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「リユース」という言葉の意味を何となく理解しているつもりでも、実際のところ詳しく知らない人もいるのではないでしょうか。そこで、リユースの意味やメリット・デメリットについて、具体例を示しながらわかりやすく解説します。似た言葉であるリサイクルとの違いについても説明するので、リユースについての理解をぐっと深めることができるでしょう。

※この記事は2023年2月14日に公開した内容をアップデートしています。

リユースとは使用済みの製品を再利用すること

画像: iStock.com/OKrasyuk

iStock.com/OKrasyuk

リユースとは、使い終わったモノを捨てずに繰り返し使うことを意味します。もともと“Reuse”という英単語は「再利用する」という意味をもっています。

使用済みのモノを捨てずに使うため、リユースすることでゴミの発生を抑えることができます。自分にとっては不要になったモノでも、状態や品質に問題がなければ、必要としている人の手に渡ることでもう一度役立つこともあるでしょう。限りある資源を有効活用するために、リユースという方法が今、大きく注目されているのです。

リサイクルとの違いは再利用するか資源に戻すか

画像: リサイクルとの違いは再利用するか資源に戻すか

リユースと似た言葉にリサイクルがあります。リサイクルとは、使い終わったモノを資源に戻し、再利用することです。例えば、使用済みのアルミ缶をアルミという素材に戻し、もう一度アルミ缶に作りかえることなどが、リサイクルに当たります。そのため、リサイクルのことを「再資源化」と呼ぶこともあります。

このように、リユースが使用済みのモノをそのまま使うことを意味するのに対して、リサイクルは資源化というプロセスを経ることに大きな違いがあります。

リユースの具体例5選

実際にリユースにはどういったものがあるのか、5つの具体例を説明します。中には、リユースだとは気づかずに、すでに日常で行っていたものもあるかもしれません。リユースは、意外にも私たちの暮らしに身近なアクションだということがわかるでしょう。

①お下がりや古着を積極的に使う

画像: iStock.com/bgwalker

iStock.com/bgwalker

着なくなった衣服を家族や友人などにあげる、いわゆる「お下がり」もリユースの一つです。兄や姉が着ていた服を弟や妹がもう一度着るというケースは多いのではないでしょうか。こうして服を繰り返し着続けることで、新しい服を買うコストも節約することができます。

衣服のほかにも、おもちゃや机などの家具、ベビーカーなども「お下がり」されることが多いでしょう。「お下がり」は、日本で昔から行われてきたリユースだといえます。

また、衣料品のリユースショップなどで古着を買うこともリユースの一つです。広い目で見れば、資源を使って新しい服を作るより、すでに市場にある古着をリユースすることで資源の利用を節約することができます。

②シャンプーや洗剤は詰め替え用を使う

画像: iStock.com/Sergey Kirsanov

iStock.com/Sergey Kirsanov

日頃からシャンプーや洗剤などは詰め替え用を購入しているという人も多いことでしょう。これも、同じボトルを使い続けるという意味でリユースにつながります。新しくボトルから買い替えるとプラスチックの消費量が増えてしまいますが、詰め替え用などを利用することでプラスチック消費量を抑えることができます。

③リターナブル瓶製品を使う

画像: iStock.com/artisteer

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飲料などを買うときには、リターナブル瓶などの容器のものを選ぶことでリユースに取り組むことができます。リターナブル瓶とは、使い終わった瓶を回収、洗浄して繰り返し使うことができる瓶のことです。ビール瓶の中には、こうしたリターナブル瓶を使用しているものもあります。

自治体や小売店などによっては、リターナブル瓶の回収を行っているところもあります。こうした回収に協力することで、リユースを促進することができるでしょう。リターナブル瓶を回収に持ち込む際には、きれいに洗って持っていくなど、回収ルールに従うように気をつけましょう。

④リユース家電を利用する

画像1: iStock.com/Liudmila Chernetska

iStock.com/Liudmila Chernetska

中古の家電を買うこともリユースの一つ。リサイクルショップなどでは中古の家電が販売されているケースもあり、通常より安い価格で購入できる場合もあるでしょう。引っ越しなどの費用を抑えたいときにも、中古の家電を選ぶことは有効な方法です。

⑤フリーマーケットやフリマアプリを活用する

画像: iStock.com/Cavan Images

iStock.com/Cavan Images

最近は、フリーマーケットやフリマアプリでさまざまな中古品が販売されることも増えてきました。衣料品や家電など、多くの中古品が取引されていて、利用したことがあるという人も多いのではないでしょうか。購入するだけでなく自分が出品することでもリユースに取り組むことができます。自分では使わなくなったものでも、それを必要としている誰かがいるかもしれません。

こうしたフリーマーケットやフリマアプリを利用すれば、必要なものが安く買える場合も多いので、家計に役立つこともあるでしょう。

リユースが必要とされている3つの理由

近年は、リユースに関するサービスが増えてきています。フリーマーケットやフリマアプリが普及し、リユースを身近に感じている人もいることでしょう。なぜ今、このようにリユースが必要とされているのでしょうか。その背景について主な理由を3つ解説します。

①資源が減少している

画像: iStock.com/Enis Aksoy

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まず、さまざまな製品の原料として使われる石油の資源量が減っているということが挙げられます。石油は、プラスチックの原料など、幅広い用途に使われています。しかし、石油という資源には限りがあり、今後約50年で石油が枯渇してしまうのではないかと懸念されているのです。

その一方で、世界では人口の増加や経済発展などによって石油の消費量は増える傾向にあります。そのため、リユースなどの取組みによって限りある資源を大切に活用することが大切なのです。

