在宅時間も増えた昨今、家でコーヒーを飲む機会も増えていますよね。そんな「おうちカフェ」、“なんとなく“していませんか?カフェで飲むコーヒーみたいに、家で飲むコーヒーをアップデートしたい!でもコーヒー豆の種類や淹れ方がよくわからない……というあなたのために、京都発の人気コーヒーショップ「小川珈琲」の“珈琲職人”に、今さら聞けないあれこれを聞いてきました。

おうちカフェ、満足してますか?

家で飲むコーヒー、もっとアップデートしては?

朝食の際やブレイクタイム、家でコーヒーを飲む方は多いですよね。「有名なメーカーのコーヒーを買っている」「なんとなく大容量のものを選んでいる」という方も多いのではないでしょうか。でも、在宅時間が増え、飲む回数が増えたからこそもっとこだわって、より美味しいコーヒーを淹れてみませんか?当たり前すぎて今さら聞けないことなどを、プロに教えてもらいました。

今さら聞けないこと、コーヒーのプロに聞いてみよう

“珈琲職人”小川珈琲さん、教えてください!

画像: “珈琲職人”小川珈琲さん、教えてください!

教えてくれたのは、1952年京都で創業し、高品質なコーヒーを取り扱う「小川珈琲」のバリスタ・衛藤匠吾さん。「ジャパン・ラテアート・チャンピオンシップ」で史上最年少で優勝し、世界大会に出場したコーヒーのプロフェッショナルです。

そもそも、コーヒーの味を決めるものは何?

そもそも、コーヒーが美味しい、美味しくない、というようなものはどんな要素が決めるものなのでしょうか。

「コーヒーは果実なのですが、それが一杯のコーヒーになるまでの間にさまざまな過程があります。豆の種類、精選、焙煎、抽出……とたくさんの工程を経て一杯のコーヒーが淹れられるので、そのそれぞれにこだわって味が決まっていきます。なので味は無限だし、それがコーヒーの面白さであり、奥深さでもあります。なので、自分が好きだと思う味を見つけていくのがいいと思います」

確かに、コーヒーは専門用語が多すぎて、何がいいのか判断つかないのが初心者としては正直なところ。「自分が好きだと思える味」を見つけるために何を調整していくかがポイントのようです。

産地と豆

画像1: 産地と豆

「まず、味の大枠を決めるのは産地です」

実は、コーヒーは栽培地域が限られているんです。一般的に、コーヒー豆は「コーヒーベルト」と呼ばれる暖かい地域で採れる植物。栽培地の条件に適した品種を選んで栽培するため、必然的に地域ごとに風味特性が異なり、味わいに差がつくのだそうです。降水量、日照時間、気温、標高などの気象条件で大まかな味が決まってくるなんて、野菜や果物と一緒なのですね。

画像2: 産地と豆

また、よく耳にする「アラビカ種」「カネフォラ種」というのは「品種」。
「アラビカ種」は栽培条件が厳しいといわれています。日中の平均気温が20度前後、年間降水量1,700mm前後が好ましく、標高や日当たり、昼夜の気温の差など厳密な条件が細かくあり、この条件をクリアできる恵まれた土地は世界的にも少ないのだそう!

私たち消費者がコーヒー豆を買う際に気にするのは、ラベルに書かれている表記……つまり名前ではないでしょうか。
「よく街のコーヒーショップや缶コーヒーのラベルなどで見かける『ブルーマウンテン』や「キリマンジャロ」というのは、「特定銘柄」と呼ばれるものです」

画像3: 産地と豆

消費者に選んでもらいやすいように、さまざまな定義を自主的に決めているのだとか。

たとえば「ブルーマウンテン」ならジャマイカのブルーマウンテン地区にて生産されたアラビカ種のコーヒー豆。「ハイマウンテン」なら、ジャマイカのハイマウンテン地区にて生産されたアラビカ種のコーヒー豆といった具合。
もちろん、「名前がついていないもの」もあり、それは国名で呼ばれることも多いそう。上記の例でいえば、「ブルーマウンテン」でも「ハイマウンテン」でもない、ジャマイカで生産されたアラビカ種のコーヒー豆は「ジャマイカ」と呼称されます。

