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環境にやさしい取組みの一つとして「リデュース」という言葉を耳にすることが増えてきました。なかには、実際にリデュースに取り組んでみたいと考えている人もいるかもしれません。しかし、「そもそもリデュースについて詳しく知らない」という人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はリデュースの意味、必要とされている理由などについて、わかりやすく解説します。読めばきっと、リデュースについての理解が深まるでしょう。個人や企業で実践できるリデュースの取組みも紹介するので、すぐにアクションを起こすこともできますよ。

※この記事は2023年1月17日に公開した内容をアップデートしています。

リデュースとはごみの発生を抑制する取組みのこと

画像: リデュースとはごみの発生を抑制する取組みのこと

はじめに、リデュース(reduce)という英単語は「減らす」「縮小する」という意味を持ちます。このことから、ごみの発生を抑える取組み全般のことをリデュースと呼ぶようになりました

リデュースには、家庭ごみの発生を抑制する取組みだけでなく、企業の生産活動に必要な資源量を削減する取組みなども含まれます。

参考:環境省

リデュースとリサイクル・リユースの違い

このように資源を大切にする取組みには、リデュースのほかにリユース、リサイクルがあります。リユースとは物を捨てずに繰り返し使うこと、リサイクルとは使い終わったものを資源として再利用することを指します。リデュース、リユース、リサイクルの頭文字をとって、この3つを「3R」と呼ぶこともあります。

リデュースとリサイクルの違い

リデュースは、事前にごみの発生を抑制すること。例えば、買い物の際に商品の過剰包装を異なることなどがリデュースです。リデュースはいわば、ごみの発生を予防するアクション。これに対してリサイクルは、使用後に資源として再利用することです。似た言葉ですが、行う段階が異なります。リサイクルとしては、例えば、使い終わった包装紙を捨てるのではなく、地域のリサイクルステーションや古紙回収に出すことなどが挙げられます。

リデュースとリユースの違い

前述の通り、リユースはものを捨てずに繰り返し使うこと。買い物を例に挙げると、ごみを発生させないように買う量を減らすことがリデュースです。これに対して、買ったものを長く使ったり、必要としている人に渡したりすることがリユースです。

リデュースが必要とされている3つの理由

なぜ今、リデュースというキーワードに関心が寄せられているのでしょうか。リデュースが必要とされる主な3つの理由について解説していきます。

①温室効果ガスによる地球温暖化が進んでいる

画像: iStock.com/apfDesign

iStock.com/apfDesign

地球温暖化の原因とされている温室効果ガスには、二酸化炭素(CO2)やメタンなどがあります。中でもCO2の占める割合がもっとも多く、人間の活動による温室効果ガス排出量の約75%を占めるとされています。

CO2が排出される原因の一つとして、ごみ処理が挙げられます。私たちの暮らしや経済活動で発生したごみは、最終的にはごみ処理場などで焼却処分されますが、その際にCO2が発生するのです。

ごみの量が増え続ければ、それだけ多くのCO2が排出されることになります。地球温暖化がさらに進めば、環境や私たちの暮らしに悪影響を及ぼすと懸念されているため、温暖化対策としてごみを減らすリデュースが必要とされているのです。

参考:JCCCA

②海洋汚染が進行している

画像: iStock.com/Artis777

iStock.com/Artis777

ポイ捨てや不法投棄などによって、ごみが適切に処理されない場合、ごみが海に流出してしまうことがあります。特に、分解されるのに長い時間がかかるプラスチックごみは、海を漂い続けることで海洋汚染を引き起こすおそれがあります。

海洋汚染は、海の生態系だけでなく、水質の低下などによって暮らしや水産業にも影響を与える深刻な問題です。海洋汚染を防ぐには、まず、ごみを正しく処理することが大前提です。その上で、ビニール袋やペットボトルなどの使用を減らすリデュースにも取り組むことが求められています。

③ごみ処理に多額の費用がかかる

画像: iStock.com/Govindanmarudhai

iStock.com/Govindanmarudhai

日々の暮らしや経済活動で出たごみは、最終的には自治体が処理するケースがほとんどです。ごみ処理には、さまざまなコストが発生します。例えば、一軒一軒のごみを集める収集コストや、ごみ処理施設の運用コストなどが挙げられます。こうしたごみ処理に必要なコストは自治体が負担していますが、その一部には私たちの税金が用いられています。

ごみの発生を抑えるリデュースに取り組むことによって、こうした社会的なコストを削減する効果も生まれると考えられています。

リデュースに取り組む3つのメリット

家庭や企業などでリデュースに取り組むことには、さまざまなメリットがあります。コストなどの直接的なメリットだけでなく、環境に良い影響を与えることも期待されています。どのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。