②温室効果ガスが増加している

画像: iStock.com/TheCrimsonMonkey

iStock.com/TheCrimsonMonkey

私たちが捨てたゴミは、最終的には自治体によって焼却処分されています。ゴミを燃やすときには、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素(CO2)が発生します。そのため、大量のゴミを出し続けると、CO2が増加して地球温暖化を進めてしまうことが懸念されます。

地球温暖化がさらに進めば、環境や私たちの暮らしに悪影響を及ぼすと懸念されているため、温暖化対策としてリユースなどに取り組むことが必要とされています。

③使える埋め立て処分場が減っている

画像: iStock.com/zepp1969

iStock.com/zepp1969

不要になったモノをリユースやリサイクルすればもう一度役に立ちますが、捨てられてしまったモノは、焼却・破砕された後、最終的には埋め立て処分されます。しかし、国内で埋め立て処分場として使える土地には限りがあります。環境省が発表した「令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」によれば、2022年末時点で最終処分場はあと約23年で満杯になってしまうとされているのです。

これまでの大量生産・大量消費による経済のあり方によって、廃棄物の量も増加しています。こうした事態を避けるためにも、リユースなどによってゴミを減らす重要性が高まっているのです。

参考:令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書

リユースのメリット3選

さまざまな背景から必要性が高まっているリユースですが、私たちにとってどのようなメリットが考えられるのでしょうか。消費者にとってのメリットに加えて、企業におけるリユースのメリットについても解説します。

①運搬や再生にかかるコストをカットできる

画像: iStock.com/Petmal

iStock.com/Petmal

使い終わったモノをリサイクルする場合には、再資源化というプロセスが発生することは前述した通りです。再資源化するためには、モノをトラックなどで運搬したり、素材別に分別したり、資源として使うために加工したりしなければなりません。当然ながら、それにはコストも発生します。

その一方で、リユースであればこうしたプロセスがいらないため、大きなコストが発生することもありません。リサイクルで運搬や再生のためにかかる費用を抑えることができるのが、リユースのメリットの一つです。

なお、資源を大切にする取組みである3Rには優先順位が定められています。2000年に制定された「循環型社会形成推進基本法」という法律では、3Rの優先順位をリデュース、リユース、リサイクルの順番としています。つまり、生産の段階でごみを減らすリデュースに取り組んだうえで、消費の段階でリユース、不要になったあとはリサイクルを行うということです。この優先順位で取り組むことによって、資源の消費を抑え、環境への負担を減らすのに役立つとされています。

②過剰な生産や消費を抑制できる

画像: iStock.com/chaofann

iStock.com/chaofann

リユースというアクションが広く普及してモノを長く大切に使うようになると、新しく生産する量を抑えることができます。新たにモノを生産するには、たくさんの資源を必要とします。過剰な生産を抑制できれば、全体として資源の節約につながるでしょう。

③商品を安く購入できる

画像: iStock.com/oatawa

iStock.com/oatawa

消費者にとってリユースの大きなメリットは、ほしいモノを安く手に入れることができるという点です。中古品を販売するショップやフリマアプリなどでは、新品よりも安い価格で販売されていることもあります。お買い物の際には、状態や品質に問題ない範囲で中古品を検討すると、家計にとってもメリットが生まれるかもしれません。

リユースのデメリット2選

たくさんのメリットがあるリユースですが、その一方でデメリットがあることも押さえておきましょう。リユースに取り組む際には、メリットとデメリットの双方を知っておくことが大切です。

①新商品の生産が減り経済が停滞する可能性がある

画像2: iStock.com/Liudmila Chernetska

iStock.com/Liudmila Chernetska

リユースする文化が広く定着すると、新品を買い求める人が減ることも考えられます。そうなると、新製品を作る企業にとっては、生産が減少してしまうことになるでしょう。こうした影響によって、経済の活気が停滞してしまう可能性も懸念されています。

その一方で、リユースに役立つ修理サービスを始めるなど、企業にとっては、リユースの普及を新たなビジネスや市場を開拓するチャンスと捉えることもできます。使用済みの商品を回収するサービスや、商品のデザインそのものを長く使えるようなものに変更するなど、リユースを踏まえた新たな取組みを始めることで、企業の競争優位性の源泉となることもあるでしょう。

②修理費用が新品の購入費用と変わらない場合がある

画像: iStock.com/takasuu

iStock.com/takasuu

家計にとっての影響を考えると、リユースが必ずしもお得な場合ばかりだとは限らないため、注意が必要です。というのも、商品によっては、修理に高額のコストがかかることがあるためです。リユースするのか、新品に買い替えるのか判断するときには、必要なコストなどを考慮しながら検討するとよいでしょう。

まとめ:リユースは個人でも実践しやすい環境運動

画像: iStock.com/Elena Nechaeva

iStock.com/Elena Nechaeva

お下がりや詰め替えなど、すでに身近な取組みになっているリユース。地球温暖化や埋め立て処分場といった課題を受け、関心が高まっています。近頃は、フリマアプリなど個人でリユースの取組みを始めるハードルも下がってきているので、ライフスタイルに合わせてリユースに取り組み、お得でエコな暮らしを実践してみましょう。

画像: リユースとは?リサイクルとの違いや具体例、メリット・デメリットも解説

みなぱん

私は三姉妹で昔からお下がりを活用したり、最近はフリマアプリをよく使ったりしているので、知らず知らずのうちに日常から「リユース」を実践していたことに気づきました!これからは、リターナブル瓶製品を使うなど、「リユース」を意識した取組みも+αで実践していきたいと思います!

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