NEWS!!

WITH YOU 公式LINEアカウントが開設されました !

くわしくはこちら
お弁当を温めたり、簡単な調理をしたり、普段何気なく使っている電子レンジですが「電子レンジを使うとなぜ食品が温まるの?」「電子レンジはどのような仕組みになっているの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

今回は電子レンジが食品を加熱する仕組みについて、イラストを用いてわかりやすく解説します。電子レンジでは使わない方が良い食器についても紹介するので、電子レンジをより便利に、そしてもっと安全に使いこなしましょう。

※この記事は2022年8月2日に公開した内容をアップデートしています。

電子レンジは電磁波の力で食品を温めている

画像: 電子レンジは電磁波の力で食品を温めている

電子レンジは、電磁波の力を利用して食品を温めています。電子レンジの内部には「マグネトロン」という部品が組み込まれていて、このマグネトロンの先端から電磁波が放出されます。この電磁波は、2,450メガヘルツ(MHz)という周波数。つまり、1秒間に24億5000万回振動するということです。これを「マイクロ波」と呼ぶこともあります。

このように、マグネトロンが発したマイクロ波が、食品内部の水分を細かく振動させます。それによって摩擦熱が生まれ、この熱が広がることで食品全体の温度が上がっていくのです。これが、電子レンジが食品を温める仕組みです。

したがって、水分をほとんど含まない食品などは、電子レンジで温めることはできません。

コラム:オーブン機能の加熱方法は?

画像1: 電子レンジの仕組みをわかりやすく!加熱の原理をイラスト付きで解説!

電子レンジがマイクロ波によって食品を温めるのに対し、オーブンでは、ヒーターから出る熱を対流させたり、赤外線をあてたりして食品を焼くという仕組みになっています。

実は、この赤外線も、マイクロ波と同じ電磁波の一種なのです。赤外線は、マイクロ波よりも波長がはるかに短い電磁波で、周波数は約300万MHz以上だとされています。

赤外線は食品の表面に熱として吸収されやすいため、食パンなどを短時間でこんがりと焼くのに適しています。一方で、電子レンジのマイクロ波は、食品内部の水分などを温めるため、食品を内側から温めることができるのです。

このように、電子レンジとオーブンは、電磁波を利用するという点では共通しているものの、利用する電磁波の特性が異なるため、加熱する仕組みもまったく違ったものになっています。

参考:ほくでんネットワーク「電磁波と電磁界の違いは?」

電子レンジは形状によって温め方が違う

電子レンジが食品を温める方法は、電子レンジの形状によって、大きく2種類に分けられます。「フラットテーブル式」と「ターンテーブル式」の温め方についてそれぞれ解説します。

フラットテーブルの構造

画像: フラットテーブルの構造

フラットテーブル式は、庫内の底に回転するアンテナが内蔵されています。このアンテナを回転させることで、マイクロ波を効率よく拡散させ、食品をムラなく温めることができます。庫内は凹凸がなくフラットな形状で、容量いっぱいにスペースを使うことができます。また、庫内の汚れを拭き取りやすく、お手入れが簡単というメリットもあります。

ターンテーブルの構造

画像: ターンテーブルの構造

ターンテーブル式は、庫内にターンテーブルがあり、その上に食品を乗せて、回転させながら温めることで加熱ムラを少なくしています。ターンテーブルが内蔵されていないので、フラットテーブル式と比べて比較的安価な商品が多いようです。

参考:JEMA「電子レンジの仕組み」

自動温め機能はセンサーが温め方を決める

最近の電子レンジは、「自動温め機能」などが搭載されているものがほとんどです。温める時間を指定する必要がないので、とても便利な機能です。

「自動温め機能」では、さまざまなセンサーを活用して温め方を決めます。センサーの種類はメーカーや機種によって異なりますが、食品の重さや位置、表面温度などを計るセンサーが搭載されていることが一般的です。

