「くちびるが感動するカトラリー」と聞いて、どう思いますか? ちょっと気になる、試してみたい、という方もいるのではないでしょうか。今回、紹介するのは関西電力グループ発の会社「猫舌堂」 が手掛けるオリジナル食器ブランド。その使い心地を徹底レポートします!
猫舌堂
食べやすさと口当たりにこだわりぬいたカトラリー「iisazy(イイサジー)」を開発。誰でも、どんなシーンでも心地よく使えるカトラリーで、すべての人に食べるよろこびを提供します。
https://nekojitadou.jp/
すぅっと口当たりがなめらかなカトラリー
それではさっそく、編集部を代表して私、だいちゃんが使ってみます! 猫舌堂のお二人にも登場してもらい、詳しく解説してもらいましょう!
【猫舌堂担当者】
柴田敦巨 猫舌堂 代表取締役社長
三宅達彦 猫舌堂 取締役副社長 / 関西電力株式会社 経営企画室 イノベーションラボ マネジャー
まずはスプーンから!
口当たりがいい! プリンのなめらかさがダイレクトにくる!
口からスッと引き抜けますね! まったく抵抗がなくて何も邪魔しないから、ずっとプリンの味わいに集中できる!
フィットするカーブと厚みにこだわったので、どこにも引っかからずにすっと引き抜けるんですよ。スプーンが歯に当たらないのって、実はとても快適なんです
なるほど! あんまり気にしてなかったけど、いつも歯にカチカチ当たってたかも
続いては、カレーライスです。普通のスプーンに比べて小さいし平らだから、ちゃんとすくえるかな
あ、ちょうど一口サイズだ。それに、こぼれない!
第一印象は『小さっ!』ですが、食べ終わるころには、カレースプーンって、あんなに大きくなくてもええなぁ、というお声をよくいただきます
食べるスピードが自然とゆっくりになるから、いつもより満腹感があります! それと、薄いからお皿の隅のご飯もきれいにすくえる!
最後は、フォークを使ってカップラーメンを。いつもよりていねいに食べたくなりますね!
ちなみに、フォークをふたの上に置くと、重しにピッタリなんですよ
麺がしっかり具とからんで、しかも落ちない!
フォークの先が少し外に広がっているのが、落ちないポイントなんです。カーブが浅く幅も狭めなので、ちょうど良い量が取れるんですよ
先がとがりすぎてないから、お子さんが使っても安心ですね!
イタリアンのシェフも大絶賛!
―スプーンもフォークも、口からするっと引き抜ける感覚に驚きました!
柴田「一般的なカトラリーと比べて、薄くて小さくてフラットなんです。すくう量もコントロールされるから、大きな口を開けなくてもこぼさず上品に食べられます。それから、金属が歯に当たる不快感がないので、食べ物の味やテクスチャーに集中して食事を楽しめるんです」
―iisazyは、味に影響しないんですね。それにしても、料理のプロに認めてもらえるってすごい! 上品だし機能的だし、もはや一流レストランのテーブルにも並んでそうですね。
三宅「大変嬉しいことに、レストランやホテルへの導入も増えています。もしかしたら、どこかのレストランで猫舌堂のスプーンと巡り合えるかもしれません」
燕の職人さんの技で叶えたカタチ
―iisazyは高級感もありますよね! 質の高さを感じるというか。
柴田「iisazyは、新潟県燕市の職人さんと一緒に開発したんです。燕市は、400年の歴史と技術を持つ金属加工の街。私たちの細かい要望にも匠の技で応えてくださり、理想のカトラリーができあがりました!」
三宅「感動してくださったお客様が贈り物として購入される機会も増えたんです。そこで、お祝いの気持ちが伝わる特別仕様として、ピンクゴールドの『月見桜シリーズ』も新たに加えました」
―使う人を美しく引き立てる、まるでジュエリーのようなカトラリーですね!
三宅「この色を出せたのも、燕の職人技のおかげです。以前、プロの演奏家の方が『高級な金管楽器と同じレベルの仕上がりだ』とほめてくださいました。食事は味や食べやすさだけでなく、気分があがることも大事ですので、見た目の美しさからも選んでいただけるカトラリーを目指してこだわりました」
ピアメイドってみんなに優しい
―そもそも、カトラリーを開発したきっかけって何だったんですか?
柴田「私はもともと関西電力病院の看護師だったんです。日頃、がん患者さんの日常生活での困りごと、特に食べることにまつわる悩みをよく耳にしていました。
そんな中、自分も耳下腺がんが見つかって手術を受けることになって。術後はしばらく痛みや麻痺が残り、食事へのバリアを実感しました。具体的には、口が開かず食べこぼしたり、ものを食べるのに時間がかかるようになってしまったり。だけど、回復するためには食べることが必要だし、楽しく食べたい。そこで、口を大きく開けなくてもスッと入るスプーン、口を傷つけにくい小ぶりなフォークを探しました」
柴田「でも、100種類以上のカトラリーを試してもピンと来るものに出会えなかったんです。それなら自分たちで作ってしまおう、と関西電力が募集していた“起業チャレンジプロジェクト”に応募しました。同じ悩みを持つ仲間たちの声を届けたくて」
三宅「医療者や専門家ではなく、当事者達によるデザインのことを私達は『ピアメイド』と呼んでいます。ピアとは、同じ悩みを抱える仲間のこと。使いやすいだけではだめなんです、使いたくなるデザインじゃないと。食事へのバリアがきっかけで作られたカトラリーですが、今では、食事に悩みのない方からのご注文が過半数です。お客様のご反応から、『ピアメイド=みんなにやさしい』の手応えを感じています」
―道路だって段差がないバリアフリー仕様のほうが、車いすやベビーカーだけでなくみんなにとって歩きやすいですもんね
柴田「それに、食事に関する悩みって意外と誰でも身近なところにもあるんですよ。歯列矯正とか、親知らずの痛みとか。それから、カトラリーのデザインも離乳食や介護用と一目で分かってしまうのはナンセンス。
猫舌堂のカトラリーは、誰もが使いやすく美しいデザインで、そんな悩みを軽やかに解決します!」
生きることは食べること
―たしかに、どんなに美味しい料理でも、赤ちゃん用や介護用のスプーンで食べると100%楽しめない気がします。
柴田「そうなんです。プラスチックの特殊なカトラリーが自分の前だけにあると、『あれ、私だけ違う』って疎外感があるんです。迷惑をかけたくないと、外食を控える方もいます。だから猫舌堂は、みんなが同じように、一緒に食べられる環境を提供したいんです」
柴田「『食べにくさ』って当事者以外には伝わりにくいし、治療に伴う悩みだから『仕方ないよね』と、これまであまり大きな問題としてとらえられていませんでした。でも、猫舌堂には感謝の声とともに、さらなる改善点や新しい商品への要望が届くんです。そういった貴重な声を製品作りに生かしています」
三宅「『このスプーン、素敵だし使いやすい!』ってあらゆる人に選ばれるカトラリーになれば、見えないバリアがふわっと溶けて、みんなが楽しく食べられる社会になる。食事ってただ栄養をとるだけじゃなくて、社会とのつながりや生きることに直結する大切な時間なんです。これからも“みんなの食べる”をサポートしていきます!」
まとめ
みんなが楽しく食べられるように、サイズと口当たりにとことんこだわって生まれた猫舌堂のカトラリー。驚きの使用感、ぜひ試してみてください。
※本記事の内容は公開日時点の情報となります。
だいちゃん
唇が感動します。スプーンがすぅ~っと抜ける感覚、是非味わってください!