暮らしに欠かせない洗濯機。必需品だからこそ、長年使っているうちに「洗濯機の寿命は何年?」と気になることもあるでしょう。そこで、洗濯機の寿命についてわかりやすく解説します。また、洗濯機の買い替え時期や、長持ちさせるための使い方のポイントも併せてご紹介します。
※この記事は2023年5月9日に公開した内容をアップデートしています。
洗濯機の寿命は約11年が目安
洗濯機の寿命はいったいどれくらいなのか、洗濯機の平均使用年数から考えてみましょう。国が毎年行っている「消費動向調査」によると、2023年4月から2024年3月の間に洗濯機を買い替えた世帯での洗濯機の平均使用年数は11年でした。買い替えの理由としてもっとも多いものが「故障」で、全体の約70%を占めています。このことから、実際の洗濯機の寿命としては11年前後が目安だといえるでしょう。
その一方で、洗濯機のメーカーが修理のための部品を在庫し、修理に対応してくれる期間は6~7年ほどであることが多いようです。つまり、この期間内であれば故障しても修理することが可能ですが、これを過ぎると修理そのものが難しくなります。ただし、修理用部品の保有期間はメーカーによって異なるため、あくまで目安として捉えておきましょう。
洗濯機の寿命が近いときの7つのサイン
洗濯機の寿命が近づいてくると、さまざまな兆候が表れます。こうしたサインを見逃さず、修理や買い替えなどを適切に行えるように注意を払いましょう。
①脱水・給水時にエラーが出る
正しい方法で洗濯しているのに脱水や給水のときに頻繁にエラーが出るようなら、洗濯機の寿命が迫っているかもしれません。エラーが出たときは、まず、洗濯物の入れすぎなど使用方法が間違っていないかを取扱説明書で確認しましょう。もし、取扱説明書に書いてあるとおりに洗濯してもエラーが消えないようなら、修理や買い替えといった対処が必要かもしれません。
②洗濯中に異音がする
洗濯機を使用している最中に、普段とは明らかに違う異音がした場合、何らかの問題があるかもしれません。まず考えられるのは、洗濯物のポケットなどから取り出し忘れたものを一緒に洗ってしまったというケースです。こうした異物が洗濯槽に当たって音が出ているようであれば、それを取り除けば問題は解決します。しかし、異音が出ている場所を特定できないなど、原因がわからない場合は洗濯機の寿命が近づいているサインかもしれません。取扱説明書に従い、修理や買い替えを検討するようにしましょう。
③水漏れする
洗濯機の水漏れの原因として考えられるのは水道の蛇口、給水・排水ホース、洗濯機本体です。水漏れしているときは、まず蛇口を閉め、洗濯機の運転を止めてコンセントを抜きましょう。蛇口が原因なら、水道工事店などに相談する必要があります。洗濯機の給水・排水ホースがうまく接続できていない場合には、もう一度きちんと接続するようにしましょう。もしホースが破れている場合は、修理業者などに依頼して新品のホースに交換する必要があります。
万が一、洗濯機本体から水が漏れている場合や、水漏れ箇所を特定できない場合などは、修理業者やメーカーに相談することをおすすめします。本体に問題があって水漏れしているとすれば、洗濯機の寿命が近づいているかもしれません。くれぐれも自分で修理しようとせず、取扱説明書に従って専門の修理業者やメーカーに連絡しましょう。
④プラグやコードが発熱する
洗濯機のプラグやコードが発熱している場合、放っておくと火災につながるリスクもあり、危険です。すぐに使用を控え、プラグを抜きましょう。このような場合は、プラグやコードだけでなく洗濯機そのものに異常が起きている可能性も考えられます。取扱説明書に従って修理業者やメーカーに連絡し、どのような対処が必要なのか判断してもらうとよいでしょう。
⑤乾燥が十分にできない
乾燥機能付きの洗濯機の場合、乾燥フィルターにホコリや糸くずなどがついたままになっていると、衣服を十分に乾かせないことがあります。そのため、多くのメーカーは乾燥運転をするたびに乾燥フィルターをお手入れすることを推奨しています。また、衣類の入れすぎも乾燥が不十分になる原因の一つです。
使用方法を正しく守り、こまめにお手入れを行っても衣類の乾燥が不十分だと感じるときは、洗濯機の点検や修理が必要かもしれません。取扱説明書を確認したうえで、修理業者やメーカーに連絡するようにしましょう
