
宮口友佳子
組織風土改革室 組織風土改革グループ所属。入社以来、支社広報、環境関連業務、経営理念啓発関連業務など、さまざまな業務を経験。現在は、組織風土改革の「自分事化」の施策やエンゲージメントサーベイ(組織の健康診断ツール)業務を担当。
従業員目線で考える「関電の特徴」。見えてきた重要課題

組織風土改革室の宮口 友佳子
関西電力で「組織風土改革室」という前例のない部署が発足したのは2023年のこと。その背景には、経済産業大臣から受領した「電気事業法に基づく業務改善命令」がありました。これを受けて業務改善計画を提出。その再発防止策の柱として掲げられたのが、「内部統制強化」と「組織風土の改革」でした。
組織風土の改革として、まず着手したのは、自分たちの組織の姿を真正面から見つめ直すことでした。何が課題なのか。どこに組織風土的な問題があるのか。各部門からキーパーソンが選ばれ、現場の従業員とともにワーキング形式で議論を重ねました。同時に、全従業員を対象としたアンケートも実施。組織の状態を可視化する作業が進められました。やがて見えてきたのは、「今ある仕事をやめる文化がない」「意見しても"結局変わらない"とあきらめる」「人材の多様性が確保されていない」といった、当社の組織風土に影響を与えている重要課題でした。

組織風土改革室に配属された直後の宮口は、当時の印象をこう振り返ります。
宮口「重要課題については、『やっぱり、みんなそう思っていたんだ』と感じる内容が多かったです。私自身、それまでの職場では周りに相談しやすい環境に恵まれていましたが、業務量の多さや確認作業の煩雑さは日常的に感じていました。組織風土改革室へと所属が変わり、これまでのように自分が感じるだけで終わらせるのではなく、変えていく立場になったことの重みを改めて感じました」
目指すべき道を模索しながら生まれた「ええやん!」という合言葉
こうして抽出された課題の解消に向けて掲げられたのは、「気づく、言える、行動する」という3つのアクションでした。一人ひとりがリスクやチャンスに気づき、それを職位や所属の垣根を越えて伝え合い、そして実際に行動に移していく…。そういった組織へと変わっていくことをめざしています。

「ええやん!Day」の企画・運営、ポスター制作やエンゲージメントサーベイなどの業務を行うチーム(左から宮口 友佳子、川田 顕、名坂 直記)
その後、経営層と従業員との対話活動、重要課題を踏まえた役職者向けの気づき資料の共有、心理的安全性研修の実施など、さまざまな施策が進められました。しかし、この取組みは不祥事をきっかけに始まったこともあり、「再発防止のための対策」という印象が先行しました。そのため、より良い組織にしていくための前向きな取組みでもあるという趣旨が、従業員に十分に伝わらず、従業員からは戸惑いの声もあがっていたといいます。
宮口「従業員の皆さんに向けては、改革が始まった当初から『働きやすい職場をつくるために、できることからまずやってみてほしい』と発信していましたが、『何をやれば良いかわからない』『何をめざしているのか見えてこない』という声も少なからずありました。組織風土改革を自分事と捉えてもらうために、めざすところをもっと明確に示す必要があると感じました」

新たなスローガン「ええやん!関電」を入れたロゴ
改革のめざすところを、わかりやすく伝えたい。そんな想いから生まれたのが、「ええやん!関電」という新たなスローガンでした。
宮口「『ええやん!関電』は森社長が繰り返し言っていた言葉をヒントにした、組織風土改革のめざすところを簡潔に示すスローガンです。『自分たちが誇りを持って活き活きと働くことができ、“ええやん!関電”と思える会社になっていくことで、社外の方からも“ええやん!関電”と言っていただける会社にしていきましょう』と話していたこともあり、親しみやすく、関西らしさも感じられるものとして、この言葉をスローガンとしました。
スローガンの認知向上のために、『やってみる、から始める風土改革』というタグライン付きのロゴも作成しました。“今よりもっと良くありたい”という思いが原動力の『ええやん!』に繋がるものであればどんな取組みでも活用でき、”関電”の部分を部門名やグループ名にもアレンジできるものとして社内に共有しました」

