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家電製品に付いている「アース線」。付け方がわからず困った人も多いことでしょう。そもそも「アース線とは何なのか詳しく知らない」「アース線って必要なの?」という人もいるかもしれません。そこで、アース線とは何かについてわかりやすく解説します。アース線の付け方や、付ける場所がないときの対処法も説明するため、読めばきっとアース線について深く理解することができるでしょう。

アース線とは家電から漏れた電流を地面に流すための線

画像1: アース線とは家電から漏れた電流を地面に流すための線

アース線とは、家電製品から漏れ出た電気を地面に逃がすための線のことです。

画像2: アース線とは家電から漏れた電流を地面に流すための線

本来、電気が流れるべきではないところに電気が漏れ出てしまうことを「漏電」といいます。漏電は感電につながるおそれがあり、非常に危険です。アース線は、漏電した電気を地面に逃がし、感電事故を防ぐ重要な役割を担っています。

アース線のある家電製品としては、水回りや湿気の多いところで使う冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、食器洗い機のほか、エアコン、電気温水器などがあります。

アース線の役割は漏電による感電事故や火災事故を防ぐこと

画像: iStock.com/Davidscar

iStock.com/Davidscar

家電製品は本来、あらかじめ電気が流れる配線などが決められていますが、故障など何らかの理由で、電気が流れるべきではないところに電気が漏れてしまうことがあります。万が一、漏電した場合にアース線が取り付けられていなければ、知らずに家電に触れた人が感電する事故につながるおそれがあります。また、漏電により発生した火花(スパーク)がホコリや可燃物に触れると、そこから発火して火災が起こることもあります。

しかし、アース線が適切に取り付けられていれば、漏電した電気を地面に逃がすことができるため、感電事故や火災事故を防ぐことができるでしょう。家電製品は水や湿気に弱いため、キッチンや洗面所などで使う冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機などには安全のためにアース線が付いているのです。

アース線の2種類の取り付け方

画像: アース線の2種類の取り付け方

家電製品を購入したときなどに、アース線の取り付け方に迷った経験があるという人も多いことでしょう。アース線の取り付け方には、大きく分けて次の2種類があります。

①ネジタイプ

まず、コンセントのアース線の差し込み口を確認します。「アース」などと書かれたカバーを指で開いて、内部にネジが見えればネジタイプです。プラスドライバーを準備しておきましょう。ネジタイプの場合のアース線の取り付け手順は次のとおりです。

1.感電防止のために家電製品のプラグをすべて抜く

はじめに、感電事故を予防するために家電製品のプラグを抜いておきましょう。

2.アース線の銅線部分を曲げて「J」を逆さにした形状にする

画像1: ①ネジタイプ

次に、家電製品から伸びているアース線の先端の金属部分を曲げます。これは、コンセント内部のネジに引っかけやすくするためなので、「J」を逆さにした形などにするとよいでしょう。

3.コンセント側のアース線についているネジを少し緩める

今度は、コンセント内部のネジを、プラスドライバーを使って少しだけ緩めます。2で曲げたアース線を引っかけられる程度に緩めればOK。ネジを外してしまわないようにしましょう。

4.銅線部分を曲げたアース線を緩めたネジの部分にかける

画像2: ①ネジタイプ

緩めたネジに、曲げたアース線を引っかけます。途中でアース線が落ちないように、しっかりとかけておきましょう。

5.アース線を押さえるようにネジを締める

4でネジに引っかけたアース線を、ネジを締めて固定します。アース線が落ちたり取れたりしないように固定できれば完了です。

画像3: ①ネジタイプ

②ワンタッチタイプ

ワンタッチタイプのアース線には、コンセントのアース線の差し込み口にもともと穴が空いています。ワンタッチタイプの場合には、取り付けのためのドライバーなどは必要ありません。

1.感電防止のために家電製品のプラグを抜く

ネジタイプと同様に、感電を防止するために家電製品のプラグをコンセントから抜いておきます。

2.アース線を差し込み口に差し込む

画像: ②ワンタッチタイプ

アース線の先端の近傍部分を、コンセントのアース線の差し込み口に奥までしっかりと差し込みます。強く押し込む必要はありませんが、奥まで差し込むようにしましょう。穴は2つありますが、どちらに差しても問題ありません。

