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夏の到来とともに、毎年のようにやってくる台風。最近では2024年8月〜9月に九州・四国地方に上陸した台風10号によって、各地に甚大な被害が出たことを記憶されている方も多いでしょう。

台風による被害を抑えるためには、事前の対策が重要です。とはいえ「わかってはいるけれど、事前の対策にまで手が回っていない」という方が多いのではないでしょうか。

ここでは、普段から行っておきたい準備や、台風の接近前に自宅でできる対策をご紹介します。これを機に、台風への備えや心構えを見直してみてはいかがでしょうか。もちろん、接近前に対策をされる際は、雨や風の状況や安全に十分注意しながら行うようにしてください。この記事を読んで対策を実行に移せば、台風が近づいてきても、きっと慌てることなく備えられるようになるはずです。

※この記事は2022年7月5日に公開した内容をアップデートしています。

台風による災害は「風害」と「水害」の2つ

画像: iStock.com/wsfurlan

iStock.com/wsfurlan

まず、台風によってもたらされる災害には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。台風による災害の例として、「風害」「水害」が挙げられます。
参考:気象庁

風害|強風や暴風による災害

画像: 風害|強風や暴風による災害

風害とは、強風や暴風による災害のことです。風が強くなると、物が飛ばされるだけでなく、人が歩いたり立っていたりするのも難しい状況になることがあります。

特に、台風の進行方向の右側では、台風自身の風と台風を移動させる周囲の風が同じ方向に吹くため、風がより強くなるとされています。また、台風の風は地形の影響を強く受け、入り江や海峡、岬、谷筋、山の尾根などでも強く吹くことがあるため、十分な注意が必要です。
参考:気象庁
参考:気象庁

水害|浸水や洪水による災害

画像: iStock.com/hichako

iStock.com/hichako

続いて、水害とは、雨による浸水や洪水といった被害を指します。近年は大規模な河川の治水事業が進んでいるため、以前と比べて、河川の氾濫は減っているとされています。しかし、同時に、都市開発も進んでいることから、雨水を一時的に蓄えておく保水機能が低下している場合もあり、都市部での水害が増加傾向にあることも指摘されているのです。

さらに、こうした風害や水害が組み合わさることで、さまざまな災害を引き起こすこともあります。例えば、台風の強い風に伴う高波や高潮などです。

2018年の台風21号が兵庫県神戸市に上陸し、近畿地方を縦断するように進んだ際には、大阪の潮位が急上昇し、警報基準を大きく超える過去最高の潮位が観測されました。
参考:気象庁
参考:気象庁
参考:気象庁

台風被害を防ぐのに必要なものは? 普段からできる対策4選

画像: iStock.com/Amit Vashisht

iStock.com/Amit Vashisht

では、普段から行っておきたい台風対策を4つご紹介します。台風から大切な人や自宅を守るためにも、前もって対策に取り組みましょう。

①非常用品を用意する

画像: iStock.com/LifestyleVisuals

iStock.com/LifestyleVisuals

台風対策と聞いて多くの人がイメージするのが、日頃から非常用品を揃えておくことでしょう。非常用品としては、一般的に以下のようなものが挙げられます。

● 懐中電灯や予備電池
● 着替え、タオル
● ライター、マッチ
● 救急セット
● 携帯ラジオ
● 貴重品
● 非常食
● 飲料水

こうした非常用品を人数分用意し、非常時にすぐに持ち出せるようにしておきましょう。避難するときは両手が使える状態が望ましいため、リュックサックなどにまとめて詰めておくと安心です。

ここで挙げた非常用品はあくまでも一例です。例えば、赤ちゃんのいるご家庭では、このほかにミルク・紙おむつ・ほ乳びんなども準備しておく必要があります。

②家の外を掃除しておく

画像: iStock.com/YesKatja

iStock.com/YesKatja

雨や風が強くなる前にやっておきたいのが、家の外の掃除です。家の周りの側溝や排水溝にものが溜まっていると、大雨が降った際に流れにくくなり、水が溢れてしまう危険性があります。