⑥脱水ができない
洗濯機が脱水できない原因には、洗濯物の偏りや排水ホースの詰まりなど、比較的簡単な場合と、洗濯機の故障が原因で脱水できない場合があります。
簡単な原因で脱水できない場合は、洗濯物を均等に配置したり、排水ホースを掃除したりすることで改善する可能性があります。しかし、洗濯機の故障が原因の場合は、脱水を担う部品の摩耗や破損、排水ポンプの故障などが考えられるので、部品の交換や修理が必要になります。早めに原因を特定し、適切な対処をすることが大切です。
⑦電源が入らない
洗濯機の電源が入らない場合、まずはコンセントが正しく差し込まれているか、ブレーカーが落ちていないか、またコードの破損や容量不足の可能性はないかなど、電源周りの問題を確認しましょう。
これらの問題がない場合は、洗濯機の電源スイッチやスタートボタンが故障しているか、洗濯機の内部部品の故障が原因で電源が入らない場合が考えられます。基板や電源ユニットなどの重要な部品が故障すると、洗濯機全体に電力が供給されなくなり、電源が入らなくなります。
洗濯機の電源が入らない場合は、自分で無理に操作せず、安全のために電源プラグを抜いて、専門業者に相談するのがおすすめです。
寿命ではないが対処が必要なときのサイン
故障ではなくても、次のようなサインを放っておくと、洗濯機の寿命を早めてしまうかもしれません。次のような兆候がみられたときは、必要な対処を行い、洗濯機を安全に使い続けることができるように心がけましょう。
①給水が遅い
洗濯機への給水が遅い場合、給水フィルターが詰まっている可能性が考えられます。取扱説明書をよく読み、フィルターを掃除すれば、詰まりの原因を取り除くことができるでしょう。
②脱水時だけ異音がする
脱水中に異音がする場合、洗濯物が偏っていたり、洗濯機そのものが傾いたりしている可能性があります。大きな洗濯物を入れると、その重さによって洗濯機が傾くこともあります。布団やカーペットなどを洗いたいときには、大型の洗濯物を洗えるコインランドリーを使うなど工夫するとよいでしょう。
③給水ホース・排水口から水漏れする
給水・排水ホースがしっかりと接続できていないと、水漏れにつながってしまいます。洗濯機を長年使っていると、脱水の際の振動などによって接続が緩んでしまうこともあります。水漏れを起こさないためにも、こうした接続部分をときどき確認するとよいでしょう。
また、排水口から水が逆流している場合、もっとも多い理由が排水管の詰まりです。排水管が詰まったときには、市販の洗浄剤などを使って掃除することをおすすめします。
洗濯機を長持ちさせる6つの方法
洗濯機は家電製品の中でも高価なものの一つです。頻繁に買い替えることは避けたいと思う人も多いでしょう。普段から取扱説明書に書かれた使用方法を守り、洗濯機を長持ちさせるように気をつけましょう。
①洗濯物は規定量内に収める
洗濯物の詰め込みすぎは、故障の原因の一つです。取扱説明書に記載された洗濯物の量を守り、量が多くて一度では洗いきれないときには2回に分けるなど工夫するようにしましょう。
②洗剤は適量を使う
洗剤を入れる量が多いほど、汚れがきれいに落ちると考えていませんか? 実は、洗剤の入れすぎは、逆に洗濯物や洗濯機にダメージを与えるリスクがあります。洗剤が多すぎて溶け切らず、洗濯槽の中に残ってしまうと、カビや雑菌が繁殖する原因になります。また、衣類の色落ちや傷みにつながってしまうおそれもあります。洗剤の容器などを参考にして、適量を入れるようにしましょう。
③定期的にメンテナンスをする
洗濯機を長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが欠かせません。洗濯のたびに、糸くずフィルターに残ったゴミを捨てることを習慣にしましょう。また、乾燥機能付き洗濯機では、乾燥運転のたびに乾燥フィルターにたまったゴミを取り除くとよいでしょう。
また、洗濯槽のすき間や洗剤の投入口なども汚れたら柔らかい布などで拭き、洗濯機自体を清潔な状態に保つようにしましょう。1ヶ月に1回など、定期的に市販の洗濯槽洗剤を使って槽洗浄を行うのもおすすめです。
④洗濯が完了した後に元栓を閉める
