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交通安全啓発看板「飛び出し坊や」。滋賀県を中心に関西圏では多く見られる看板であり、今やキャラクターとして多くの人に愛されています。発祥は東近江市といわれていますが、〝元祖〟の他にも、お店や企業とコラボした〝進化系〟や、町内会などで独自に作成された〝手書き系〟があり、姿も表情も個性さまざま。そんな飛び出し坊やの魅力を、追っかけ(?)歴10年以上のマニアさんに語っていただきました。

滋賀県の有名人「飛び出し坊や」とは?

画像: トマレTシャツ坊や(東近江市)

トマレTシャツ坊や(東近江市)

赤いシャツに黄色のズボンで、今にも飛び出しそうなフライングポーズを決める坊や。通学路や幹線道路などで「飛び出し注意」の喚起のために設置されたこの看板は、1973年に東近江市で誕生しました。市の社会福祉協議会が地元の看板店に依頼し、ドライバーの注意を一目で惹けるよう、「飛び出そうとする坊や」の姿に。

以来、近隣の町内会などでこの坊やを参考にした看板が作られ、「飛び出し坊や」「飛び出し小僧」「とび太くん」などの愛称で親しまれています。

追っかけ歴12年の「飛び出し坊や」マニアに魅力を聞いた!

画像: 追っかけ歴12年の「飛び出し坊や」マニアに魅力を聞いた!

飛び出し坊やのファンは全国におり、中でも写真展を開催するほどの熱心なマニアさんが、「ホテル琵琶レイクオーツカ」の支配人・山極明宏さん。休日には自転車で飛び出し坊や探しの旅に出るのが趣味だそうで、パソコンやスマホの中には4000枚以上の写真を保有しているほどです。

画像: 「Tくん」(守山市)

「Tくん」(守山市)

きっかけは2011年頃、当時勤めていたホテルにオートバイで出勤する途中、ある一体の飛び出し坊やに出会ったのがはじまりといいます。それまでは坊やの存在が当たり前すぎて気にも留めていなかったのに、パンダのような目で不気味に笑う坊やを見て、思わず転倒しそうになったのだそうです。

画像: 「あっくん」(大津市)

「あっくん」(大津市)

それからは坊やの多種多様な姿や顔が気になり、オートバイで出掛けては写真を撮るようになった山極さん。大津から長浜、さらには京都など県外にも遠征し、近畿以外への旅行の際でも坊や探しは怠らなかったそうです。SNSを経由してファン同士が繋がり、「ここにこんな坊やがいる」という情報を聞いては訪れるというのも楽しい活動となっていきました。

撮り溜めた写真の枚数も膨大になった2013年、勤務先のホテルで「飛び出し坊やコレクション展」を開催することにしました。県内外からのファンが訪れ、その反響も大きく、現在までに第5弾まで開催されています。

山極さん推し!おもしろ飛び出し坊やコレクション

関西地方を中心にさまざまな場所でさまざまいる飛び出し坊やですが、いくつか山極さんに「おすすめの坊や」を紹介してもらいました。果たして、皆さんはいくつ見かけたことがあるでしょうか?(すでにいなくなった坊やもいます!)

①運命を変えた坊や。でもTって…?

画像1: (守山市)

(守山市)

まずは山極さんが最初にロックオンされた?坊や。

「守山市で出会いました。「T」の意味は今でも謎なんです」

②スリムでクールな国民的人気キャラ?

画像2: (守山市)

(守山市)

これも守山市で出会った坊や。あの国民的キャラクターを彷彿とさせます。

「色合いなどはそっくりですが、ややスリム。なぜかクールな無表情で飛び出しているのがシュールでとても気になる存在です」

③落書きされておじいちゃんに…

画像: ③落書きされておじいちゃんに…

年月が経って味が出たり変化するのも、その坊やの唯一無二な特徴といえそうです。

「これも守山市で出会った坊や。もともとスタンダードな坊やだったのに、落書きされて年老いてしまいました。割れた頭部がナイスなヘアスタイルにアレンジされていますね!」しかし落書きはダメ!ゼッタイ!!

