーンやフォークだけでなく、ホテルで使う歯ブラシやブラシなども、使い捨てを控えることが推奨されています。

④エシカルジュエリー

製造や加工の工程で、人や環境に負荷を与えないように配慮されたジュエリーのことをエシカルジュエリーと呼びます。貴金属や宝石は、鉱山などで掘り起こした原材料を加工して作られますが、採掘の際に児童労働や劣悪な環境での労働が行われるなど、社会問題が指摘されることがあります。こうした問題に配慮したエシカルジュエリーには、人工的に作られる合成ダイヤモンドなどがあります。また、古いジュエリーをリサイクルして新たなデザインに生まれ変わらせることも、エシカルジュエリーの一つだといえるでしょう。

⑤エシカルウエディング

エシカルウエディングとは、環境保全や社会貢献の視点で結婚式や披露宴を行うことです。料理や引き出物にオーガニックの食品を使ったり、フェアトレードのアイテムを取り入れたりすることで、参列する人にもエシカルの取り組みを知ってもらうことができます。

⑥エシカルコスメ

エシカルコスメとは、人、環境、社会に配慮された化粧品のことです。化粧品の成分がオーガニックのものであるほか、動物実験を行わないこと、過剰包装せず、リサイクルまで考えた設計になっていることなどが挙げられます。

エシカルな認証マークの例4選

エシカルな認証マークやラベルには、主に次のようなものがあります。スーパーマーケットなどにある身近な商品の中にも、こうしたマーク・ラベルがついているものがあります。お買い物の際には、こうしたマーク・ラベルがついたものを選ぶように心がけましょう。

エコマーク

画像: エコマーク

エコマークとは、製品の原材料の調達から廃棄・リサイクルに至るライフサイクル全体において、環境への負荷が少ないと認められた製品・サービスを示すマークです。資源環境、地球温暖化、健康・環境、生物多様性の保全、節水、大気汚染といった観点に役立つ製品やサービスが対象になっています。

参考:公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局

MEL(マリン・エコラベル・ジャパン)

画像: MEL(マリン・エコラベル・ジャパン)

MEL(マリン・エコラベル・ジャパン)は、日本発の水産エコラベル認証で、水産資源の持続性と環境に配慮した漁業者・養殖者であることを示す認証です。スーパーマーケットなどに並ぶ水産物につけられています。消費者はこの認証がついた商品を選ぶことで、間接的に持続可能な漁業・養殖業を応援する事ができます。

参考:MEL(マリン・エコラベル・ジャパン)

有機JAS

画像: 有機JAS

農薬や化学肥料などに頼らず、自然界の力で生産されたことを示すマークです。農産物のほか、加工食品、飼料、畜産物、藻類につけられています。有機JASのマークがない食品に「有機」「オーガニック」などの名称を表示することは法律で禁止されています。

参考:農林水産省Webサイト

国際フェアトレード認証

画像: 国際フェアトレード認証

フェアトレードとは、直訳すると「公正な貿易」。その名の通り、途上国の生産者と適正な価格で取引していることや、人権・環境などに配慮した基準を満たしていることが認められた商品につけられるものです。国際フェアトレード認証がついている主な商品としては、コーヒー、カカオ(チョコレート)、コットン製品、スポーツボール、バナナ、ごま、茶などがあります。

参考:fairtrade japan

まとめ:日々の生活にエシカルを取り入れよう

画像: iStock.com/Anchiy

iStock.com/Anchiy

最近、ニュースなどで話題になることの多いエシカルというキーワード。その背景には、重要な社会的課題がいくつもあることがわかりました。エシカルな取り組みは決して難しいものではありません。エシカル消費をはじめ、マイバッグやエコボトルを持ち歩くこともエシカルなアクションの一つです。日常生活にエシカル志向を取り入れ、無理なく続けられるように心がけましょう。

画像: エシカルとは?SDGsとの違いやエシカル消費が必要な理由を解説

持続可能な社会のためにも、エシカル志向が重要であることがわかりました!マイバッグやマイストローといったエシカルグッズを使うなど、できることからひとつずつ始めていけるといいですね!

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