古くから「食い倒れの街」「天下の台所」と呼ばれてきたグルメ都市、大阪。粉もんをはじめソウルフードを挙げればキリがないけれど、ここ数年で大きな盛り上がりを見せているものといえばカレーでしょう! 特に、全国的に人気が広がっている「スパイスカレー」の発祥地は大阪だと言われるほど。食べつくせないほどの名店がそろっています。

そんな大阪のスパイスカレー情報に詳しい方をガイドに迎え、今のスパイスカレー界のトレンドを深堀り。その特徴をじっくり堪能できる、おすすめ店舗を紹介してもらいました!

画像1: 【2022最新】 個性派ぞろいの大阪スパイスカレーおすすめ6選!

[大阪スパイスカレーのガイド役]TAK(タック)さん
ブログ「かれおた★-curry maniacx-」で、主に大阪をはじめとした関西圏のカレー店を紹介。日本のカレー文化に貢献したお店を表彰する「Japanese Curry Awards」の審査員や、ぴあMOOK関西発刊の「究極のカレー」内の企画「究極のカレーAWARD」の選考委員を務めるなど幅広く活動している。
https://kareota.com/

そもそもスパイスカレーって?

関西には古くから「甘辛カレー」と呼ばれる、先に甘みを感じて後から辛さが広がるタイプのカレーが存在します。代表的なお店が、1947年に難波で創業した「インデアンカレー」。この「甘辛カレー」は今でも不動の地位を築いていて、「インデアンカレー」をはじめとするレジェンドをリスペクトする店舗も増えています。

その後2000年代から大阪で盛り上がり、全国的に広がっていったのが「スパイスカレー」ブーム。ただ、その定義は難しいとTAKさんは言います。

画像: そもそもスパイスカレーって?

TAKさん「『大阪スパイスカレー』という言い方もされますけど、特徴は大阪の自由でゆるい文化が反映されているところで、実は定義がないんです。あえて挙げるとすれば、いわゆる欧風カレーなどでよく使うカレー粉を使わずに、スパイスを駆使して作ること。その中に、作り手の感性が表現された自由な発想のカレーっていう感じですかね」

そんな「スパイスカレー」のパイオニアと言われているのが、1992年に創業した、北浜駅が最寄りの「カシミール」。

TAKさん「ルーツを語るうえで外せないのが、カシミールの後藤明人店主がインスパイアされたお店で、かつて心斎橋にあった『ルーデリー』です。スパイシーでサラッとしたカレーは、カシミールをはじめとした、後のスパイスカレーに大きな影響を与えました」

最新の大阪スパイスカレー事情

さて、最近の大阪スパイスカレー界のトレンドは、どんな感じなのでしょうか。

TAKさん「店主の感性を生かした“個性派カレー”の色が強まっています。中でもここ1、2年で特に顕著だと思うのは『和ダシ』。カツオ節、昆布、煮干しなどのダシを使う店が増えていますね。ダシの効かせ方や提供方法もお店ごとに独自性があって、面白いんです!」

もうひとつ、カレーを語るうえで近年よく話題に上がるのが「ビリヤニ」。ビリヤニは、肉や野菜などの具とスパイスをあわせた炊き込みご飯のこと。全国的に、じわじわと知名度が高まってきました。

画像: 最新の大阪スパイスカレー事情

TAKさん「ビリヤニに関しては、マニアの間ではすでになじみ深く、近年になって一般認知が広がってきました。以前は南インドやパキスタンレストランなど専門店のいちメニューという位置付けでしたが、今ではいろいろなお店で見かけるようになりましたね」

TAKさんのおすすめは、「シンズキッチン」と「大阪ハラールレストラン」。

TKAさん「日本橋にある『シンズキッチン』は、土日がビリヤニデーで、南インド・ハイデラバード式のビリヤニを味わえます。味と香りにインパクトがあっておすすめですよ。

千船駅の近くにあるパキスタン料理店『大阪ハラールレストラン』はモスクの目の前にあって、現地出身のムスリム(イスラム教徒)がお祈りした後に訪れるお店なんです。本場そのままのビリヤニが楽しめるとあって、カレーマニアからの支持も高いです」

大阪の“個性派カレー” 厳選3スポット

ここからは、TAKさんがおすすめするお店を紹介。まずは“個性派カレー”を3軒ピックアップしてもらいました!

はぐ寧|和食堂が昼にお膳で提供するダシの効いたスパイスカレー

画像1: はぐ寧|和食堂が昼にお膳で提供するダシの効いたスパイスカレー

個性派のトップバッターは、天神橋筋六丁目駅が最寄りの「だしとおばんざいと和カレー はぐ寧(はぐね)」。隠れ家チックな和食堂「Hugglife」が二毛作カレー店としてランチ時間に営業しているお店です。

画像2: はぐ寧|和食堂が昼にお膳で提供するダシの効いたスパイスカレー
画像2: 【2022最新】 個性派ぞろいの大阪スパイスカレーおすすめ6選!