そのため、台風が接近する前に側溝や排水溝に溜まった落ち葉やゴミなどを取り除き、水はけをよくしておきましょう。

また、台風が近づくと風も強くなります。そうなる前に、家の周りに飛ばされやすそうなものがないかチェックして、飛ばされてしまいそうなものは、あらかじめ片付けたり、固定したりしておくのも有効な対策だといえます。植木鉢など、普段は飛ばされることがないと思われるようなものも片付けておくと万全です。
参考:宮古島地方気象台

③非常時の対応について家族や近所の人と話し合う

iStock.com/Elena Lukyanova

非常時の避難場所はもちろん、連絡手段などコミュニケーションの方法をあらかじめ決めておくのも、大切な対策だといえます。家族や近所の人などと話し合う機会を設け、お互いに確認しておくようにしましょう。

また、災害時にはスマートフォンや携帯電話の電波がつながりにくくなることがあります。このような災害時には、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズが「災害用伝言ダイヤル」という声の伝言板のようなものを開設します。直接連絡がとれないときはこうしたサービスを利用するな ど、家族や近所の人と事前に決めておくと安否確認に役立ちます。

④ハザードマップを確認しておく

画像: ④ハザードマップを確認しておく

ハザードマップとは、自然災害によって想定される被害の程度や被害範囲を地図上にわかりやすく示したものです。ハザードマップを見れば、洪水や土砂災害、高潮、津波、地震といった自然災害や、それに伴う通行規制などの道路防災情報について、住んでいる地域にどれくらいの影響が想定されるのかを把握することができます。

例えば、洪水のハザードマップでは、河川が氾濫した場合などに予想される浸水の深さが、地図上で色分けして示されます。また、地震のハザードマップでは、震源地や地震の強さを仮定したうえで、どの地域でどれくらいの震度が想定されるかなどを地図上で確認することができます。

こうしたハザードマップは、市区町村など地方公共団体の役所やWebで入手できるほか、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」でも簡単に確認することができます。

台風がやってくる 前にハザードマップを入手し、避難所までのルートなどを家族で話し合っておくことをお勧めします。

台風が接近しているときは何をする? 家でできる3つの対策

台風が接近して雨や風が強くなってくると、家の外で対策を行うのは危険です。室内でもできる対策に取り組み、安全に過ごすよう心がけましょう。

①ニュースをチェックする

画像: iStock.com/PhotoTalk

iStock.com/PhotoTalk

まず、テレビやラジオ、Webなどで気象情報をこまめにチェックするようにしましょう。台風の接近や雨風による重大な被害が予想されるときには、気象庁が「台風情報」や「警報・注意報」を発表します。

台風が接近している非常時には、最新の情報を入手することが何よりも大切です。こうした情報をこまめに確認し、必要に応じて避難するなどの判断を行うようにしましょう。

②窓や床への補強、飛ばされる危険のあるものを固定する

画像: iStock.com/AnnekeDeBlok

iStock.com/AnnekeDeBlok

台風が近づいて風が強くなると、ものが飛ばされて窓にあたり、窓ガラスが割れてしまうことも想像されます。そこで、窓ガラスを段ボールとガムテープなどで覆い、割れたガラスの飛散を抑えるようにするとよいでしょう。

ただし、これはあくまでガラスが室内に飛び散ることを防ぐのが目的です。窓そのものの強度を上げる効果は期待できないのでご注意ください。

また、自宅の場所によっては浸水の被害が起こる可能性も想定されます。そこで、被害を最小限に抑えるためには、家電製品などを高い場所に移動したり、家財道具を上層階に移したりすることも有効だと考えられます。

③不用な外出は控える

iStock.com/emma

台風が接近してきたら、基本的には家の中心部で過ごすようにしましょう。窓や扉の近くだと、万が一、物が飛んできて、窓が割れたり扉が開いたりしてしまうと被害を受ける可能性があるからです。

