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「節電のためにはコンセントを抜いた方がいい」と聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。しかし、どんな家電でも、ただコンセントを抜けばいいというわけではありません。家電によってはコンセントを抜いてしまうとかえって多くの電気を使ってしまったり、うまく機能しなくなったりするため注意が必要です。

そこで本記事では、家電のコンセントを抜くことが節電につながるのか、わかりやすく解説します。読めばきっと、コンセントを抜いてもよい家電とそうでない家電を見分けることができるようになるでしょう。家電ごとの適切な節電の方法を知りたいという方は必見です。

※この記事は2022年11月15日に公開した内容をアップデートしています。

コンセントを抜いて節電効果があるかは場合による

画像: iStock.com/Toru Kimura

iStock.com/Toru Kimura

家電のコンセントをさしたままにしておくと、待機電力が発生することがあります。待機電力とは、機器を使っていなくても消費される電気のことです。コンセントを抜くと待機電力の発生を抑えることができるため、節電につながります。

しかし、家電によっては、コンセントを抜いてしまうと次に起動する際にかえって多くの電気を使ってしまったり、家電に設定されていたデータが消えてしまったりすることがあります。電気の使用量が増えるのはもちろん、家電を使うのに問題が起こっては本末転倒です。そうならないためには、それぞれの家電に適した方法で節電に取り組むことが大切です。

コンセントを差しっぱなしになることで待機電力が発生する

コンセントを抜いた方がいいかどうかの判断材料となるのが「待機電力」です。待機電力とは、機器を使っていなくても消費する電力のことを指します。「待機時消費電力」と呼ぶこともあります。

なぜ、機器を使っていないときも電気を消費するのでしょうか。その理由は、大きく3つあります。1つ目は機器に内蔵されたメモリや時計、モニターなどを表示する機能維持のため、2つ目はリモコンの操作などの指示を待つため、3つ目は単にコンセントを接続しているだけで電力を消費するためです。

資源エネルギー庁の調査によると、待機電力が大きい家電・機器の上位5位は次のとおりです。

  1. ガス温水器(19%)
  2. テレビ(10%)
  3. 冷暖房兼用エアコン(8%)
  4. 電話機(8%)
  5. BD・HDD・DVDレコーダー(6%)

家電や機器の中でも、映像・音響に関する機器や給湯機器、通信機器などの待機電力が大きいことがわかります。実際の待機電力の消費量は家電のメーカーや機種などによっても異なりますが、一般的に、待機電力の大きい家電ほど、コンセントを抜くことによる節電効果が期待できるといえるでしょう。しかし、中には常に電源に接続していなければ機能しないものもあるため、注意が必要です。

参考:資源エネルギー庁

延長コードのさしっぱなしでも待機電力は発生する

上述のとおり、待機電力が発生する原因の一つに、単にコンセントを接続しているからということを挙げました。実は、延長コードをコンセントにさしっぱなしにしているだけで待機電力が発生してしまう場合があるのです。使用していない延長コードはコンセントから抜き、余計な待機電力の発生を抑えるよう心がけましょう。

待機電力が電気代に占める割合は約5%

画像: iStock.com/Wako Megumi

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資源エネルギー庁の調査では、家庭1世帯あたりの1年間の待機電力の消費量は228kWhと推計されています。これは、1世帯が1年間に使う電気の使用量4,432kWhの約5.1%にあたります(2012年時点)。近年は家電の省エネ性能が上がり、待機電力の消費量も減少傾向にあるものの、まだ節電の余地があるといえそうです。

参考:資源エネルギー庁

コンセントを抜いた方がいい家電

コンセントを抜いた方がいい家電について、家電の種類ごとに具体的に説明します。コンセントを抜いた方がいいとされる家電でも、抜く前に注意すべきポイントがあります。実践する際には、事前にこうした注意点をしっかりと押さえておきましょう。

テレビ

前述した通り、テレビは待機電力が2番目に大きい家電です。見ていないときは本体の主電源を切り、外出などで長時間使わないときはコンセントからプラグを抜いて待機電力を抑えましょう。