大阪らしい自由な発想を、和ダシという手法で表現している“和印折衷”が一番の特徴。ダシの滋味深いうまみがカレーに効いているうえ、お膳スタイルで提供しているところもポイント!

画像: はぐ寧カレー膳・2種盛り(1,480円・税込)

はぐ寧カレー膳・2種盛り(1,480円・税込)

この日のカレーは「鮪白湯出汁カレー・夏野菜仕様のキーマと共に」(左・下)と「和牛ホルモンと夏果いちじくのビンダルー」(右上)。小鉢は「かぼちゃのスパイス煮」や「切干し大根のアチャール(南アジアのピクルス)」など、こちらも個性的です。

画像: 店主の国村 泰三さん

店主の国村 泰三さん

画像: 出汁っぽいカレーではなく、これはカレーと出汁の融合! うま味が十分あるから、スパイスカレーにありがちな塩味の強さを感じません

出汁っぽいカレーではなく、これはカレーと出汁の融合! うま味が十分あるから、スパイスカレーにありがちな塩味の強さを感じません

「どのカレーも、スパイスとともに和ダシを効かせた奥深い味わいが魅惑的。和山椒など日本の香辛料も使っていて、随所に独自の個性が感じられます。また、特別営業の土曜日には普段の週替りとは異なる限定メニューが楽しめるので、こちらも要チェック!」

画像3: はぐ寧|和食堂が昼にお膳で提供するダシの効いたスパイスカレー
店名だしとおばんざいと和カレー はぐ寧
住所大阪府大阪市北区浮田1-2-16
電話番号06-6940-6489
営業時間月~金12:00〜14:00(L.O.)、祝土(月1回)12:00〜15:00(L.O.)
定休日
Webhttps://www.instagram.com/hugg_ne/

ほなまた|月2~3回味わえる独創的なビリヤニは必食

画像: ほなまた|月2~3回味わえる独創的なビリヤニは必食

本町駅が最寄りの「インド時々多国籍 ほなまた」。こちらは長年、堺筋本町にある「麦酒酒場 幸民」のランチタイムに営業していた「ほなまた」が、2021年10月をもって間借りを卒業し、安土町エリアで屋号を新たに構えたお店です。

画像: 店主の高 弘美さん

店主の高 弘美さん

大阪天満宮の人気店『ココペリカレー』でカレーを担当していた高さんの独立店。高さんは『シンズキッチン』で仕込みを手伝っていた経験もあり、南インド系のカレーも得意で、月に2~3回の頻度でビリヤニも提供しています。

画像: ビリヤニのセット(1200円・税込)は、カレーも楽しめるのが嬉しい!

ビリヤニのセット(1200円・税込)は、カレーも楽しめるのが嬉しい!

ほなまたのビリヤニも、スパイスのパンチが効いた味わいが真骨頂。この日の「ビリヤニのセット」は、ハイデラバードチキンビリヤニに野菜のサンバルスープとライタ、マスタードポークカレーがついた大満足のセットです。

画像: カレー3種盛り(1,200円・税込)手前から時計回りに、野菜カレー、チキンアチャーリ、マスタードポーク

カレー3種盛り(1,200円・税込)手前から時計回りに、野菜カレー、チキンアチャーリ、マスタードポーク

ほなまたは独創的なトッピングで多彩な味を楽しめるところが面白いと、TAKさんは言います。

画像: 左上から時計回りに、タルタル玉子、ソフトシェルシュリンプの中華風アチャール、味噌レバーキーマ、タコの激辛シェズワンソース、ティムールペッパー香るナスのモジュ

左上から時計回りに、タルタル玉子、ソフトシェルシュリンプの中華風アチャール、味噌レバーキーマ、タコの激辛シェズワンソース、ティムールペッパー香るナスのモジュ

画像5: 【2022最新】 個性派ぞろいの大阪スパイスカレーおすすめ6選!

シェズワンソース(インド式四川ソース)和えや中華風アチャールなど、中華総菜が多め。ビリヤニも本格的な南インド系というよりは、多国籍。センスあふれる独自性で、大阪で味わえるビリヤニの中では一歩抜きん出たおいしさです!