洗濯機の蛇口の元栓を閉めることで、洗濯機への負担を軽減し、水漏れのリスクを減らすことができます。給水ホースは、常に水圧がかかっている状態です。長期間の使用によりホースが劣化し、水漏れにつながる可能性があるため、洗濯後に元栓を閉めるひと手間を加えることで、ホースにかかる水圧を軽減し、劣化を遅らせることができます。また、万が一ホースが破損した場合でも、元栓を閉めていれば、被害を最小限に抑えることができます。
⑤なるべく雨風に当たらないようにする
洗濯機を雨風にさらすと、本体の劣化や故障の原因になります。特に、電気系統の部品は湿気に弱く、雨水に濡れるとショートや漏電の危険性があります。また、金属部分は錆びやすく、プラスチック部分は紫外線により劣化しやすくなるため、なるべく雨や風に当たらない場所に設置することが大切です。屋根のある場所に設置したり、カバーをかけたりなどの対策を心がけましょう。
⑥洗濯物のポケットは必ず空にしておく
洗濯物のポケットに物を入れたまま洗濯すると、洗濯機や衣類のトラブルに繋がることがあります。ティッシュや紙類は洗濯槽や排水ホースを詰まらせ、故障の原因になります。硬貨や鍵などの硬い物は、洗濯槽を傷つけたり、他の衣類を破損させたりする可能性があります。また、スマートフォンや電子機器を誤って洗濯してしまうと、水没による故障だけでなく、発火の危険性もあるため注意が必要です。
洗濯機が寿命を迎えたときの4つの処分方法
洗濯機が寿命を迎え買い替えるときに、洗濯機の処分に悩む人も多いことでしょう。洗濯機は家電リサイクル法によってリサイクルが定められており、適切に処分しなければなりません。ここでは4つの処分方法をご紹介します。
①購入した店に引き取ってもらう
処分する洗濯機を買った家電量販店に連絡して、引き取りを依頼することができます。引き取りの際には、リサイクル料金と収集運搬料金が発生します。
購入したお店がどこだったかわからない場合は、自治体の定める方法に従って処分する必要があります。処分の方法は自治体によって異なるため、自治体のホームページなどで確認するとよいでしょう。
②買い替え先へ下取りに出す
新しい洗濯機を購入するときは、買い替え先の家電量販店に洗濯機を引き取ってもらうこともできます。この場合も前述のとおり、リサイクル料金と収集運搬料金が発生するため、事前に確認しておくのがよいでしょう。
③リサイクルショップに依頼する
洗濯機が問題なく使えるようであれば、リサイクルショップに買い取ってもらうこともできます。ちょっとした収入を得られるので、得をした気分になれるかもしれません。
④家電製品協会指定の引取場所に持ち込む
洗濯機を処分するときは、一般財団法人 家電製品協会が定める全国各地の指定引取場所に持ち込むこともできます。家電製品協会とは家電製品のリサイクルに取り組む団体で、家電リサイクル券の発行主体です。指定引取場所は家電製品協会のホームページから確認することができます。持ち込みにあたってはリサイクル券が必要ですが、郵便局などで買うことができます。
洗濯機を買い替えるときの選び方2つ
洗濯機を買い替えるときには、どのようなポイントをチェックしたらよいのでしょうか。大きな買い物である洗濯機選びで失敗しないために、次のようなポイントを参考にしてみてください。
①洗濯機のタイプから選ぶ
洗濯機のタイプには、ドラム式、タテ型、二層式などがあります。事前に自宅の洗濯機を設置する洗濯バンの寸法を測っておき、どのようなタイプの洗濯機を置くことができるのかを確認しておきましょう。
②機能から選ぶ
洗濯機の機能は年々充実しており、乾燥機能だけでなく、洗剤・柔軟剤の自動投入機能が付随しているタイプも登場しています。また、節水タイプや衣類以外の靴やぬいぐるみなども洗えるタイプもあります。ライフスタイルに合わせて、使いたい機能がある洗濯機を選ぶのがよいでしょう。
まとめ:洗濯機の寿命は11年が目安!詳しくは各メーカーの案内を確認しよう
洗濯機の寿命の目安として、多くの人が買い替えを行う平均使用年数は約11年であることがわかりました。その背景には、メーカーが修理用の部品を保有する期間は6~7年であることが多いため、この期間を過ぎると修理が難しくなることがあるようです。洗濯機の買い替えのサインや長持ちさせる使い方を知ったうえで、適切なタイミングで修理や買い替えを行うように心がけましょう。
よしおちゃん
洗濯機はついつい長い期間使ってしまいがちですよね、、、。ちょっとした異変を感じた方、買い替え時かもしれませんよ?