①商品の生産コストを抑制できる

画像1: iStock.com/takasuu

iStock.com/takasuu

企業などが商品を生産する際に使用する資源量を減らせば、その分、コストを抑えることができるでしょう。適切な範囲で生産コストを抑制できれば、収益アップなど経営改善につながる可能性も考えられます。

同時に、生産コストの削減分を商品価格に反映できるようになるかもしれません。商品が値下げされると、消費者もメリットを感じやすくなります。

②ごみ処理にかかるコストを抑制できる

画像: iStock.com/structuresxx

iStock.com/structuresxx

ごみの最終的な処理は各自治体によって行われており、そこには多額のコストが発生しています。例えば、2022年度の全国のごみ処理事業に関する経費の総額は21兆円以上とされています。

こうしたごみ処理には税金が使われているため、リデュースに取り組むことで、ごみ処理に使われる税金を減らすことができます。

参考:環境省

③エネルギー使用量の減少によって二酸化炭素の排出を抑制できる

画像: iStock.com/PeopleImages

iStock.com/PeopleImages

リデュースは、ごみの量を物理的に減らすことや、製品を作るときに使う資源の量を少なくすることだけでなく、できるだけ長く使い続けられる長寿命・耐久性のある製品を開発することも含まれます。

このように、長寿命・耐久性のある製品が開発され、過剰な生産が抑えられると、エネルギーの使用量を削減できるかもしれません。

エネルギーの使用量が減るということは、同時にCO2の排出量も減るということです。温暖化の一因であるCO2の排出が減れば、ゼロカーボンな未来の実現が一歩近づくでしょう。

リデュースにおける課題

いくつものメリットがあるリデュースですが、取り組みにあたっては課題もあります。

リデュースの考え方や理解が普及していない

ごみの発生や資源の使用を減らすリデュースという考え方が、広く普及していない可能性が指摘されています。リサイクルやリユースといった言葉が広く使われるようになったのに比べて、リデュースという言葉の知名度が低いという側面があります。

取り組むのに手間や時間がかかる場合がある

例えば、レジで包装や袋を断るために一言お願いするなど、リデュースを実践するにはちょっとした手間がかかる場合があります。毎日の買い物ではこうした一手間が負担になるケースもあるでしょう。

また、家庭ごみを減らすために生ごみの堆肥化を行うことが有効です。しかし、自宅にコンポストを置いて、毎日生ごみを入れたり混ぜたりする手間がかかるため、負担に感じる人もいるかもしれません。

家庭や個人でできるリデュースの取組み5選

ここからは、家庭や個人で手軽に始められるリデュースの取組みを5つ紹介します。毎日のお出かけやお買い物などで無理なく取り入れ、習慣づけるとよいでしょう。

①マイバッグを利用する

画像: ①マイバッグを利用する

お買い物の際にマイバッグを持参することは、リデュースの取組みの第一歩です。

経済産業省によると、私たちは1年間に約300枚のレジ袋を使っているとされています。これを重さにすると約3キログラム。マイバッグを持参してレジ袋の使用を控えると、家庭ごみの減量に役立ちます。

また、国内では、年間305億枚のレジ袋が消費されています。この膨大な数のレジ袋について、資源の採取から最終処分までに必要なエネルギーを合計し、原油に換算すると約42万キロリットルに相当します。これは、超大型の石油タンカー約2隻分です。25メートルプールで計算すると、約1,200個がいっぱいになる量だとされています。このようにレジ袋を控えることはエネルギーの節約にもつながるといえるのです。

2020年7月からは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで、無料で配布されてきたレジ袋が有料化されました。お買い物の際にマイバッグを持参すれば、有料のレジ袋を買わずに済むため、家計にも嬉しい効果があるかもしれません。

参考:経済産業省

②食器や靴・洋服などの消耗品はこまめにメンテナンスを行う

画像: iStock.com/Viktoriya Telminova

iStock.com/Viktoriya Telminova

なるべくごみを発生させないためには、食器や靴、洋服といった消耗品はこまめにメンテナンスを行い、できるだけ長く使い続けることが大切です。消耗品だからといって、頻繁に買ったり捨てたりを繰り返していては、ごみが増えるばかり。購入する際に、ずっと使い続けられる品質かどうかを見極めることも重要だといえるでしょう。

③過剰包装や不要な割り箸・スプーンの使用を避ける

画像: iStock.com/kot63

iStock.com/kot63

お買い物の際には、マイバッグを持参することに加えて、過剰包装にも気を配るようにしましょう。なるべく簡易な包装の商品を選んだり、不要な包装を断ったりすることで、ごみの発生を防ぐことができます。同様に、割り箸や使い捨てスプーン、お手拭きなども不要な場合 は使用を避けるとよいでしょう。

