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いつ起きるかわからない自然災害に備えるため、日頃から防災グッズを備蓄しておくことは大切です。しかし、防災グッズのあまりの種類の多さに「何を選べばいいのかわからない」「本当に必要な防災グッズだけを揃えたい」と思っている人も多いかもしれません。

そこで今回は、東日本大震災で被災し、防災士の資格をもつ土界谷梨紗さんに、本当に必要な防災グッズとは何か、わかりやすく教えてもらいました。効率のいい備蓄方法についても解説してもらいましたので、ぜひ参考にして、防災対策に活かしてください。

画像1: 【経験者に聞く】防災グッズでいらなかったもの5選!本当に必要なものと備えるポイントを紹介!

土界谷梨紗(さかいやりさ)

防災士。東日本大震災では、宮城県仙台市で被災。その時の経験をもとに、防災士として活動している。2児の母でもあり、防災記事の監修や子育て家庭に向けた防災ノウハウも発信している。

X(旧Twitter):https://twitter.com/oidolodymama

防災グッズでいらなかったもの5選 | 用意したけど避難生活で使わなかったもの

画像: 防災グッズでいらなかったもの5選 | 用意したけど避難生活で使わなかったもの

はじめに、実際に避難生活を送った経験をもとに、使わなかった防災グッズ5選をご紹介します。防災グッズは非常時の生活のために欠かせないものですが、本当に必要な防災グッズとは何かを見極めることも大切です。

①ロープ

防災という言葉から、救助用のロープをイメージする人もいるでしょう。しかし、ロープの結び方などに詳しい人でなければ、使いこなすのは難しいものです。最近の防災グッズのセットなどには入っていない場合が多いので、あえてロープだけを買い足すということはしないでOKです。

②コンパス(方位磁石)

東西南北の方角を知るためのコンパスも、防災グッズとして連想しやすいものではないでしょうか。しかし、コンパスは方角がわかるようになるだけで、自宅周辺の道や避難経路までわかるわけではありません。ロープ同様、あえて買い足す必要はないでしょう。

③ろうそく

ろうそくは、火をつけて照明の代わりに使うこともできますが、燃え移るリスクもあります。非常時には火を扱うのはできるだけ避け、乾電池で灯りがつくライトや電気のいらないサイリウムなどを使うのが良いでしょう。

④乾パン

長期間保存ができる乾パンといえば、非常食の代表格。しかし、食べると喉が渇きやすく水分が必要になるので、最近の非常食としては避けられることが多いようです。

⑤大量の使い捨て皿

紙皿などの使い捨てできる食器は便利なのですが、非常時には、行政のゴミ処理の機能がストップしてしまうこともあります。そのため、できるだけゴミを出さないことが大切です。

防災グッズで本当に必要なものとは?

続いて、避難生活で本当に必要だと感じた防災グッズをご紹介します。これから防災グッズを揃えようと考えている人は、まず、これらの防災グッズから買い揃えるのがおすすめです。

最低3日間分の水と食料

画像: 最低3日間分の水と食料

いちばん大切な水と食料は、最低でも3日間分、できれば1週間分を備蓄しておきましょう。水は、ひとり1日当たり3リットル必要なので、「3リットル/人×家族の人数×3日間」で必要な量を計算しましょう。食料は調理の必要がなく、温めるだけでそのまま食べられるレトルト食品などを用意しておきます。高齢の方や小さなお子さんがいる場合には、柔らかく食べやすい非常食を準備しておくのがいいでしょう。入れ歯がなくても食べられるゼリーなどの柔らかい食品もあると安心です。小さいお子さんがいる場合には、食べ飽きないようにいろいろな味を揃えたり、普段から食べ慣れているものを準備したりしておくことも重要です。

カセットコンロとガスボンベ

避難生活でもっとも使ったものが、カセットコンロとガスボンベ。食事をするにあたって、食品を温める際に重宝します。ガスボンベは、日頃からなるべく多めにストックしておきましょう。

常備薬・お薬手帳

避難生活の際には、普段とは環境が異なるため体調を崩すこともあります。そのため、普段から飲んでいる常備薬は必需品です。また、避難先ではかかりつけの医師がいないことも想定されます。医療関係者に服用中の薬を共有できるように、お薬手帳も忘れずに準備しておきましょう。

ラップ

食事の際、紙皿などにラップを敷いて使えば、ラップを交換するだけでお皿を洗う必要がありません。非常時には、自宅や避難所の水道が止まってしまうことも考えられます。ラップを敷いて使えば、使い捨ての紙皿も繰り返し使うことができるため、食器洗い用の水だけでなく、ゴミを減らすのにも役立ちます。