また、それとは別に今日では各認証団体によって、栽培環境や社会的な要素を満たしているコーヒーを「認証コーヒー」と呼びます。
農林水産省の定める基準を満たした原料を使用し、認証を受けた業者が加工した「有機JAS」のマークがついているものは、化学肥料や農薬を使わないで育った安心・安全なものであるとされています。昨今では、フェアトレードやSDGs、また生産される農地で働く人々の労働環境などにも認証を与える動きが広まっているのだそうです。

ひと口に「豆」といっても、産地と品種、認証のあるなしで種類が変わってくるということですね。

焙煎

画像: 焙煎

そして、おいしいコーヒーに重要なのが「焙煎」。街なかのカフェではよく「自家焙煎」という文字を見かけますよね。生のコーヒー豆に加熱することによって「煎り豆」に変化します。
料理でも、強火で仕上げるものや弱火でじっくり火を入れるものなど色々ありますよね。コーヒー豆でもそれは同じ。

焙煎度は、主に「浅煎り」「中煎り」「深煎り」と火の入れ具合で分類されます。

「ライトロースト」「シナモンロースト」は浅煎り。酸味を感じやすくさっぱりした味わい。コーヒー豆の個性をキャッチしやすい焙煎度として、スペシャルティコーヒー専門のロースターでは浅煎りで焙煎されることが多く、近年人気のサードウェーブコーヒーのカフェは浅煎りのコーヒーを出しているところが多いようです。

「ミディアムロースト」「ハイロースト」「シティロースト」は中煎りに分類されます。酸味と苦みのバランスが良く、甘みを感じるものも多いです。程よいコクがあり、ミルクを混ぜてもコーヒーの味をしっかりと感じられます。

「フルシティロースト」「フレンチロースト」「イタリアンロースト」は深煎りと呼ばれます。かなり苦味が強く、エスプレッソの濃厚な味わいを楽しめます。砂糖をたっぷりと入れたり、ラテなどにしてもコーヒーの味わいがミルクに負けない……など、好みもありますが、「どう飲むか」で煎り具合を選ぶのも楽しいですね。

ブレンドとシングルオリジン

喫茶店でもよく見かける「ブレンド」とは、まさに上記でつくられたコーヒーを、混ぜてつくったコーヒーのことです。焙煎後の豆を合わせる場合も、生豆の時点で合わせる場合もありますが、個性に合わせてさまざまな組み合わせを作ることが可能なので、その味は無限大。お店によって、「こういう味」を目指してブレンドしたり、コンセプトでブレンドを作ったりとさまざまです。
それに対し、一種類の豆で淹れられるコーヒーは「シングルオリジン」と呼ばれます。
豆本来の個性を味わうならシングルオリジン、好みの味や飲みたい味がある場合はブレンドでイメージに近いものを選ぶといいですね。

最後の決め手は“おうちで”

画像: 最後の決め手は“おうちで”

器具で味わいが変わる?!

コーヒーといっても、エスプレッソマシーンで濃く抽出したものをミルクと混ぜるなどしてつくる「ラテ」スタイルのものもありますが、多くの家庭で飲まれているのは「ドリップコーヒー」と呼ばれるもの。ここから先は、おうちで美味しいドリップコーヒーを飲むためのヒントをご紹介します。焙煎された豆から一杯のコーヒーになるまでは、この後、「挽く」「淹れる」という大きな2つの工程があります。

どう挽くか?

まず、コーヒー豆を粉にする必要があります。多くのコーヒーショップやコーヒー豆専門店で売られているコーヒーは「豆の状態」か「既に挽いて粉になっている状態」です。
粉は挽く粗さを選びますが、主に「その後どのように抽出するか」によって適した挽き方を選びましょう。

画像1: どう挽くか?

フレンチプレスなど、コーヒーの粉とお湯の接触時間が長い抽出の場合に適している「粗挽き」、ハンドドリップの抽出に向いているといわれる「中挽き」「中細挽き」、コールドブリューなど、低温抽出のものに向いている「細挽き」などさまざまあります。

画像2: どう挽くか?

「グラインダー」と呼ばれる器具さえあれば、好みの状態に豆を挽くことができます。実はいいコーヒー豆を購入しても、挽きたてかどうかでだいぶ味が変わるのだそう。

画像3: どう挽くか?

