田村 泰雅(たむら たいが)さん
京都の出張専門写真館オーナー。フィルムカメラで家族写真を撮影している。京都のパン屋巡りが趣味で、京都のパン屋を10年以上撮影し続けるなど、京都のパン界で有名に。「マツコの知らない世界」をはじめメディア出演も多数。活動の幅は広く、京都を巡るミニツアー企画「まいまい京都」でパン屋案内、「京都新聞文化センター」でパン講座を担当、さらに営業時間内に販売しきれなかったパンを夜に販売する取り組み「パン夜市めぐる」の代表でもある。
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京都はパンの街! ベーグルは和菓子とも深い関係が…!?
明治時代から始まったとされる京都のパン文化。諸説ありますが、「当時、西陣織の職人がゆっくり食事をする暇もないくらい忙しかったため、手を汚さず、すぐに食べられるパンが広く受け入れられたことがルーツのようです」と田村さんは話します。評判は職人の間だけにとどまらず、京都に暮らす人々へと浸透し、現在まで京都の人々の“パン愛”は継続中! 京都市内を中心に、多くのベーカリーが京都の食を支えています。
そんな京都のパン界で、今アツい! といわれているのがベーグル。
京都では2020年以降から、多くのパン屋でベーグルが並ぶようになりました。ベーグル自体の歴史はまだ浅いですが、今では店舗ごとのオリジナル商品などもあり、こだわりの詰まったさまざまなベーグルを楽しめます!
一度茹でてから焼き上げることによって引き出される、独特な柔らかさやもちっとした弾力が京都の人々を虜に。店によってその食感に違いがあるといいます。食べ比べて、好みのベーグルを見つける楽しさもありますね。
京都は四季の移ろいを表現する和菓子文化が根付いているということもあり、季節感が添えられたベーグルが発売されることも。訪れるたび、新作に出合えるかもしれませんね!
田村さんおすすめ! “京都に来たら食べてほしい”推しベーグルが揃う3店舗
日々、進化を続ける京都のパン屋。ここからは京都の中でもパン屋の数が多いオフィス街、烏丸御池エリアを中心に、田村さん推しのベーグルをご紹介します! 3店舗はすべて徒歩圏内で行くことができるので、まとめて巡ってみてください。
<ベーグルマップはこちら>
看板商品のベーグルはボリューム感たっぷり「Flip up!」
地下鉄「烏丸御池」駅から徒歩4分、開業20年を迎える「Flip up!(フリップアップ)」。看板商品のベーグルは、プレーンやチョコレート、きなこ黒豆といった定番9種と季節限定を加えた常時10種以上を揃えています。国産小麦を数種類ブレンドしていて、食感は「もっちり」そのもの。生地にドライフルーツやナッツなどが多く混ぜ込まれていて、どれもボリューム感たっぷりです。
継ぎ足してきた自家製酵母で発酵させる生地に旨みが詰まっています!
頬張ると、角切りのベーコンがゴロゴロっと顔を出す「ニューバード」(税込250円)。カレー粉が生地に混ぜ込まれ、焼く前に表面に塗られたマヨネーズが香ばしさを添えています。気づいたらペロリと食べきってしまう人が多いというのも納得。
「たまごベーグル」(税込230円)は、断面からも伝わる具のぎっしり感が特徴で、ランチにも嬉しい食べ応えある一品です。シンプルなプレーンベーグルにサンドされているのは、細かく刻まれた卵にマヨネーズで味付けした卵フィリング。こちらは冷蔵コーナーに置かれています。
卵フィリングをもちもちのベーグルではさんだ「たまごベーグル」は、
シンプルながらも、食パンのサンドイッチでは味わえない特別な食感を楽しめます♪
ベーグルは1日2回(土曜のみ3回)、開店時と10時ごろに焼き上がります。取り置きも可能なので、モーニングでもランチでも、ライフスタイルによって楽しみ方を見つけてください。
京都のご当地パン「ニューバード」をベーグルで再現したアイディアが面白い。「BAGEL−ニューバード」は、レンジで20秒ほど温めて、オーブンで焼き直すと、カレーの香りが増します!
