Yaala 〜産後のしんどさを絆に変える〜
https://www.yaala.info/
Yaala は、産後の家族が一番大変な時期を乗り越える場所を提供します。パートナーと、家族と、町の人と、繋がりを深める、広げる。みんなで共有しながら、もっと気楽に過ごせる場所を広げて行きます。
「初めての出産後に、もやもやしたんです」
―Yaalaについて詳しく聞く前に、まず立ち上げのきっかけを教えてください。
井上「Yaalaは、自分の子育て体験がもとになっています。うちは共働きで家事も分担、フェアな関係の夫婦だと思っていました。なのに出産後は同じようにフェアな関係になることが簡単ではないと感じてとまどったんです」
―納得できないことがあったとか?
井上「家庭内で家事育児の分担量がフェアだったとしても、何かもやもやする気持ちがあって。同じことを同じようにしているのに、方やイクメンと褒められ、方や普通のワーキングマザー扱いなのは何でだろうと。出産までは男女による差を感じることは少なかったけど、出産すると育児をメインに担当するのは女性で、それが日本では当たり前のようになっている。その意識が根深いということに気づきました」
―確かに、井上さんが出産された約10年前は、まだまだ「育児の主体は女性」という風潮が根強かったですね。最近は男性の育児休業の取得率もアップして、男性でも家事や子育てが当たり前という人が増えている気がします。
井上「とてもうれしい変化です! ただ、それに伴って、悩みの種類も変わってきているみたいで。育児休業をとり、必死に子育てをする中で、男性自身も仕事と家庭のバランスをどうやって取っていくか、悩んでいる人が増えてきた印象です」
―なるほど。赤ちゃんのお世話に慣れていないふたりが、スムーズに協力体制を作っていくというのは難しそうですね。
井上「新米のパパとママだけでは、支え合う気持ちがあってもお互い必死な分、空回りすることが多いと思います。そこで、第三者がサポートすることで、家族みんなで子育てできる体制を作ることができるのでは、とひらめいて“新しい家族ののスタートをサポートするサービス”を考えました」
海の見える一軒家で、ゆったりと自分らしい子育てを
―それでは、Yaalaの具体的なサービスについて教えてください。
松本「Yaalaが目指したのは、ゆとりある子育て。自分の育児に自信が持て、“家族みんなで子育てしている”という実感を育むことです。そこで、『一軒家の滞在施設』『専門家によるサポート』『ママもパパも自分に戻れる時間』の3つのサポートを用意しました」
―滞在施設が一軒家でシェアハウス形式っていうのは、今っぽいですね! でもなんで、一軒家なんですか?
井上「一番の理由は、Yaalaでの1カ月の滞在が終わって自宅に戻ってからも、再現可能な家族のスタイルを作っていけるから。ホテルのような整った環境は日常生活と大きく離れていて、掃除やお皿洗いはありません。Yaalaは自宅での育児をシミュレーションできる場として、より自宅に近い環境であることを大切にしました」
―たしかに、産後に必要なサポートと言っても育児代行サービスではないですもんね。場所はどこですか?
松本「家族みんながゆったりと過ごせるように、ロケーションと物件にはこだわりました。まず、赤ちゃん連れでも移動できる距離ながら、旅行気分の味わえる土地を探したんです。大阪中心部から電車で1時間、見晴らし良くコンパクトで温かみのあるまち――そんな条件にピッタリだったのが神戸市の塩屋でした」
松本「落ち着いた親しみやすい雰囲気、明石海峡を望む美しい景色、ほんのりと漂う異国情緒。このまちなら、大きなライフイベントを迎えた家族を温かく迎え入れてくれると直感しました!」
―大阪から1時間とは思えない、素敵な雰囲気ですね!
松本「この場所には、運命と言ってよいほど絶妙なタイミングで出会ったんです。もともと別荘だった人気物件がちょうど売りに出され、シェアハウスを運営予定のオーナー夫婦が購入されていて。ありがたいことに、Yaalaの理念に共感していただき、4部屋をYaalaで借してもらえることになって。結果、理想のシェアハウス型滞在施設が誕生したんです!」
―自宅でもない、ホテルでもない。シェアハウスならではの良さってなんでしょう?