簡単にできるハンドグラインダーは手軽に購入できるため、おいしいコーヒーを淹れたい方にはオススメ。
もしなかったとしても、コーヒー豆を売っているお店では挽いてくれることも多いので、賞味期限と普段飲む量を意識して、できるだけ「挽きたて」のコーヒー粉を使うことも大切です。

淹れるテクニックで美味しくできる!

最後に決め手になるのが「抽出」。いわゆる一杯のコーヒーを淹れる、という工程です。実は、下記のようにコーヒーを淹れるのはさまざまな方法があります。

・ペーパードリップ
 ドリッパーに紙のフィルターをセットし、上からお湯を注いで抽出する
・エアロプレス
 空気の圧力を利用し、短時間で簡単に抽出する
・フレンチプレス
 プランジャーポットと呼ばれる器具で、つまみを引き下げた圧力で抽出する
・サイフォン
 蒸気の力を利用し、抽出する
・ネルドリップ
 布製のフィルターでお湯を注いで抽出する
・ウォータードリップ(水出し)
 水を一滴ずつ垂らして静かにポタポタ抽出する

などなど……。それぞれの魅力などは今後連載内で詳しくご紹介しますが、今の日本では多くの人がペーパードリップでおうちカフェを楽しんでいると思われますので、今日はペーパードリップについて、美味しく淹れるコツを聞きました。

ペーパードリップで上手に淹れるコツ

ペーパードリップに必要な器具は4つ。

ドリッパー・ペーパーフィルター・ケトル・そして重要なのはキッチンスケール(はかり)です。ケトルはコーヒー用のものが綺麗にお湯を注ぐことができるので便利!

ドリッパーも実はサイズや形状もさまざま。コーヒーを落とす穴の形や大きさもメーカーやモデルによってさまざまなんです。
大きく分けると「台形型」と「円錐型」。

画像: 写真右端が「円錐形」

写真右端が「円錐形」

円錐型は、穴に向かってダイレクトにお湯がコーヒー粉の中を透過していくので、お湯の量や注ぐスピードで味をコントロールできます。台形型は、円錐型に比べてお湯がドリッパー内に滞留する構造になっているので、お湯を注ぐスピードに味が左右されにくいので初心者向けといえるでしょう。

工程別にポイントをまとめてみました。
まずはペーパーフィルターを準備します。

画像1: ペーパードリップで上手に淹れるコツ

2回折った後、角を少し折ってあげて「台形」にするとフィット感が増します

次に、ペーパーを「リンス」。一度フィルターをお湯で洗い流します。どうしてもフィルターには紙の臭いなどが残っているので綺麗にしてあげるとコーヒーの香りが際立つのでぜひやってみてください。

画像: ドリッパーをトントンとして、粉の表面を平らにする。そのままだとこんもりした山になっているので、表面を平らに整えましょう!

ドリッパーをトントンとして、粉の表面を平らにする。そのままだとこんもりした山になっているので、表面を平らに整えましょう!

画像: お湯の温度は熱くしすぎない(85℃〜95℃がベスト)。沸騰したお湯に、氷をひとつ入れるとちょうどよくなりますよ。

お湯の温度は熱くしすぎない(85℃〜95℃がベスト)。沸騰したお湯に、氷をひとつ入れるとちょうどよくなりますよ。

コーヒーを2杯分淹れる場合の分量でドリップしていきます。
スケールの上で作業すると、注入するお湯の量を測りながら淹れられるので便利です。
それではお湯を注いでいきます。

画像: 1投目(お湯は50g):ドリッパーの中心から、小さい円、中くらいの円、大きな円、と優しく円を描きながらゆっくりと注ぎます。

1投目(お湯は50g):ドリッパーの中心から、小さい円、中くらいの円、大きな円、と優しく円を描きながらゆっくりと注ぎます。

画像: 20-30秒、蒸らす!じっくり待ちましょう

20-30秒、蒸らす!じっくり待ちましょう

画像: 2投目(お湯は100g分、スケールのメモリが150gになるまで):真ん中から2周ケトルを回し、中央に戻って「コーヒーの山になっている部分」をなぞるように1周