マスクなどの衛生用品

避難所では、不特定多数の人と一緒に生活します。そのため、感染予防のためのマスクや消毒用アルコールも準備しておいた方がいいでしょう。水道が止まったときのために、水がなくても手指をきれいにできるアルコールティッシュなどもあると安心です。

乾電池式のモバイルバッテリー

防災グッズとして手回しタイプの充電器なども販売されていますが、乾電池の方が時間を節約できるため、乾電池で充電ができるモバイルバッテリーがおすすめ。情報収集や連絡手段としてスマホは必需品のため、バッテリー切れを防ぐことが大切です。ただし、乾電池を長い間放置していると、自然に放電してしまうため、備蓄している乾電池は定期的に交換する必要があります。

現金

避難中に物資を買うには、現金が必要です。非常時には、電気や通信が途絶えてしまうことがあるため、クレジットカードやキャッシュレスサービスなどが使えないことも想定されるからです。1万円などの大きなお金では、お店に十分なお釣りがないことも考えられるので、千円札などの細かいお金をできるだけ多く用意しておくといいでしょう。

シチュエーション別で用意するべき防災グッズ

前述した最低限必要な防災グッズのほかに、季節や家族構成などに合わせて用意しておきたいものもあります。状況に合わせて、こうしたものも買い足しておくと安心です。

冬には防寒グッズが必須

画像: 冬には防寒グッズが必須

お住まいの地域にもよりますが、冬はとにかく暖を取れるような防災グッズが必要です。土界谷さんは宮城県で被災したので、使い捨てカイロは必需品だったとのこと。貼るタイプや靴下用など何種類か用意しておくといいでしょう。高齢の方や赤ちゃんは低温やけどの恐れがあるため、扱い方には注意しましょう。

夏の防災では水分補給に注意

画像: 夏の防災では水分補給に注意

汗をたくさんかく夏場は、避難生活でも水分や塩分のこまめな補給が大切です。水を多めにストックしておくほか、塩分を手軽に摂取できるタブレットなどもあるといいでしょう。

ほかにも、冷感タオルなどがあれば冷房がないところでも過ごしやすいでしょう。おりものシートなどの生理用品を準備しておくと、下着を交換する頻度を下げることができます。

子どもや高齢者がいる場合の防災グッズ

乳幼児がいる場合、熱湯がなくてもそのまま飲めるミルク缶やおむつも必要です。折り紙など電気を使用しないおもちゃもあるといいでしょう。高齢者の方がいる場合には、お薬手帳や常備薬のほか、入れ歯、メガネ、補聴器の電池も用意しておきましょう。

防災グッズ一式をリュックにまとめた「防災リュック」を家族の人数分準備しておくと、いざというときに持ち出しやすくなります。防災リュックの準備の仕方や中身のチェックリストについては、こちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

用意した防災グッズを無駄にしないために

画像: 用意した防災グッズを無駄にしないために

防災グッズを買い揃えるときには、「ローリングストック」という方法がおすすめです。これは、普段から少し多めに生活用品を買っておき、期限の早いものから使い、使った分だけ新しく買い足しながら一定量の生活用品を常に備蓄しておく方法です。

ローリングストックでは、普段使うものと備蓄用のものを区別しないため、備蓄したものを無駄にすることがありません。普段の買い物のたびに新しいものに入れ替えるため、期限を定期的に見直す手間もなくて便利です。

また、非常時でも普段食べ慣れた食品を食べることができます。特に、高齢の方やお子さんにとっては、食べ慣れた食品を食べることが大きな安心感につながるでしょう。

食品だけでなく、使用期限のある使い捨てカイロや乾電池もローリングストックで管理することができます。

ローリングストックは、備蓄するスペースを確保するだけで、取り組みやすい防災対策です。防災対策というと難しく聞こえますが、簡単に取り組めるローリングストックから始めてみてはいかがでしょうか。

取り組みやすい防災対策から始めてみよう

大切なことは、まずは一歩踏み出して、防災グッズを買ってみること。「防災対策って難しそう」「よくわからない」と考えているだけでなく、行動に移すことがいちばん大切です。どこかで災害が起こると、一時的に防災意識が高くなりますが、しばらく時間が経つと、どうしても日常に戻って防災対策が後回しになりがちです。災害はいつやってくるかわかりません。防災意識を忘れずに、まずは一歩踏み出すことから始めましょう。

画像2: 【経験者に聞く】防災グッズでいらなかったもの5選!本当に必要なものと備えるポイントを紹介!

最近は便利な防災グッズがたくさん出ているので、何を買えばいいのか悩みますよね…!ぜひこの記事を参考に防災リュックの中身を見直してみてください!

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