アース線を取り付けるのを禁止されている場所がある

画像1: iStock.com/CHENG FENG CHIANG

iStock.com/CHENG FENG CHIANG

住宅の中でアース線を取り付けてよいのは、前述のコンセントのアース線差し込み口だけに限定されています。コンセントにアース線の差し込み口がないからといって、別の接続口にアース線を取り付けることは法令で禁止されているのです。例えば、電話機やインターネット用のコンセント、ガス管、水道管、避雷針などにアース線を取り付けることはできません。

アース線設備が不十分な場合にできる4つの対処法

もし、アース線を取り付けたいのにコンセントにアース線の差し込み口がない場合には、次のような対処法を試してみましょう。

①アース線が短い場合は延長する

画像: iStock.com/Toru Kimura

iStock.com/Toru Kimura

家電製品のアース線の長さが足りず、コンセントまで届かない場合は、アース線そのものを長いものに取り替えることができます。長いアース線は、家電製品を買った店舗やホームセンター、家電量販店、ネット通販などで購入することができます。その際には、家電製品に適した種類のアース線を選ぶように注意しましょう。

家電製品にもともと付属しているアース線を取り外すときは、取扱説明書やメーカーのWEBサイトなどを確認します。一般的な方法としては、まず、家電本体のアース線の接続部分のネジを緩めて、もともと付いているアース線を取り外します。次に、長いアース線の先端の金属部分をネジに巻き付け、ネジを締めます。アース線の先端部分が輪の形状になっている場合は、穴にネジを通して取り付けます。

参考:https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/range/q_a/a29.html

②差し込み口が足りない場合は複数のアース線を1箇所につなげる

画像: iStock.com/Torsakarin

iStock.com/Torsakarin

通常、アース線の差し込み口は一つのコンセントに一箇所です。複数の家電製品のアース線をつなげたい場合には、一つの差し込み口に複数のアース線を取り付けることが可能です。例えば、冷蔵庫と電子レンジのアース線を同じ差し込み口に接続することもできるのです。

参考:https://faq-toshiba-lifestyle.dga.jp/answer.html?id=1109

③アース線端子がないときは新たに設置するかプラグ型漏電遮断器を使う

画像: iStock.com/BanksPhotos

iStock.com/BanksPhotos

壁のコンセント側にアース線の差し込み口がない場合には、電気工事店に依頼してコンセントそのものを交換してもらう必要があります。コンセントを交換するには、専門の資格が必要なため、決して自分で交換しないようにしましょう。賃貸住宅に住んでいる場合は、まず管理会社に相談するのがよいでしょう。

感電事故のリスクを低減したい場合には、市販のプラグ形漏電遮断器を使うこともできます。プラグ形漏電遮断器とは、コンセントと家電製品のプラグの間に差し込んで使うもので、家電製品の漏電を検知すると電気を遮断する機能をもつため、漏電による感電事故を防ぐのに役立ちます。

参考:https://www.uriba.jp/special/biribiri_detail.htm

④どうしてもアース線を接続できない場合はビニールテープで絶縁する

アース線をどうしてもコンセントに接続できない場合には、アース線の金属部分がほかのモノに触れないように、市販の絶縁用ビニールテープで覆って絶縁し、コード部分などに巻き付けておくことをお勧めします。

参考:https://www.iodata.jp/support/qanda/answer/s30883.htm

まとめ:アース線を正しく使い、安全に家電を使おう

画像2: iStock.com/CHENG FENG CHIANG

iStock.com/CHENG FENG CHIANG

アース線には、万が一、漏電した際に感電事故のリスクを減らすという重要な役割があるとわかりました。これまでアース線の付け方がわからなかったという人も、この記事を参考にして取り付けるようにしてみてください。家電製品のアース線を正しく取り付け、安全に使用できるように心がけましょう。

画像: アース線とは何?必要な理由や付け方、付ける場所がないときの対処法を解説

さっさん

アース線の存在は知っていても、必要な理由や取り付け方まではあまり知らなかった!という方も多いのではないでしょうか?ぜひ記事を参考に、家の家電のアース線が正しく取り付けられているか、チェックしてみてはどうでしょうか?

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