④口裂け女って知っていますか

画像: (栗東市)

(栗東市)

栗東市で発見した坊やは、色合いこそスタンダードな坊やであるものの、都市伝説の口裂け女を彷彿とさせます。

「夜にこれ見たら子供は泣いちゃいますね。なぜこうなったのか、想いを馳せるのも“坊やハンティング”の醍醐味なんです。なぜなら答えは明確にわからないから。想像は自由なんですよね」

自らホテルに「飛び出し坊や」を作ってしまいました

3年半ほど前に「ホテル琵琶レイクオーツカ」に来てからも、坊やハンティングを続ける日々。そんな中、ホテル業界の危機がやってきます。コロナ禍です。山極さんは時間ができたことを活かし、「自分たちで世の中のためになるような飛び出し坊や看板を作ろう」とスタッフに提案しました。

画像1: 自らホテルに「飛び出し坊や」を作ってしまいました

ホテルが琵琶湖自転車一周「ビワイチ」のサポートステーションでもあることから、交通安全と疫病退散を願う「アマビエ」をモチーフにした飛び出し坊や看板の制作に取り掛かりました。

画像2: 自らホテルに「飛び出し坊や」を作ってしまいました

DIYの得意なスタッフが、木の板を電動ノコギリで切ったり、油性ペンキで色を塗ったりなどし、2カ月かけて2020年5月に完成させたのが写真右の「飛び出しアマビエ」。これを一号機とし、さらに自転車に乗った「ビワイチ飛び出しアマビエ」も製作しました。

画像3: 自らホテルに「飛び出し坊や」を作ってしまいました

裏側は、ちょいワルなアマビエになっているという遊び心も表現しました。ちなみに着ているのはホテル宿泊客用の作務衣で、自転車の車輪は「琵琶レイクオーツカ」のマークです。

画像4: 自らホテルに「飛び出し坊や」を作ってしまいました

売店では絵馬も販売し、ホテル内の日本庭園に奉納所まで設置。こちらもスタッフの手作りだそうです。山極さんだけでなく、ホテルのスタッフが力を合わせて作り上げ、愛着のあるキャラクターとして大切に扱われています。

飛び出し坊やも人間と同様、〝生涯〟がある

画像1: 飛び出し坊やも人間と同様、〝生涯〟がある

しかしなぜそこまで飛び出し坊やに魅せられたのでしょう。

「飛び出し坊やは、人間と同じ生涯だと気づいたんです」と語る山極さん。

「看板は木製なので風雨による劣化もあり、同じ坊やでも訪れるたびに姿が変わります。生まれて、若い時代があって、歳を取って味が出てくる……。人間と一緒です。老朽化で撤去されても、また新しい生命が誕生しています。まさに輪廻転生なんです。だから何度見ても飽きない、同じ姿はない。その生涯を見るのが面白いんですよね」

画像2: 飛び出し坊やも人間と同様、〝生涯〟がある

愛すべきキャラクターであるとはいえ、「交通安全を呼びかける」という本来の使命も大切です。坊やが設置されているのは通学路や交差点など注意が必要な場所で、山極さん自身も気を付けて走行するため危険な目に遭ったことはないとのこと。

「こうした看板を町内会や自治会などが積極的に設置する優しさが滋賀人の県民性であり、それに遊び心を加えて個性を出すのも滋賀県民の人情味の表れでもありますよね」

画像3: 飛び出し坊やも人間と同様、〝生涯〟がある

古くから旅人が街道を行き交っていた滋賀県では、「無事に行って帰る」ことが特に重要視されているのかもしれません。飛び出し坊やは、滋賀の歴史と人々の思いやりの精神を象徴するシンボルともいえるのです。

画像4: 飛び出し坊やも人間と同様、〝生涯〟がある

ちなみに編集部は、山極さんにお話を伺う取材の帰り、滋賀と京都を結ぶ街道途中にある大原という場所で、京女風の飛び出し坊やに遭遇しました。どこか上品な雰囲気のある目元に思わず目を惹かれてしまいました。

皆さんも滋賀県周辺を訪れたら、一人一人違う表情や姿の「飛び出し坊や」を探してみてはいかがでしょう。

画像: いくつ見たことある?滋賀が生んだスター「飛び出し坊や」の魅力をマニアに聞いた!

けいちゃん

飛び出し坊やを見つけたら、まずは飛び出して来る人がいないかを注意して、その後にどんな坊やが設置されているのか「坊やチェック」をしてみるのも楽しいですね!

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