各職場で生まれた「ええやん!」のオリジナルロゴ
こうした取組みの結果、各職場でオリジナルロゴが数多く生まれました。さらに、それらをteamsのスタンプとしても活用できるようにしたことで、組織風土改革の認知が徐々に広がっていったとのこと。またロゴと合わせて、これまでにポスターも5種類制作されました。

宮口「今年度はコミュニケーションをベースに重要課題の1つである業務過多解消に向けたポスターを制作しました。仕事を進めていくうえで“ポスターにも書いてあるよね”と話題にしながら、日々のコミュニケーションに繋げてもらえればと思います」
参加型のイベント「ええやん!Day」を開催
「ええやん!」ロゴやポスターの評判は上々で、スローガンも徐々に浸透していく一方で、もどかしさを感じることもあったといいます。
宮口「ロゴやポスター、社内ポータル、メルマガ等を活用して情報発信を行ってきましたが、一方的な発信だけではなかなか思いが伝わりきらず、具体的な取組みに繋がりにくいのでは感じる場面もありました。
その一方、”まず、できることからやってみてほしい”というメッセージを受けて、動き出している職場も生まれてきました。こうした取組みに光を当て、各職場での変化や気づきをできるだけ多くの従業員の皆さんと共有できる場をつくることで、さらに取組みの輪を広げていきたいという思いがありました」
そこで、組織風土改革室が考え出したさらなる一手が「ええやん!Day」と銘打った全社イベントでした。
2025年2月に開催された第1回では、全国54拠点と本店イベント会場をオンラインでつなぎ、多くの従業員が参加。関西電力の挑戦の歴史を振り返る映像に続き、森 社長と著名人ゲストによるトークセッションが行われました。そこでは、「まず、やってみる」ことの大切さなどについて、率直な意見が交わされました。また、「ええやん!エピソード表彰」では、400件を超えるエピソードのなかから従業員の投票によって選ばれた大賞などが表彰されました。
宮口「第1回は、本当に参加者が集まるのか、失敗するのではないかと不安な気持ちもありましたが、当時の上司からの『失敗しても良いから、やってみよう!』という言葉に勇気づけられました。たくさんの従業員の皆さんと想いを共有でき、アンケートでも『イベントを通じて自分も行動してみようと思えた』『挑戦を振り返るムービーに涙される方もいて、この会社で働くことを改めて誇りに思えた』といった前向きな回答が多く、やってみて良かったと感じました」

オンラインで各拠点をつなぎ、約1,700人の従業員が参加した第2回「ええやん!Day」(2026年2月)

笑顔と拍手に包まれ、会場が一体となった「ええやん!Day」の様子
イベントの目玉として企画したのは、「ええやん!エピソード」表彰です。自薦・他薦を問わず、社内から集められた「ええやん!」なエピソードを従業員投票によって大賞などを決定し、イベント当日に社長から表彰を行うというものでした。
宮口「応募要件は部署やプロジェクト、個人単位など枠組みを問わず、記入フォーマットも可能な限りシンプルにしました。社内にはほかにも表彰制度がありますが、表彰される案件は、定量的な成果の見える取組みになりがちでした。『ええやん!エピソード表彰』では、取組みの大小問わず“今よりもっと良くありたい”という思いから生まれた『ええやん!』な取組みや、その取組みを見つけてくれた推薦者にもスポットを当てたいと考えました」


森望社長と著名人ゲストによるトークセッション。2026年2月に開催された第2回には、女子サッカー日本代表でキャプテンを務めた澤穂希さんが登壇しました
「ええやん!」から芽生えた行動の連鎖。小さな変化が職場を変える
2025年夏以降の検討を重ねて開催された第2回「ええやん!Day」では、前回から内容を見直し、賞の整理や授与式での見せ場づくりなど、さまざまな工夫が加えられました。

受賞者にはオリジナルのトロフィーが贈呈されました

受賞者に贈られるオリジナルのチロルチョコ
宮口「例えば、受賞者に贈られる表彰状の文面は、一般的な表彰状とはひと味違う形で、事務局の熱い想いを込めた内容にしています。エピソードの素晴らしさがしっかり伝わるようにしながらも、当日テンポよく読み上げられるように前回よりも簡潔にまとめることを心がけました。また、より記念に残るものにしたいという思いから、今回からはトロフィーも授与することにしました。受賞者からは『トロフィーをどこに飾ろうかな』といった声もあり、とても喜んでいただけました」
参加者は約1,700名にもなり、寄せられた「ええやん!エピソード」は500件を超えました。