フラットテーブル式の電子レンジは食品の重量を計測することが課題とされていましたが、2003年にその課題がクリアとなり、重さ・位置・温度センサーを搭載した電子レンジが開発され、食品の分量や位置を計ってムラなく温める機能が広まりました。

参考:JEMA「電子レンジの歴史」

電子レンジで使わない方が良い容器5選

電子レンジで温める際には、使わない方が良い材質の容器がいくつかあります。知らずに使ってしまって、容器を壊してしまったという方もいるかもしれません。こうした経験を繰り返さないために、電子レンジで使わない方が良い、5種類の容器をご紹介します。

①金属製の容器

画像: iStock.com/AnSyvanych

iStock.com/AnSyvanych

金属でできた容器は、金属がマイクロ波を反射して、電子レンジに対してダメージを与えてしまうおそれがあります。というのも、金属には、マイクロ波などの電波を反射する性質があるからです。

また、金属の表面には、自由に動き回る電子がたくさん詰まっています。この電子にマイクロ波が当たると、激しく動き回り、空中に飛び出すことで庫内の壁やドアにぶつかることがあります。

このとき火花が発生したり、パチっという大きな音が出たりすることがあります。これを「放電」といい、放電が起こると金属が焦げたり、発火してしまったりする危険性があります。

このように、電子レンジで金属製の容器を使うことは非常に危険です。金属製の容器だけでなく、装飾などに金属のついた容器やアルミホイル、金串や金網なども、電子レンジで使うことがないように十分気をつけましょう。

②木製や紙製の容器

画像: iStock.com/geogif

iStock.com/geogif

漆器や竹といった木製の容器も、電子レンジで使うのは控えましょう。自然に由来する木製の容器には、ほんのわずかに水分が残っていることがあります。容器そのものに含まれる水分が電子レンジによって加熱されると、焦げたり、ヒビが入ったりすることがあるのです。

また、電子レンジによって漆塗りなどの加工が剥がれてしまうこともあり、容器の劣化を早めてしまうことに繋がります。同じ理由から、紙製の容器も電子レンジでは使えない場合がほとんどです。

ただし、木製や紙製の容器であっても「電子レンジOK」などの表記があるものもあります。電子レンジで使う前には、必ずこうした表記を確認し、表記がない場合には、別の安全な容器に移し替えてから使うようにしましょう。

③陶器や絵付けされた磁器

画像: iStock.com/artJazz

iStock.com/artJazz

陶器も、電子レンジで使うとヒビなどが入ってしまうことがあります。陶器はもともと、土と水をこねて作った粘土で作られたもの。ちょっとした隙間などから水洗いなどによって水分が入りやすく、その状態のまま電子レンジで繰り返し使ってしまうと、ヒビが入ってしまうことがあるのです。

また、短時間で急激な温度上昇には耐えられず、割れてしまうこともあるとされています。

一方で、磁器は強度が高く、一般的には電子レンジで使っても問題ないと考えられています。ただし、絵付けされた磁器などの場合、絵付けの部分が電子レンジによって劣化する可能性があります。金銀の模様が入っている場合なども、電子レンジで使うことは避けましょう。

④ポリスチレン製の容器

画像: iStock.com/fcafotodigital

iStock.com/fcafotodigital

「PS」と表記されるポリスチレンは耐熱温度が低いため、電子レンジには不向きな素材です。誤って電子レンジでポリスチレン製の容器を使ってしまうと、容器が溶けてしまうことがあるので注意しましょう。

一方で、「PP」と表記されるポリプロピレンは耐熱性が高く「耐熱温度140℃」などのポリプロピレン製容器もあります。この場合は、電子レンジで使っても問題ありません。

また、容器の底面には、素材や注意事項などが表記されていることがあります。容器の見た目で、ポリスチレン製なのか、ポリプロピレン製なのかが判別しにくいときは、こうした記載をしっかりチェックしたうえで、電子レンジを使うようにしましょう。

