そこで今回は、洗濯機の掃除のやり方について、家事代行やハウスクリーニングのプロフェッショナルであるベアーズに詳しく聞きました。汚れる原因や、洗濯槽の掃除のコツも解説してもらいましたので、これを読めば、洗濯機を丸ごと掃除できるようになっているでしょう。洗濯機の掃除方法がよくわからないという人は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社ベアーズ
日常の掃除から、料理、買い物、洗濯、アイロンがけなど、家事全般のサービスを提供している。家事代行やハウスクリーニングのプロフェッショナル。
洗濯機が汚れる原因
洗濯機が汚れる原因は、大きく分けて4つあります。
1つ目は、カビです。洗濯したあと、洗濯機のフタを閉めたままにしておくと、内部に湿気がこもって、カビが発生しやすくなってしまいます。
また、脱いだ衣類を洗濯カゴではなく、そのまま洗濯機の中に入れることも、カビを発生させる原因に。1日着ていた衣類には、さまざまな汚れがついています。そのまま洗濯機の中に入れると、内部の湿気と合わさって、カビが発生しやすくなります。脱いだ衣類は、洗濯するまで洗濯機の中に入れず、カゴなどに入れておきましょう。
2つ目が、洗濯用洗剤の残り。洗濯用洗剤を多く入れすぎると、洗濯槽などに残ってしまうことがあり、カビの原因になります。
3つ目は衣類そのものの汚れやほこりです。特に、乾燥機付きの洗濯機はほこりが残りやすく、汚れの原因になります。
4つ目が、水道水に含まれるミネラル成分が固まってできる水垢です。
洗濯機がどれくらいの期間で汚れてしまうかは、洗濯後、洗濯機をきちんと乾燥させるかどうかによって変わります。乾燥機付き洗濯機の場合、洗濯するたびに乾燥機を使っていれば、カビは増えにくいでしょう。また、洗濯後に、洗濯機のフタを開けることもカビを抑えるのに有効です。一方で、フタを閉めっぱなしにしていると、カビが増えやすくなります。
目安として、1~2ヶ月に1回ほど洗濯機を掃除すると、カビの発生を防ぐのに役立つでしょう。洗濯後の洗濯槽は濡れているため、空気が乾燥しやすい冬場でもカビは発生します。そのため、季節に関わらず、1~2ヶ月に1回の頻度で掃除することをおすすめします。
洗剤で変わる! 洗濯槽の掃除のやり方
一般的な洗濯機の掃除のやり方は次のとおり。
まず、「洗濯槽洗浄」などのコースがある場合には、それを選びます。あとは、クリーナーに記載されている方法に従って投入し、スタートボタンを押せば、自動で洗濯槽の洗浄ができます。
ただし、洗濯槽クリーナーの種類や、ドラム式・縦型といった洗濯機の形状によって注意したいポイントが異なるため、それぞれの方法について詳しく解説します。
塩素系クリーナー
洗濯槽クリーナーとして一般的なものが、塩素系のものです。汚れを落とす効果が高く、短時間で掃除ができるメリットがあります。塩素系クリーナーはドラム式と縦型のどちらの洗濯機でも使うことができます。
使う際には、酸性タイプのものを混ぜないなど、決められた使用方法をしっかりと守りましょう。もし塩素系クリーナー特有のにおいが気になるという人は、洗濯槽の洗浄後に、もう一度「すすぎ」をするとよいでしょう。
酸素系クリーナー
酸素系クリーナーは、泡を発生させ、汚れを浮かして取ります。浮いた汚れをすくいとる必要があるため、掃除の途中で洗濯機のフタを開けることができる縦型の洗濯機に適しています。ドラム式や横型の洗濯機では使えないこともあるので、注意が必要です。
酸素系クリーナーは塩素系に比べて洗浄力が弱いため、あらかじめ半日程度つけおきをしたり、水ではなくお湯を使ってクリーナーの洗浄力を高めたりするのがよいでしょう。
最近は、ドラム式洗濯機でも使える酸素系クリーナーも販売されています。購入する際には、商品の表示をよく見て、自宅の洗濯機でも使えるかどうかを確認してください。
重曹
重曹を使って洗濯機を掃除するメリットは、まず、人や環境にやさしく、安全であること。重曹は料理に使われることもあり、万が一、衣類に付着しても安心です。また、重曹には高い消臭効果があることもメリットといえるでしょう。洗濯槽のカビのにおいが気になるときには、重曹を使うとにおいを抑える効果が期待できます。
一方で、重曹は水に溶けにくく、洗浄力が弱いという側面もあります。酸素系クリーナーと同様につけおきが必要なため、掃除に時間がかかる場合があります。重曹が十分に溶けきらないまま掃除をしてしまうと、排水ホースなどに詰まってしまうおそれがあるので注意しましょう。
また、ドラム式洗濯機の場合には重曹が使えない場合もあるため、事前に洗濯機の取扱説明書などをしっかりと確認することが大切です。
ドラム式と縦型でも掃除のやり方は変わる