2025年度の「ええやん!エピソード」大賞には、金属3Dプリンターで製作したインコネル製水車ランナの実用化プロジェクトや、水力事業が学べるマインクラフトの制作プロジェクト、万博アテンダントチームの取組みなどが紹介され、会場は大きな拍手に包まれました。

2025年度の「ええやん!エピソード」大賞には、金属3Dプリンターで製作したインコネル製水車ランナの実用化プロジェクトや、水力事業が学べるマインクラフトの制作プロジェクト、万博アテンダントチームの取組みなどが紹介され、会場は大きな拍手に包まれました。

2025年度の「ええやん!エピソード」大賞には、金属3Dプリンターで製作したインコネル製水車ランナの実用化プロジェクトや、水力事業が学べるマインクラフトの制作プロジェクト、万博アテンダントチームの取組みなどが紹介され、会場は大きな拍手に包まれました。
宮口「より多くのエピソードにスポットライトを当てられるように、従業員投票によって決まる3件の大賞だけでなく、7件の優秀賞、ほかの職場にも知ってもらいたいもの等を対象とした20件の特別賞を新たに設けました。寄せられた500件以上のエピソードはいずれも心打たれる、素晴らしいエピソードばかりで、そのなかから従業員投票にかける候補を絞り込むのは心苦しい作業でした。なかでも、毎朝自主的に発電所構内の掃除を続けている先輩を『朝のヒーロー』と称えて、その姿に触発され、職場全体に『自分も何か一つ良いことをしよう』という雰囲気を広がっているというエピソードは、個人的にとても心に残っています。こうしたエピソードに触れるたびに、社内でも小さな変化を見逃さず、自分も一歩踏み出してみようという気運が高まりつつあるのではないかと感じています」
イベントに参加した従業員の反応からも、前向きな姿勢が感じられたとのこと。
宮口「印刷した『ええやん!関電』ロゴを掲げる方や、かぶり物姿で参加してくださる方もおられました。また、受賞者の方からは、『華やかな舞台に参加でき、とても感動しました。今後も“ええやん!”と思える職場に繋がる取組みを続けていきたい』というコメントもいただき、やってよかったと大きな手応えを感じました。日頃、地道に前向きな取組みを続けている方々の“ハレの場”として、これからも『ええやん!Day』を続けていきたいですね」
従業員一人ひとりを主役にした関西電力の組織風土改革はこれからも続く

「ええやん!Day」当日、事前チェックを行う組織風土改革室のメンバー
部門や拠点を超え、盛り上がりを見せた「ええやん!Day」。行動を促すプロジェクトに終わりはありません。今後、応募されたさまざまなエピソードにも焦点を当て、発信を続けたいと意気込みを語りました。
宮口「組織風土改革室はあくまで改革の『旗振り役』に過ぎません。組織風土改革は従業員の皆さんひとり一人が真の主役で、皆さんの気づきや想いがより良い組織風土をつくっていく原動力になると考えています。これからも、前向きな取組みを全力で応援し続けていきます」

大盛況のうちに終了した「ええやん!Day」。従業員一人ひとりを主役にした取組みはこれからも続く
従業員の日々の気づきと行動の積み重ねが、やがて大きな変革を生み出す。関西電力の組織風土改革は、これからも続きます。
宮口「社内外の方々に心から『ええやん!関電』と言っていただける会社を、従業員の皆さんと共に作っていきたいです。組織風土改革の取組みは道半ばですが、各職場や従業員ひとり一人に灯った改革の火が途切れないよう、これからも様々な施策に取り組んでいきたいと思います」

まなまな
組織風土改革に向けて、さまざまな工夫や想いを重ねながら実現されたイベントに初参加し、立場を越えて自然に対話が生まれる様子に、風通しの良さと、挑戦を応援してくれる会社の雰囲気を改めて実感しました!
▼2025年度「ええやん!エピソード」大賞に選ばれたプロジェクトの詳細は、以下の記事をご覧ください
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