エアコン

春や秋など、エアコンを使わないシーズンはコンセントからプラグを抜いておきましょう。そうすることで待機電力の発生を防ぐことができます。

BDD・HD・DVDレコーダー

スイッチを入れるとすぐに使える「高速起動モード」「クイックスタート機能」を設定していると、待機電力を多く消費してしまいます。使わないときはコンセントからプラグを抜くように心がけましょう。

充電器

スマートフォンなどを就寝前に充電器にさして、朝までそのままにしている人もいるかもしれませんが、節電やバッテリーの寿命の観点から控えた方がよいでしょう。

パソコン

パソコンも待機電力を消費するため、使わないときには電源を切り、スリープモードを活用するなど節電を心がけましょう。使い終わった後は電源をオフにする習慣をつけるとよいでしょう。

※BD:ブルーレイディスク、HDD:ハードディスク

コンセントを抜かない方がいい家電

反対に、家電の中には、コンセントを抜くと設定が消えてしまうなどして、次に使うときにかえって多くの電気を消費するものもあります。次のような家電は、コンセントをさしっぱなしにしておきましょう。

冷蔵庫・冷凍庫

冷蔵庫・冷凍庫は電気が通っていないと庫内の温度をキープすることができません。食品の鮮度や状態を保つために、常にコンセントをさしたままにしておく必要があります。

Wi-Fiルーター

Wi-Fiルーターのコンセントを抜いてしまうと、インターネットに接続できなくなってしまいます。もちろん、旅行などで長期間使わないときはコンセントを抜いても構いませんが、節電のために頻繁に抜き差しするのは避けましょう。

電子レンジ

最近の電子レンジは、コンセントにさしたままの状態でも消灯していれば待機電力がゼロのものもあります。そのため、節電のためにコンセントを抜く必要性は低いでしょう。

ウォーターサーバー

基本的に、ウォーターサーバーはコンセントをさしたまま使用するようにしましょう。コンセントを抜くと、クリーン機能や保冷・保温機能が動作せず、衛生的な状態を維持できなくなる可能性があるからです。

プリンター

プリンターには自動でクリーニングする機能などが搭載されている場合があり、コンセントを抜くとこの機能が使えずに目詰まりしてしまう可能性があります。基本的にはプリンターのコンセントはさしっぱなしにしておきましょう。

電気代を節約する方法5選

節電に取り組むには、待機電力の役割を踏まえたうえで家電の特徴に応じた方法をとることが大切です。また、そろそろ家電の買い替えを予定しているという人は省エネ家電に買い換えるのも有効です。上手に電気代を節約する方法を5つご紹介します。

①長期間使わない家電のコンセントを抜く

画像: iStock.com/west

iStock.com/west

身の回りを探してみると、前述した「コンセントを抜いた方がいい家電」の中で「しばらく使わないのにコンセントをさしっぱなしにしていた」という家電があるかもしれません。機能に問題がないようであれば抜いた方がよいでしょう。

②スイッチ付きの電源タップを使う

画像: iStock.com/DonNichols

iStock.com/DonNichols

頻繁にコンセントの抜きさしをするのが難しい場合は、スイッチ付きの電源タップを活用するという方法があります。スイッチ付きの電源タップなら、コンセントがある壁から離れたところでも家電を使え、使わないときはスイッチをオフにすることで待機電力を抑える効果が期待できます。

③省エネ家電に買い換える

画像: iStock.com/gerenme

iStock.com/gerenme

家電の買い換えを検討している人は、省エネ家電に買い換えることで電気の使用量を大幅に削減できる可能性があります。最新の家電は、10年ほど前と比べると省エネ性能が大きく向上しています。そのため、家電を買い換えるだけで、特別な工夫をしなくても節電できると考えられるのです。

なお、エアコン、冷蔵庫、テレビ、温水洗浄便座、照明を買い換える際には「統一省エネラベル」を参考にするとよいでしょう。統一省エネラベルには、省エネ性能が星の数で示されていたり、その家電を使った場合の年間の電気料金の目安が記載されたりしており、省エネ家電を選ぶ際に役立ちます。