洗濯槽を掃除するやり方として、ドラム式でも縦型の洗濯機でも、基本的に「洗濯槽洗浄」などのコースがあれば、それを選ぶという点は同じです。もし、そうしたコースがない場合は、標準のコースでも問題ありません。
気をつけたいのは、ドラム式の場合、酸素系クリーナーや重曹など使えない洗濯槽クリーナーがあるということ。ドラム式洗濯機で酸素系クリーナーや重曹を使いたい場合には事前に洗濯機の取扱説明書を確認した上で、専用のクリーナーを選ぶようにしましょう。
洗濯槽以外の掃除のやり方
基本的に、洗濯槽以外のパーツは分解して掃除することができます。それぞれのパーツを丁寧に外して、汚れが頑固なものになる前に、定期的にキレイにするように心がけましょう。それぞれのパーツの掃除方法は、次のとおりです。
洗剤・柔軟剤投入口
洗剤や柔軟剤の投入口は、もっとも汚れがたまりやすい箇所の一つ。気がついたら、ドロドロ、ヌメヌメになっていたという人もいるのではないでしょうか。2ヶ月に1回は、取り外して中性洗剤で洗いましょう。
洗い終わったら、しっかりと乾かしてから戻すことが大切です。完全に乾く前に戻してしまうと、水分がカビの発生を招くこともあります。
糸くずフィルター
排水時に出たごみや糸くずをためておく糸くずフィルターも、そのままにしておくと汚れがついて、目詰まりを起こしてしまいます。基本的には、洗濯のたびに掃除することが理想ですが、1~2週に1回などでも問題ありません。取り外して、中性洗剤をつけた歯ブラシなどでやさしくこすり洗いをしましょう。洗ったあとは、よく乾かし、洗濯機本体に取り付けてください。
洗濯機の下と防水パン
洗濯機の下は汚れがたまりやすいのですが、狭いため、掃除が困難な部分でもあります。そこでおすすめしたいのが、お掃除グッズの「ストッキングハンガー」。家にあるもので簡単に手作りでき、ストッキングの静電気でほこりを引き寄せて掃除ができる優れものです。穿けなくなったストッキングを再利用できる点が地球にもやさしくてよいですね。
〈ストッキングハンガーの作り方〉
【材料】
・針金ハンガー
・ストッキング(破れたものなど、使い古したものでOK)
【作り方】
(1)針金ハンガーのフックと下の部分を持って左右に引っ張り、ひし形になるよう形を整える。
(2)針金ハンガーにストッキングをかぶせる。
(3)ストッキングをピンと張り、余った部分はフックに巻きつけて留める。
防水パンも同様に、ほこりや髪の毛などがたまりやすいので、定期的に掃除するようにしてください。
ドラム式洗濯機の乾燥フィルター
ドラム式洗濯機の乾燥フィルターは、水洗いの前に、ほこりを取り除きましょう。その際、ストッキングなどを使うと、静電気でほこりを吸着できるのでおすすめです。
ほこりが固まっている場合には、しばらく水につけおきして、ほこりが柔らかくなったあとに、歯ブラシなどでやさしくこするとよいでしょう。洗濯機に戻す際には、しっかり乾燥させておくことが大切です。
ドラム式洗濯機のドアパッキン
見落としがちですが、ドラム式洗濯機のドアのパッキンには、ほこりなどの汚れがたまりやすいものです。洗濯が終わってすぐの濡れているタイミングで、固く絞ったぞうきんなどを使って取り除けば、ほこりが固着するのを防ぐことができます。乾燥機を使う場合は、乾燥が終わったタイミングも、ほこりがフワフワとして取り除きやすいのでおすすめです。
洗濯機をキレイに保つコツ
洗濯機をキレイに保つコツとしては、まず、日頃から洗濯機のフタを開けたままにすること。少なくとも、洗濯後の半日くらいは開けておきましょう。また、洗濯物は洗濯機に入れっぱなしにせず、洗濯するまで別のカゴに入れておくことも大切です。
乾燥機がついている場合や、洗濯槽を乾かす機能がある場合には、定期的に洗濯槽を乾燥させましょう。できれば、洗濯のたびに毎回乾燥させるのがおすすめ。1~2ヶ月に1回は、洗濯槽クリーナーを使って洗濯槽をキレイにするとよいでしょう。
洗濯機のフタを開けっぱなしにすることから始めよう
洗濯機の汚れは、日頃からこまめに掃除をすることで、ある程度防ぐことができます。汚れがひどくなるとプロに頼んで分解洗浄してもらう必要があり、時間もお金もかかってしまいます。
今回ご紹介したような簡単なポイントを押さえるだけで、洗濯機をキレイに保ちやすくなります。何から始めたらよいかわからないという人は、まず、洗濯機のフタを開けたままにしておくことから始めましょう。洗濯機がキレイになると、気持ちがいいものです。ぜひ、ライフスタイルに合わせて無理なく始めてみてください。
みかりん
1~2ヶ月に1回でも洗濯機の掃除は手間がかかるものだと感じてしまうので、洗濯後のちょっとした行動の積み重ねで洗濯機をキレイに保ちたいと思いました!!