井上「自宅と違って『マイルール』に縛られないことですね。海やまちを眺めながらゆったりとした気持ちで生活できます。
育児中も孤立しない環境を整えました。オーナー夫妻は、日中は不在ですが、夜間は同じ建物で過ごします。また、日中はふらっと出かけて、お店の人やご近所さんと気軽にコミュニケーションできるような場所を選んでいます。育児で不安になったときも、『大丈夫』って声をかけてくれる人がいると本当に心強いんです」
―なるほど、「家族だけ」で過ごしていると、自分たちのことだから楽天的には考えられないですもんね。他人がいた方がいい時もあるんですね。
専門家によるコーチングで家族のスタイルを見つける
―続いて、2つ目の「専門家からのサポート」について教えてください。
井上「Yaalaはこれから夫婦がさらに良い関係を築けるよう、育児やコミュニケーションの方法を提案し、1カ月かけて試してみる場です。そこでYaalaスタッフと助産師や調理師がていねいに話をヒアリングして、そのご家族に適したオーダーメイドのスタイルを提案します」
―専門家が提案してくれるなら、素直に試してみたくなりますね。だけど、もやもやした悩みってきちんと伝えられるものですか?
井上「同じYaalaスタッフが滞在施設へ定期的に来てくれるので、どう伝えたら良いか分からなくても何気ない会話を通して解決につなげられます。Yaalaのスタッフは否定せず、良い点に注目する励まし型コーチングで応援するので、安心して話ができるはずです」
―「いつもの方」なら、信頼が生まれて相談しやすくなりそうです!
井上「例えば、『パパがどう育児へかかわれば、みんなが幸せに過ごせるか』といった悩みも、そのご家族の生活スタイルを細かくヒアリングして解決の糸口を見つけます。
復職も視野に入れ、便利なサービス・家電の紹介や、作り置き料理のレッスン実施、家事の省力化をサポートすることもできます。中には、ママがYaalaの家から見える明石海峡大橋までのマラソンを楽しみ、その間パパが一人で子どもを見ながら離乳食作りをしたご家庭もいました」
―理想とする姿は家族ごとに違うんだなぁと、改めて感じました。Yaalaだと、ニーズに合わせて対応してもらえるんですね!
まちの人との懸け橋「Yaalaコイン」
―3つのサポートの最後「自分に戻れる時間」っていうのは何ですか?
松本「出産後はどうしてもお子さんファーストになり、『パパ・ママが』どのように過ごしたいか、といった視点は後回しになりがちです。そのような状況が続くと、だんだんと自分が何を好きだったのか分からなくなってしまいます。
先ほどのママのように、自分のやりたいことを思い出し、行動に移していくには、まず少しずつ一人で過ごして自分に向き合う時間を持つことが大切なのです。そこで、パパ・ママが一人で過ごす時間を後押しするアイテム『Yaalaコイン』を考案しました」
松本「これは、周辺のショップで利用できるチケットです。参加しているのはYaalaの事業内容に共感いただいたお店ばかりなので、安心して訪れることができます。1人で出かけることによって親ではない素の自分に戻れる時間を作ってほしいです。ショップの方とのほどよい交流は、育児で家にこもりがちなパパ・ママに社会とのつながりを再びもたらします」
―その間、赤ちゃんのお世話はどなたがするのでしょうか。
井上「パートナーがします。例えば、ママが出かけている場合には、パパが一人で子どもを見ることで、自分のやり方で心置きなく過ごすことができます。
親のどちらかががお世話をする時間が長くなると、どうしてもお世話が長い方のやり方がスタンダードになりやすい。けれど、ママパパそれぞれののやり方を見つけて、すり合わせしようとすると、お互いのゆずれない部分や、より良いやり方に気づくことができます。そうやって、ふたりのやり方を見つけ、共通認識を持つことで『できる方が臨機応変に担当する』シームレスな育児につながるんです」
―なるほど。安心してパートナーに育児を任せられるって、理想的ですね。
井上「はい、親になっても自分だけの時間を楽しめ、お互いをリスペクトできる心のゆとりができます。育児は、大変なことも、大きな喜びももたらしてくれるものですが、その体験を夫婦で共有できていると実感すれば、夫婦の絆はもっと強くなります。後に夫婦だけで過ごす長い人生もきっと素晴らしいものとなるでしょう。心にゆとりをもって子育てできる人や環境が増えれば、もっと子育てしやすい社会になると思います。Yaalaを通して、そんな社会をめざしたいんです」
まとめ
大きなライフイベントである、出産。急に親になれるものか、と不安な方もいるかもしれません。そんな気持ちに寄り添ってくれる、安心して頼れる新しい産後サポートサービス、それがYaalaです。
Yaalaが目指すのは、もっと心にゆとりをもって子育てができる社会。それを実現するためには、かけがえのない新しい家族のスタートを、みんなで一緒に過ごすことがとても大切です。困った時は「Yaala」がいるよ、ということをぜひ覚えておいてください。いつの日か、自分や周りの人の役に立つ時がくるかもしれません。
だいちゃん
家族の時間と自分の時間、どちらも大切ですよね。Yaalaの家で、家族で特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか!?