参考:Panasonic「プラスチックは電子レンジで加熱していいの?使える容器の種類とは」

⑤ガラス製の容器

画像: iStock.com/VectorPocket

iStock.com/VectorPocket

耐熱ではないガラス製の容器を電子レンジで使うのは、非常に危険です。耐熱ではないガラスは、急激な温度変化によって破裂してしまうことがあるからです。クリスタルガラスやカットガラス、強化ガラスなども電子レンジには不向きだとされています。

ただし、耐熱で「電子レンジOK」などと表記されたガラス製容器であれば、問題はありません。

電子レンジで加熱する際に注意するべき食品3選

電子レンジで食材を加熱する場合、容器だけでなく、食材そのものも電子レンジで加熱して問題がないのかをチェックしておきましょう。電子レンジで温める際に注意したい3つの食品をご紹介します。

①根菜や乾燥した食品

画像: iStock.com/Nungning20

iStock.com/Nungning20

サツマイモやニンニクといった根菜類は、水分の含有量が少なく、加熱しすぎて焦げてしまったり、発火したりすることもあるのです。

根菜類だけでなく、干物や乾物なども水分量が少ないため、電子レンジで加熱する際には十分な注意が必要です。

②殻や膜がある食品

画像: iStock.com/liebre

iStock.com/liebre

卵やぎんなん、栗など、殻や膜がある食品も、電子レンジで加熱する際には注意が必要です。なぜなら、電子レンジのマイクロ波によって内部の水分が膨張し、破裂してしまうおそれがあるからです。ゆで卵や目玉焼きを加熱する際も、同様の危険性があります。

食品が爆発するのを避けるには、卵などにあらかじめ穴をあけ、水蒸気が外に出るための道を作るのがポイントです。

ただし、電子レンジの取扱説明書で卵などの加熱が禁止されている場合には、その指示に従うようにしましょう。

③液状の食品

画像: iStock.com/karimitsu

iStock.com/karimitsu

飲み物や油分の多い食品などを加熱しすぎた場合、「突沸現象」が起こることがあります。突沸現象とは、沸騰する温度を超えて加熱されているのに沸騰せず、かき混ぜるなどして外部からショックを与えると、これをきっかけに突然沸騰して飛び散る現象のことです。火傷などの危険性が非常に高く、十分注意する必要があります。

特に、油分が多く粘性の高いカレーやデミグラスソースなどの食品では、この突沸現象が起きやすいとされています。

突沸現象を防ぐためには、電子レンジの出力と加熱時間を控えめにすることが大切です。もし、加熱しすぎてしまった場合には、電子レンジからすぐに取り出さず、1~2分ほど時間をおき、十分注意したうえで取り出すようにしましょう。

まとめ:電子レンジは水分子を振動させて加熱している

画像: iStock.com/CatLane

iStock.com/CatLane

電子レンジが加熱する仕組みは、マイクロ波によって水分子を振動させ、その熱で食品を温めるというものでした。同時に、電子レンジには、使わない方が良いタイプの容器や、加熱する際に注意が必要な食品があることもわかりました。

私たちが、電子レンジを安全かつ便利に使うために大切なことは、取扱説明書をよく読み、電子レンジの仕組みや特徴を理解したうえで、正しい使い方をするということ。とても基本的なことですが、毎日使う家電こそ、そうした当たり前と思えるポイントを見直してより心地よく暮らしに役立てましょう。

画像2: 電子レンジの仕組みをわかりやすく!加熱の原理をイラスト付きで解説!

みなぱん

便利だからこそ、ついついなんでもチンしてしまいそうになりますが、こうして記事でまとめることによって、電子レンジOKの食品や食器を改めて確認し、安全に使用することの大切さを実感しました!

RECOMMEND この記事を読んだ
人におすすめ

This article is a sponsored article by
''.