家の周囲の様子が気になったとしても、不用意に外に出て確認しに行くのは非常に危険です。普段と違って川が増水していたり、側溝と道の境目がわからなくなっていたりして、思わぬ転落事故を招いてしまう危険があります。

また、場所によっては降り続く雨で地盤が緩んでいる可能性もあり、土砂崩れの危険性も高まっているかもしれません。

もし、やむを得ず外出する場合には、ハザードマップをもとに土砂災害や浸水などの危険性がある場所を避けるように注意しましょう。外出先でも最新の台風情報や警報・注意報をチェックするようにし、避難指示が出た場合には直ちに従うように気をつけましょう。

コラム:風の強さと人への影響・被害

画像1: 台風が来たときの対策は?接近前から家でできることを徹底解説

台風が近づくと風が強くなりますが、一般的に平均風速が秒速15m以上になると風に向かって歩くのが難しくなり、中には転倒する人も出てくるとされています。秒速20m以上になると、何かにつかまらないと立っていられないくらいの状態になり、非常に危険です。

それだけでなく、強風に煽られて扉などに手足を挟まれるなどの被害も考えられます。加えて、物が飛んできてケガをするおそれもあります。

台風から窓を守る方法3選

台風による強風で窓が割れてしまうと、ガラスが飛散するだけでなく、雨風が室内に吹き込んで、さらなる被害を誘発してしまう可能性があります。そうならないために、台風の際の窓の安全対策は重要だと考えられます。ここでは、台風から窓を守るための方法を3つご紹介します。

①シャッターを導入する

画像: iStock.com/U. J. Alexander

iStock.com/U. J. Alexander

最も強力な対策が、窓にシャッターを導入することでしょう。

シャッターを導入すれば、台風の強風によって重量のある飛来物が飛んできても窓ガラスを守る効果が期待できます。

近年は、後付けできるシャッターも発売されており、台風対策として検討する価値はありそうです。

②複層ガラス(ペアガラス)を導入する

画像: ②複層ガラス(ペアガラス)を導入する

2枚のガラスを組み合わせた「複層ガラス(ペアガラス)」の中には、ガラスとガラスの間に樹脂などの特殊な中間膜を挟んだタイプもあります。こうした複層ガラスは、仮に飛来物がぶつかったとしても破片が飛び散りにくく、飛来物が室内にまで貫通するのを防ぐ効果が期待されます。

③飛散防止フィルムを貼る

画像: ③飛散防止フィルムを貼る

賃貸住宅に住んでいる方や、安価で対策を行いたい方は、窓に貼るタイプの飛散防止フィルムで対策をとることもできます。飛散防止フィルムは、ホームセンターなどで購入できるため、手軽に対策することができるでしょう。

ただし、飛散防止フィルムは、ガラスが破損することそのものを防ぐことは期待できません。あくまで窓ガラスの飛び散りを抑える目的のものですので、もしガラスが破損してしまった場合には交換が必要になることも念頭に置いておきましょう。

まとめ:普段から台風への対策を行うことが重要

毎年のように訪れ、猛威を振るう台風。台風シーズンが過ぎてしまうと、ついつい対策を怠ってしまいがちですが、自然災害に対しては、やはり普段から備えておくことが重要です。

特に、家族の間で安否確認の方法を決めたり、ハザードマップを確認したりすることは、台風に限らず、非常時の備えとしてもとても大切なこと。これを機に、ぜひ台風対策をもう一度見直してみてください。有事に慌てず対応できる日頃の備えこそ、安心・安全に過ごすうえで 最も重要なポイントだといえます。

画像2: 台風が来たときの対策は?接近前から家でできることを徹底解説

けいちゃん

これからの台風シーズンに向けて、私も家の周りの掃除や、窓に飛散防止フィルムを貼るなど、手軽にできる対策から始めようと思います!

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