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ついに開幕を迎える「EXPO 2025大阪・関西万博」。“いのち輝く未来社会のデザイン”をテーマに、これからの私たちの暮らしと深いかかわりを持つ最新技術が多数紹介される世紀のビッグイベントです。今回ご紹介するのは、万博会場の電気としても使用される、関電初・水素発電の実証プロジェクト(※)。担当者に詳しい話を聞きました。

※正式名称「既設火力発電所を活用した水素混焼発電実証」。経済産業省および国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進めているグリーンイノベーション基金の助成を受けて実施されるプロジェクトです。

画像: 関西電力 水素事業戦略室 技術開発グループ リーダー 田中 裕大

関西電力 水素事業戦略室 技術開発グループ リーダー 田中 裕大

推シゴトファイル〜推しからみえるお仕事の世界〜

関西電力が担う業務は実にさまざま。電気にかかわるものはもちろん、一見関連性がないように思える意外な分野まで、幅広く手がけています。このシリーズでは、社員が語る、業務やプライベートの“推シゴト”を通じて、多種多様な「お仕事」をご紹介します。

関電初・水素発電の実証プロジェクト

─まずは、現在携わっているお仕事について教えてください!

田中「関西電力では、持続可能な社会の実現に向けて、発電事業をはじめとする事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)排出を2050年までに全体としてゼロにする『ゼロカーボンビジョン2050』という取組みを推進しています。そこで期待されているのが『水素発電』です。私は、水素事業戦略室のプロジェクトリーダーとして、関西電力では初挑戦となる水素発電の実用化を目指す実証試験を行ったり、それに必要な技術検討や関係部署との調整を担当しています

─水素は、次世代エネルギー源として注目されていますよね。

田中「そうですね。水素発電とは、石油、石炭や天然ガスといった化石燃料のかわりに水素を燃料として使う発電方法のことです。化石燃料は燃やすと CO2 が排出されてしまいますが、水素は燃やしても水しか排出されないため、クリーンなエネルギー源として注目されています。 CO2 を出さない発電といえば、太陽光や風力などの再生可能エネルギーがよく知られていると思いますが、天候などの条件によって発電量が変わってしまうという問題があります。その点、水素による発電は、再生可能エネルギーに比べ電気を安定して供給することが可能なんです」

画像: 関電初・水素発電の実証プロジェクト

─それは頼もしいですね! 今回の実証試験は、どのようなものなんでしょうか?

田中「水素発電実証の舞台は、姫路第二発電所(姫二)です。姫二は、関西電力の火力発電所で最大規模を誇ります。その設備を一部改造、新設し、天然ガスに水素を混ぜる『混焼』という方式による発電の実用性を確かめようとしています」

田中「ここには水素の製造・貯蔵・発電までを実現できる設備を整えました(※)。ちなみに、事業用の大型火力発電所の設備を改造して水素混焼発電(最大で体積比30%)をする試みは日本初なんですよ!」

※水素は発電所構外からも受入可能なシステムとしており、一部構外からの調達も予定しています。

大阪・関西万博で使用する水素由来の電気の魅力を伝えるお仕事とは?

─実証試験で発電した電気が、大阪・関西万博に使われると聞いたのですが?

田中「そうなんです! “人類の進歩と調和”をテーマとして1970年に開催された大阪万博(日本万国博覧会)でも、関西電力は会場に電気を届ける役目を担っていました。その際、関西電力で最初の原子力発電所となった美浜発電所で作った電気が試験的に使われたことが話題となったんです。それから約半世紀を経て開催される今回の万博では、私たちが実証試験を進めている水素発電のほか、太陽光発電や水力発電、原子力発電で作られたゼロカーボンの電気を組み合わせて会場に届けることになります」

─実証試験は、万博で使われる電気をつくるお仕事でもあるわけですね。

田中「それだけに責任は重大ですが、やりがいも感じています。実は私は、万博の会場で水素発電の電気が使われていることを来場者の方々にお伝えする、プロモーションの仕事も任されているんですよ。まったく畑違いの業務になるので、ある意味で実証試験のプロジェクト管理よりも苦労しました(笑)」

画像: 大阪・関西万博で使用する水素由来の電気の魅力を伝えるお仕事とは?