④家電の使い方を工夫する

画像: iStock.com/Obradovic

iStock.com/Obradovic

家電を買い換える予定がないという人は、使い方を見直すことで節電につなげることができます。例えば、テレビなどに搭載されている省エネモードなどに設定するだけで、簡単に節電することができます。ほかにも、冬場の冷蔵庫の温度設定を「弱」などに調整したり、エアコンのフィルターを月1~2回掃除したりすることも効果的です。

⑤タイマー機能のついた家電を活用する

タイマー機能とは、一定時間使用しないと自動で電源がオフになる機能のこと。温水洗浄便座や電子レンジなど、多くの家電にこのような機能が搭載されています。この機能を使えば、電源を切り忘れても自動でオフにしてくれるため便利です。無駄な電気を消費しないためにも、こうした機能を利用して無理なく節電することがスマートです。

コンセントを抜いて節電をする際の注意点5つ

コンセントを抜くことは待機電力の削減に役立ちますが、その一方で、安全面から注意したいポイントもあります。コンセントは暮らしに欠かせない身近な存在ですが、目に見えない電気が流れています。安全には十分に配慮したうえで節電に取り組むようにしましょう。

①家電の電源を入れたままコンセントを抜かない

画像: ①家電の電源を入れたままコンセントを抜かない

家電の電源を切らずにコンセントを抜いてしまうと、コンセントに電気が通っている状態のまま引き抜くことになります。この場合、コンセントに湿気やほこりが加わると「トラッキング現象」につながる恐れがあり危険です。

トラッキング現象とは、コンセントと電源プラグの間にたまったほこりに水分が混じり、火花などが出る現象のことです。火災の原因になることもあり、大変危険な現象です。トラッキング現象を防ぐには、長い間コンセントをさしっぱなしにしないことや、コンセントの周りにほこりや髪の毛などがたまらないように、こまめに掃除をすることが大切です。特に、湿気の多い洗面所や台所などのコンセントでは注意が必要です。

②生活に支障をきたさない範囲で行う

コンセントを抜くと節電になるからといって頻繁に抜きさししては、かえって生活が不便になってしまうことも懸念されます。スイッチ付きの電源タップを活用したり、省エネモードなどをうまく利用したりして、無理のない範囲で節電に取り組むのがよいでしょう。

③ 頻繁にコンセントの抜き差しをし過ぎない

節電になるからといって、過度にコンセントを抜きさしするのはNGです。家電によっては、頻繁にコンセントを抜きさしすることで逆に寿命を縮めてしまう可能性があるからです。就寝前や外出時など、適度なタイミングでコンセントを抜くようにするのがよいでしょう。

④濡れた手でコンセントに触らない

濡れた手でコンセントに触ると感電事故につながるおそれがあり、とても危険です。特に、キッチンや洗面所など、水回りでコンセントに触る前には必ず手を拭くようにしましょう。

⑤プラグの掃除を定期的におこなう

コンセントとプラグの間に埃が溜まったままの状態にしていると、埃が湿気を吸収して火花が出ることがあります。これは「トラッキング現象」と言い、火災の原因になる危険な現象です。さしたままのプラグは定期的に掃除して、埃がたまらないようにしましょう。

まとめ:時と場合によってコンセントを抜くか考えよう

画像: iStock.com/urickung

iStock.com/urickung

家電を使っていなくても消費される待機電力は、家庭で使う電気の5%を占めます。ちょっとした心がけで節電することもできますが、コンセントを抜く際は、家電の特徴に応じて判断することが重要です。コンセントを抜かなくても、スイッチ付きの電源タップを利用したり、家電の使い方を工夫したりするだけで節電につながることもあります。節電は、できるだけ長く続けることが大切です。生活に支障のない範囲で行い、毎日の習慣にするのがよいでしょう。

画像: コンセントを抜くと節電効果はある?待機電力の削減や節電に役立つ4つのコツを紹介

みなぱん

この記事で紹介したように、私も家電のコンセントを抜いたり、家電の使い方を工夫するなど、手軽にできるところから節電に取り組んでいます。ぜひ、みなさんも節電の参考にしてみてください!

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