④利用頻度が低いものはレンタルやシェアサービスを活用する

画像: iStock.com/Domepitipat

iStock.com/Domepitipat

数年に1回や1年に一度など利用する頻度が低いものは、思い切ってレンタルやシェアサービスを活用するのも、リデュースにおいては有効です。近年は、レンタルやサブスクリプションなどの便利なサービスが数多く登場しています。衣類や車、家電製品などサービスのバラエティも豊富です。こうしたサービスを上手に活用することで、エコでスマートな暮らしを実現しやすくなるでしょう。

⑤飲み物はマイボトルで持ち歩く

画像: iStock.com/fotojuwelier

iStock.com/fotojuwelier

お出かけのたびにペットボトル飲料を買っているという人は、マイボトルで飲み物を持ち歩く習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。使い捨てのペットボトルではなく、繰り返し使える水筒を使うことで、ごみの発生を抑えることができます。

また、自宅から飲み物を持参すれば、毎日の飲み物代も節約できるでしょう。保温機能のある水筒を使うと、夏や冬も飲み頃の温度を保つことができ、一石二鳥です。自分の好みに合ったデザインの水筒を持ち歩けば、水分補給のたびに気持ちも晴れやかになるでしょう。

企業が実践できるリデュースの取組み2選

続いて、企業におけるリデュースの取組みを2つ紹介します。環境に配慮した経営スタイルをとる企業が増える中、こうした取組みを実践する企業も多くなっています。

①簡易包装の採用

画像: iStock.com/Wako Megumi

iStock.com/Wako Megumi

環境省によると、家庭から出るごみの約3割が商品の包装に使われたものだとされています。商品の外箱や容器などの紙類やプラスチック類などが、家庭ごみの多くを占めているのです。

そのため、商品の簡易包装を実践し、リデュースに取り組む企業も増えています。簡易包装とは、商品の品質に影響を与えない程度に簡略化された包装のことです。企業にとっては包装資材を節約でき、消費者にとってはごみの削減や開ける際の手間を省略するメリットがあります。

最近は、お中元やお歳暮といった贈答品に加え、日用品や食料品などでも簡易包装が多くみられるようになってきました。企業が簡易包装を実践することは、社会全体のリデュースを促進させることにつながるのです。

参考:環境省

②商品の耐久性アップや修理サービスなど長く使える工夫をする

画像: iStock.com/abluecup

iStock.com/abluecup

企業の商品開発の際にも、設計思想にリデュースの考え方を取り入れることがあります。具体的には、耐久性が高く、長く使い続けられるような素材やデザインにすることや、修理サービスを行うことなどが挙げられます。

こうした工夫を行うことで、顧客が長くその企業の製品を使用してもらえることにつながるかもしれません。

行政が行っているリデュースの取組み2選

国の官庁や地方自治体なども、積極的にリデュースの取組みを実践しています。どのような取組みを行っているのか、2つの事例を紹介します。

①ごみ処理の有料化

画像: iStock.com/photka

iStock.com/photka

家庭や企業が使うごみ袋を有料化することで、ごみの量をできるだけ削減するように促す取組みです。以前は、ごみ出しの際の袋を指定しない自治体も多かったのですが、最近は多くの自治体がごみ袋を有料化し、ごみの削減を誘導する取組みが一般化しています。

②ペーパーレス化による紙の使用削減

画像: iStock.com/ipuwadol

iStock.com/ipuwadol

紙の使用量を削減するため、デジタル化を推進してペーパーレス化に取り組んでいる自治体もあります。例えば、業務においてパソコンや電子メールを使ったり、Webを活用して情報発信したりするなどして、紙の削減に取り組むといった事例が挙げられます。

まとめ:リデュースは暮らしや経済を豊かにする

画像2: iStock.com/takasuu

iStock.com/takasuu

ごみの発生や資源の使用を抑えるリデュースには、環境にやさしいだけでなく、家庭や企業、行政などのコストを最適化する効果もあることがわかりました。つまり、リデュースは暮らしや経済の無駄を省き、より充実した社会を目指すのに役立つといえます。限りある資源を有効活用するという考え方から、リデュースへの関心はますます高まっていくでしょう。家庭や企業で無理なくリデュースに取り組み、エコで豊かなゼロカーボン社会を目指しましょう。

画像: リデュースとは?わかりやすく解説!個人や企業でできる取組みを紹介

みなぱん

私もこの記事を書くことで、改めて「リデュース」の重要性を感じました。昼食時は割り箸を使用することが多いので、「マイ箸」を持って行くなど、手軽な取組みから私も始めていこうと思います!

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