画像: ビル入口に向かって左手の大きな看板が目印

ビル入口に向かって左手の大きな看板が目印

店名インド時々多国籍 ほなまた
住所大阪府大阪市中央区安土町3-2-8 ABCビル 1F
電話番号非公表
営業時間月~金12:00〜15:00/17:00〜21:00、土日祝12:00〜15:00
定休日不定休
Webhttps://www.instagram.com/honamata_curry/

※カレーは週替わり、スープは不定期で変更になることがあります

八戒|中華的スパイスカレーのパイオニア

画像1: 八戒|中華的スパイスカレーのパイオニア

大衆中遊華食堂 八戒」は、スパイスカレーが大阪で広がりはじめたころにそのエッセンスを取り入れ、中華料理店でありながら独自のスタイルを築き上げました。2021年11月に移転し、現在は東大阪市の河内永和駅近くにあります。

画像2: 八戒|中華的スパイスカレーのパイオニア

定番は『四川麻婆豆腐カリィ』。ホアジャオ(四川山椒)など中華のホールスパイスを強めに効かせながら、インドのスパイスを効果的に織り交ぜる手腕がお見事! 麻婆豆腐のおいしさを感じつつも、食べ進めていくと余韻はスパイスカレーというグラデーションが体感できる絶品カレーです。

画像: 四川麻婆豆腐カリィとラムクミン炒めカリィの「あいがけカリィ」(1,300円・税込)にオプションで「ルーロー」(200円・税込)を追加 ※ランチのみ

四川麻婆豆腐カリィとラムクミン炒めカリィの「あいがけカリィ」(1,300円・税込)にオプションで「ルーロー」(200円・税込)を追加 ※ランチのみ

中華カレーといっても、ラーメンスープを活用したような町中華のカレーライスとは一線を画す、スパイスのダイナミック感はここならでは。ラインナップも豊富で、「スパイス皿うどん」や「スパイス八宝菜」など、中華的なアプローチによるスパイス料理を多彩に味わえます。

画像3: 八戒|中華的スパイスカレーのパイオニア
画像7: 【2022最新】 個性派ぞろいの大阪スパイスカレーおすすめ6選!

中華の要素を取り入れたスパイスカレーは、今や珍しくありませんが、そのパイオニアといえるのがこちら。カレー以外の料理もクオリティが高く、僕が好きなのは『八戒丼』です! 別名『豚骨的海老天入天津飯』で、凝縮されたコク、うまみ、海老の三重奏がたまりません!

画像: TAKさんの大好物、八戒丼(1,050円・税込)はついついハマるおいしさ!

TAKさんの大好物、八戒丼(1,050円・税込)はついついハマるおいしさ!

実は、店主の奥さんが北海道出身であることから良質な羊肉を入手でき、土日祝の昼限定で生ラム肉(一度も冷凍保存されていないラム肉)のジンギスカンが食べられるという点も見逃せません。カレー好きも中華好きも、ジンギスカン好きもトリコにする名店が「大衆中遊華食堂 八戒」なんです。

画像: 臭みのない、やわらかいラムは、サクサク食べ進められました

臭みのない、やわらかいラムは、サクサク食べ進められました

店名大衆中遊華食堂 八戒
住所大阪府東大阪市長栄寺6-11
電話番号06-6781-8807
営業時間昼の部12:00~14:00頃/夜の部18:00~21:00頃
定休日月・火曜日
Webhttps://www.instagram.com/hakkaihigashiosaka/

TAKさんが今、おすすめしたい3軒

TAKさんおすすめの大阪のカレー店は、ほかにもたくさん。ここからは「ドライカレー」「カツカレー」「〆カレー」をテーマに、3つの名店を紹介します。

SPICE★CURRY 43|月替わりのドライカレーが唯一無二

西日本最大級のカレーイベント「カレーEXPO」は、客の投票でグランプリが決まるのも見どころ。ここで3連覇という偉業を成し遂げた人気店が「SPICE★CURRY 43」です。

TAKさん「スパイスのガツンと効いたカレーのほか、ネパール式定食『ダルバート』を提供するなど意欲的なメニュー展開も魅力的ですが、最近は月替わりで登場するドライカレーが大人気。立体的で円形の美しいビジュアルは共通で、でも内容は毎回ガラッと変えてくる店主よっさん(43の由来)のセンスに驚かされます」

画像: 麻辣ドライカレーと豆腐のポタージュ~スパイス煮たまご付き~(1,200円・税込)

麻辣ドライカレーと豆腐のポタージュ~スパイス煮たまご付き~(1,200円・税込)

ドライカレーは、下から、野菜などのポタージュ、ライス、カレー、スパイス煮たまごというのが基本的な構成。2022年の4月は「麻辣ドライカレー&豆腐のポタージュ」で、5月は「木の芽としらすのドライカレー&そら豆のポタージュ」、6月は「ビーフレモンドライカレー&枝豆のポタージュ」でした。