店名 | Flip up! |
住所 | 京都府京都市中京区押小路通室町東入る蛸薬師町292-2 |
電話番号 | 075-213-2833 |
営業時間 | 7:00~18:00(日曜は~16:00) |
定休日 | 月曜 |
Web | https://www.instagram.com/flipup_kyoto/ |
ちょっぴり小さめサイズ、弾力に驚く人も多い「しろはとベーカリー」
平本さん夫婦が切り盛りする「しろはとベーカリー」。地下鉄「烏丸御池」駅から徒歩2分の場所に位置しています。お店は、2人が入ってパンを選ぶのがちょうどほどの広さ。平本さん夫婦との会話も楽しみに来店する人も多いとか。
火・木・土曜は「玄米ミルクティーベーグル」や「玄米チーズベーグル」、水・金曜は「玄米黒糖くるみベーグル」や「玄米チョコベーグル」というように、ベーグルの品揃えは曜日によって変わります。
2013年1月に開店したパン屋で、ベーグルは日替わりで全5種類。北海道産小麦粉を使用し、茹でてから焼き上げます。
国産小麦の全粒粉に水分をたっぷりと含ませることで弾力を生み出している同店のベーグル。毎日焼き上げられる「玄米ベーグル」(税込160円)は、シンプルな味わいのため、その弾力がダイレクトに伝わってきます。半分食べたら、ジャムを付けて味変をしてみる、なんて楽しみ方もよさそう。
火・木・土曜限定の「玄米ミルクティーベーグル」(税込190円)は、生地にアールグレイティーの茶葉を練り込み、ホワイトチョコレートを入れてミルク感を演出したもの。一口食べると、シンプルな見た目からは想像できない、繊細な風味に驚きます。甘いものが好きな方は、思わず手に取ってしまいそうな組み合わせです。
紅茶愛好家の私にとってはたまらない一品です...!
サイズは少し小さめ、というのも食べ比べには嬉しいポイント。ベーグルは10時ごろに焼き上がりますが、昼前にはほぼ完売するそう。必ず手に入れたいときには、予約して向かいましょう。
ベーグルといえば弾力がポイント。一度食べたら、その食感に感動すると思います!「玄米ミルクティーベーグル」は、アールグレイ茶葉の香りと玄米粉の風味を一度に楽しめる一品です。
店名 | しろはとベーカリー |
住所 | 京都府京都市中京区押小路通烏丸東入る西押小路町102-2 |
電話番号 | 075-223-2242 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 日・月曜 |
Web | https://www.instagram.com/shirohatobakery/ |
シナモン×シュガーが食欲をそそる「BOULANGE OKUDA烏丸二条店」
京都市内に6店舗展開する「BOULANGE OKUDA」が、2023年4月にオープンした烏丸二条店。扉をあけると、奥へとのびるレンガ色のカウンターにパンがズラリ。ハード系、惣菜パンなど、常時50種類以上が美しくディスプレイされています。
BOULANGE OKUDAの最新店です。国産小麦粉でつくるベーグルはしっとり食感で、ほどよい弾力。
生地にシナモンパウダーが混ぜ込まれた「シナモンベーグル」(税込249円)は、表面にグラニュー糖とザラメ糖をまぶしてから焼かれているため、一口目からザクッとした食感とキャラメリゼしたような甘さが楽しめます。一度は販売が終了していましたが、お客さんの「もう一度食べたい」という声に応えて再開。まるでスイーツのような味わいを求めて、訪れる人も多いそうです。
常連の皆さんの熱烈コールで復活したのも納得できる美味しさ!
“外はザクッ、カリッ” “中はしっとり” の食感の違いも最高です!
ちょっとしたデザートにも嬉しい、愛され続ける人気の味をぜひ体験してください。
「シナモンベーグル」は、シナモンの香りとグラニュー糖の甘みに思わずうっとりすること間違いなし……!3時のおやつとして、コーヒーのお供におすすめです。
店名 | BOULANGE OKUDA烏丸二条店 |
住所 | 京都府京都市中京区烏丸通二条下る秋野々町514 清栄ビル京都烏丸1F |
電話番号 | 075-334-5552 |
営業時間 | 8:30~19:00(なくなり次第終了) |
定休日 | 日曜・祝日 |
Web | https://boulange-okuda.jp/ |
ベーグルを求めて京都へ。そしてパン屋巡りをしてみよう
「もっちり」が特徴のベーグルですが、店によってそのもちもち感はさまざま。各店がこだわりを持って作り出すベーグル、そしてパンは、老若男女問わず、京都の人々が愛してやみません。
京都といえば100年以上の老舗店が軒を連ねますが、常に新たな挑戦をし続け、現在まで根付いている店も。パンに季節の味を取り入れるなど、“常に新しいものを”という精神は、京都のパン屋にも息づいているようです。
ぜひ、パンを愛する街・京都のパン屋を巡って、ベーグルを食べ比べしてみてください。
ゆっぴー
京都にパンやベーグルのイメージがなかった人も、ぜひこの記事を参考に京都へ足を運んでみてくださいね*