2投目(お湯は100g分、スケールのメモリが150gになるまで):真ん中から2周ケトルを回し、中央に戻って「コーヒーの山になっている部分」をなぞるように1周

画像: 3投目(お湯は100g分、スケールのメモリが250gになるまで):中央からスタートし、1周円を描きます

3投目(お湯は100g分、スケールのメモリが250gになるまで):中央からスタートし、1周円を描きます

画像: 4投目(お湯は100g分、スケールのメモリが250gになるまで):穴の上部にあたる箇所をなぞるようにお湯を注ぎ切る。直線で往復するイメージ

4投目(お湯は100g分、スケールのメモリが250gになるまで):穴の上部にあたる箇所をなぞるようにお湯を注ぎ切る。直線で往復するイメージ

画像2: ペーパードリップで上手に淹れるコツ

これらの要素をしっかり抑えれば、雑味のない美味しいコーヒーが淹れられ、せっかく選んだ「豆」の魅力が最大限楽しめます。逆に、熱々すぎるお湯で淹れてしまったり、粉がでこぼこのままお湯を注いだり、お湯がコーヒーでなくペーパーにかかってしまったりすると、雑味が出てしまいます。それではどんなに高品質の豆を選んでも台無しですね。

また、買ったばかりのコーヒー豆を使わない場合は、その保存状態も大切。

画像3: ペーパードリップで上手に淹れるコツ

開封後のコーヒーは豆であれば1ヶ月以内、粉であれば2週間以内に消費するのが大事。なので、自宅で飲む頻度や量に合わせて、使い切れる量を買うのがベストです。
密閉容器に入れ、直射日光の当たらない、高温多湿ではない場所で保存しましょう。ちなみに、1杯分に小分けして冷凍保存するのもやり方の一つ。その場合は密閉容器で保存し、使用する際は常温解凍をして、完全に常温に戻ってから使用しましょう。

小川珈琲最新のカフェは持続可能な“ネルドリップ”特化

ペーパードリップは簡単で手軽ですが、毎回ゴミが出ることが少し気になる方も多いかもしれません。お手入れが大変で上級者向けてもいわれますが、ゴミが出ないという点ではこれからますます注目されると考えられているのが「ネルドリップ」なのです。小川珈琲はこの「ネルドリップ」に特化したカフェをオープンさせ早速話題沸騰中。

生産者の暮らしと自然環境保護の力添えとなる、独自の基準を満たした「GRANCA(グランカ)」と呼ばれるエシカルコーヒーのみを取り扱い、オーガニックコットンを使用したネルドリップでコーヒーを抽出してくれます。

昔から日本の喫茶店では古くからネルドリップを利用していることもあり、実は日本人の舌には合っている味わい。どのように淹れていて、どのような味わいかは実際にカフェで味わってみるといいでしょう。

京都の町家をリノベーションした面白い空間で、日本古来の美意識と現代的なカルチャーが融合した、未来のコーヒショップの形を楽しめること間違いなしです。

スポット小川珈琲 堺町錦店
住所京都府京都市中京区堺町通錦小路上る菊屋町 519-1
電話番号075-748-1699
営業時間7:00-20:00(L.O.19:30)
Webwww.oc-ogawa.co.jp/nishiki
Instagram@ogawacoffee_nishiki

プロに教わった知識を活かして、おうちカフェを上質なものにしよう

さて、奥深いコーヒーの世界を一部分だけですが紹介してきました。おうちカフェの時間が少しでも上質なものになるよう、知識を活かしてコーヒーライフを楽しみましょう。難しい専門用語の意味がわかることで、その商品が一体どのようなものなのかを理解できて手に取りやすくなることでしょう。
動画でおさらいしたい方は、衛藤さんが小川珈琲のYouTubeで実演してくれていますので、そちらもぜひご覧になってみてください。

画像: 初めてでも安心!このポイントを知っていれば Kalita HA102 でコーヒーが美味しくなる淹れ方 youtu.be

初めてでも安心!このポイントを知っていれば Kalita HA102 でコーヒーが美味しくなる淹れ方

youtu.be
画像9: 今さら聞けないコーヒーの基礎知識。おうちでできる淹れ方のテクニックとは?

みなぱん

私も自宅でこの淹れ方を実践してみましたが、同じ豆でも淹れ方ひとつで味が変わって驚きました。知れば知るほど奥深いコーヒーの世界。新しい趣味として、コーヒーの世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか?

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