画像: SPICE★CURRY 43|月替わりのドライカレーが唯一無二

TAKさん「まずはカレーとポタージュをそれぞれ食べ、次に混ぜて味わい、最終的には煮たまごを崩して組み合わせるとまた違ったおいしさになっていくという、変化が楽しいドライカレー。スパイスフルなカレーと、やさしい味のポタージュのメリハリも秀逸で、見た目だけではなく味のクオリティも抜群です」

店名SPICE★CURRY 43
住所大阪府大阪市西区靭本町2-5-2 横井第7ビル 1F
電話番号090-3828-4343
営業時間水木金11:30〜14:30、土日祝11:30〜15:00 ※現在は昼営業のみ
定休日月火(イベント出店時は不定休)
Webhttps://twitter.com/43_curry

モチベーションショップ|カツカレー好き女子渾身の“アガる”カレー

カツカレー好きにイチオシなのが、「THE MOTiVATiON SHOP(ザ・モチベーションショップ)」。なにわ橋駅と大江橋駅の中間あたりにあるバー「ゆとりちゃん」のランチタイムに営業している間借りカレーで、“モチベーションの上がるカレーと癖靴下とかの店”を標榜する個性的なお店です。

画像: モチベーションショップ|カツカレー好き女子渾身の“アガる”カレー

TAKさん「元々はキーマベースのスパイスカレーを3~4種類提供するスタイルでしたが、店主のメイド・イン・アリサさんはフリーペーパーやSNSで『カツカレー図鑑』を作るほどのマニア。満を持してカツカレーを提供したところ、人気が出すぎて毎週火曜日はカツカレーの日になったんです」

そのおいしさは、TAKさんの想像をはるかに超えていたとか。

画像: ロースカツカレー(700円・税込)

ロースカツカレー(700円・税込)

TAKさん「ライスとカツの間にガーリックバターが隠されていて、その上にカレーソースという構成。このガーリックバターが絶妙な潤滑油となっていて、リッチな欧風カレーソースをジャンキーな方向性に。サクサクでジューシーなカツとも相まって、ヤミツキ感あふれるおいしさなんです!」

なお、火曜日以外のカレーもハイレベルで、キーマカレー、欧風カレー、麻婆カレーなど多彩な味を楽しめます。カレーを食べてモチベーションを上げたい人は、ぜひ足を運びましょう!

店名THE MOTiVATiON SHOP
住所大阪府大阪市北区西天満4-8-1
電話番号非公表
営業時間11:00~16:30(L.O.16:00)
定休日日月
Webhttps://www.instagram.com/the_motivationshop/

スタンドにしき|お酒と相性抜群の〆カレーは変幻自在で絶品

最後に紹介するのはカレー店ではなく、立ち飲み酒場。お酒を飲みつつカレーを楽しみたい人、あるいは飲んだ後の〆カレーとしておすすめの、夜営業のお店です。その名は「スタンドにしき」。難波エリアにあり、魚や昆布を使った料理、フルーツや昆布を漬け込んだお酒も名物です。

TAKさん「渋いお洒落さが光る心地よい雰囲気で、若い女性のおひとり様にも大人気。メニューは基本的に日替わりで、カレーも一定の周期で多彩に変わっていきますね。味のクオリティはもちろん、〆に適した味わいになっている点も秀逸です」

画像: 印度肉吸い 小玉付き(715円・税込)

印度肉吸い 小玉付き(715円・税込)

たとえば、写真は大阪の居酒屋文化にカレーの要素を融合させた『印度肉吸い』。フレンチのビスクのように濃厚な『海老エビカレー』、日本酒との相性が抜群の『かす汁カレー』といった個性派カレーの数々を、〆に最適なミニサイズで提供してくれます。

画像: スタンドにしき|お酒と相性抜群の〆カレーは変幻自在で絶品

玉子かけごはんに印度肉すいをかけて、丼ぶりの完成。飲みの〆にはたまりません。

TAKさん「『スパイス牛丼』に『海鮮丼カレー』など、飲み屋ならではの発想がいっぱい。立ち飲みデビューにもぴったりなお店です!」

店名スタンドにしき
住所大阪府大阪市中央区難波千日前6-12
電話番号06-7220-6984
営業時間17:00~24:00
定休日不定休
Webhttps://www.instagram.com/nishiki0902/

まとめ

大阪スパイスカレーとひとことで言っても、その特徴は簡単に語り尽くせないほどそれぞれ独創的でした。「スパイスカレー」に定義がない理由にも納得。大阪スパイスカレーの今後の発展に注目です!

画像8: 【2022最新】 個性派ぞろいの大阪スパイスカレーおすすめ6選!

さっさん

写真を見るとお腹がすいてきませんか…?どのお店のカレーも、食べたら満足感と幸福感が満ち溢れてくるおいしさです。ぜひ、味わってみてください!

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