人によっては、相手に罪悪感を抱き、恋愛する自信を失ってしまうことにも繋がりかねない蛙化現象。いったいどうすれば? 恋愛ウォッチャーのイッヌさんにアドバイスしてもらいました。
イッヌ
SNS総フォロワー数25万人のイラストレーター/ライター
美容師として年間4000人以上を接客するなかで見えてきた、恋愛心理やあるあるネタを
SNSで発信し、共感を集めている
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蛙化現象を超えて蛙化時代? 誰もがゲコりゲコられる
皆さんこんにちは!
お正月は食う寝る三昧、この段階で夏までには痩せればいいと考えているイッヌです!
先日、カフェで一緒にコーヒーを飲んでいた友達が「ちょっと聞いてよ〜! イケメンでいいなぁと思ってた人がいたんだけど〜! デートの時さぁ!会計でクーポン使い出してぇ〜ありえなくない? 冷めたわぁ! マジ蛙化〜! 思わずゲコって帰ってきちゃったぁ〜!」とぬかしておられました。
友達の育ちの良さに、思わず7倍の声を張り上げて「静かにしろ! 目を閉じろ! 歯を食いしばれ!」と言いそうになりましたが、グッとこらえて「そっか〜だよね〜!」と答えたあたりからコーヒーの味がしなくなったのは、今となれば良い思い出でごさいます……。
さて、最近「蛙化現象」という言葉をよく耳にするようになりました。
はじめは「何それ美味いの?」くらいに考えていた私ですが、どうやら世間では深刻な問題のようなので、どうすれば童話の蛙の王様のごとく、ハッピーエンドを迎えられるのか、恋愛検定3級の私が考察して解決策を考えてみたいと思います。
WITH YOUの読者アンケートや、私がInstagramの質問箱で「蛙化現象的なものが起こったことがある?」と投げかけて取得した内容を拝見すると、「お店の棚から落としたポテチは戻して、違うポテチを取ったのを見てがっかりした」や「髪を切ったら印象が変わって冷めてしまった」など、私自身該当しているのではないか? と不安になって夜しか眠れないような理由から、「SNSで見る推しのアイドルと比較したら、現実の彼がダサく感じて冷めてしまった」という予想の遥か上をいく回答までありました。私たちが理想の恋人に求めるハードルは高くなりすぎて、もはや飛べず、くぐるしかない現実待ったなし! という状況のようです。
なぜこんなにも蛙化現象は浸透してしまったのか?
蛙化現象が浸透したのは、非常に発達したネット社会により、膨大な量の情報がSNSを通じて簡単に入手できるようになったからではないか? と、私自身は考えております。
1人1台はスマホを所有している現代で、若者にとってSNSは生活と切っても切り離せないものとなっています。
また、芸能人も多くSNSを利用しています。イケメン俳優が無精髭を生やし、完全にオフの状態(加工なし)でインスタライブをすれば「オフでもこんなにカッコいいんだ〜♡」と歓喜しますし、最近は一般人の投稿でも高級時計やお洒落なインテリアに囲まれていたりするので、「これが理想の生活だよね〜」と影響を受けるのは当然のことであります。彼らが見せてくれる生活が、あたかも身近で起きているかのような錯覚を起こすようになったのではないでしょうか?
ただ、SNSには自分の生活の良い部分しか載せませんから、現実とかけ離れて作り上げられたキラキラを間に受けていたら、何が真実かわからなくなってしまいます。
さらに現代は、仕事はリモート、会議はzoom、連絡はLINEやInstagramで……というように、実際に人と会わずに何でもできる世の中になっています。
会ったこともない不特定多数の他人の発信が浸透すると、自身の頭の中はキラキラした情報のみが蔓延し、いつしか完璧な理想の恋人像が無意識に構築されていくのです。
それでは、私たちはこれからの社会をどう生き抜いて恋愛をしていけば良いのでしょうか?
現実の中に「私しか知らない彼」を見出すべし
私は、こんな時代だからこそ「人と会うこと」が大切になっていくと考えています。
もちろん実際に会えば、遅刻する彼にイライラすることも、彼の鼻毛が飛び出ていてゲンナリすることもあるでしょう。
しかし、こう考えてみてはどうでしょう?
「私しか知らない彼」「私にしか見せない彼」「SNSには載っていない彼」
どうですか!? 見方を変えれば他人には見せていない「私しか知らない彼」を知ることができるのです!! 知っているのは実際に彼と会っているあなただけなんですよ!!
すみません。興奮して取り乱しました。
完璧というのは素晴らしいことですけれど、相手に完璧を求めるならば、自分自身も完璧でなければなりません。そんなのあまりにも窮屈じゃないですか? 家の中では上下スウェットでダラダラしながらポテチでもむさぼりたいじゃないですか? 何もかも完璧なんて疲れちゃいますよ!
恋愛を減点方式で考えると、マイナスになることしか見えてきません。
相手にはじめから完璧を求めると、100点満点からのスタートになり、理想とのギャップを見るたびに減点されていくのです。
恋愛というものは、加点方式で考えることでより良くなっていくものではないでしょうか?
「不完全」を愛しあおう
最後になりますが、人の魅力というのはいつだって不完全な部分にあります。あなたのおっちょこちょいな部分はとってもキュートだし、庶民的な部分はとっても共感が得られます! 大好きな人とは、お互いに素の自分をさらけだして関係を深めていきましょう!
自分を良く見せるということは、欠点を隠してしまうということです。これでは大好きな人と距離は縮まりません。人は隠しごとをしている相手を信用し、心を開こうとなんて思いませんから!
私たちは、はじめから凸凹でいびつなんです。大切なのは相手のいびつな部分を見ること。自分のいびつな部分を見せること。相手の凹が見えれば、相手にとって何が必要なのかがわかってきます。お互いの欠点を補いあい、凹凸がバッチリハマって□になった時こそ、真の愛が完成する時なのです!
さあ、今こそスマホの電源を切り、大切な人と実際に会って、ネットを手にする前の小学生のようなピュアな心にカエルのです。
蛙化だけに。
やかましいわ?
おしまい。