─そうなんですね! どのようなプロモーションになるのでしょう?

田中「そもそも電気は目に見えないものですから、万博の会場で水素発電の電気が使われているといっても、具体的にイメージすることが難しいですよね? そこで、水素発電のしくみやメリットをわかりやすい動画コンテンツにまとめました。制作した動画は、関西電力を含む10の電力会社からなる電気事業連合会が出展するパビリオン『電力館 可能性のタマゴたち』で動画の上映を行うほか、水素発電の特徴を紹介するARコンテンツも体験することができます。そのほか、会場内に複数設置されているサイネージでも上映予定です」

画像: 万博会場で上映される動画のワンシーン

万博会場で上映される動画のワンシーン

─プロモーションのお仕事で、特に苦労したことは?

田中「なにもかもですね(笑)。なにしろ動画制作はまったくの素人ですから、どこに発注すればいいのかすらわからない状態からのスタートでした。そこから、社内外含めたくさんの方々に協力していただき、なんとか動画コンテンツを完成させることができました。苦労した甲斐があって、世代を問わず多くの方々に水素発電の可能性をお伝えできる内容になっていると思いますので、万博会場でぜひ観ていただきたいです!」

お父さんが作った電気を使う万博を、子どもたちと一緒に楽しみたい!

─聞くところによれば、今回の万博には個人的にも特別な思い入れがあるそうですね?

田中「先ほど、1970年に開催された万博の話をしましたが、私の故郷はその会場があった吹田市なんです。産まれたのは70年万博よりも後ですが、両親や地元の方々から当時の話をよく聞いていましたし、会場の跡地にあたる万博記念公園にもよく遊びに行っていました」

─いわば“万博”を身近に感じながら育ったということですね。

田中「そうなんです。再び大阪で開催されることになった万博に、まさか自分がかかわることになるなんて、子どもの頃の自分には信じられないでしょうね(笑)」

画像1: お父さんが作った電気を使う万博を、子どもたちと一緒に楽しみたい!

─現在も、吹田市にお住まいとのことですが。

田中「はい。結婚して3歳と1歳の子どもがいるので、やはり休日には万博記念公園や、その隣にあるショッピングモールに遊びに行っています」

─今回の万博は、お子さんと一緒に体験されるわけですね。

田中「もちろんです! 2人の子どもたちは、私が水素発電のプロジェクトにかかわるようになってから授かったので、プロジェクトの進捗と子どもたちの成長を同時期に見守っていたようなところがあるんです。それだけに、実証試験で作った水素発電の電気が使用される万博を、子どもたちと一緒に体験できるのは、とても感慨深いですね。実は、今回制作したプロモーション動画に、少しだけ私も出演しているんですよ。それを観た子どもたちがどんなリアクションをするのか、恥ずかしいけど楽しみだったりもします」

画像2: お父さんが作った電気を使う万博を、子どもたちと一緒に楽しみたい!

─最後に、現在取り組んでいるお仕事に対する抱負や目標を聞かせてください!

田中「子どもたちが大人になった時代に、安心して使える電気が当たり前に供給されている社会を実現させることが、私たちに課せられた使命だと思っています。そのためにもまずは、現在進めている実証試験を完遂させること。そして水素と天然ガスの混焼による発電を商用化させ、2050年には水素のみでの発電を実現させるため、これからも頑張っていきたいと思います。私たちの取組みを知っていただくためにも、ぜひ万博の会場へ足を運んでいただければ幸いです!」

画像3: お父さんが作った電気を使う万博を、子どもたちと一緒に楽しみたい!

地球の将来を担う子どもたちが安心して暮らせる社会の実現に貢献したいと願う田中。彼らが目指す未来のビジョンは、大阪・関西万博の会場で体験することができます。水素発電がもたらす新しい世界の姿を一足先に観ることができる万博に、ぜひご期待ください!

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