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台風は夏に多くやってくるというイメージがあります。しかし、夏休みや長期休暇など、たくさんの楽しみなイベントが控えているこのシーズン。「せっかくの夏休みや長期休暇を、台風に台無しにされたくない!」と思っている方も多いことでしょう。

実際のところ、台風が日本へ接近するのがもっとも多いのはいつなのでしょうか? また、なぜ台風が集中する時期が毎年決まっているのでしょうか? ここでは、台風が多い時期について、わかりやすく解説します。読めばきっと、台風の時期を避けて、夏のバカンスのスケジュールを上手に組めるようになるはずです。

台風が多い時期は毎年8~9月

画像: iStock.com/Willowpix

iStock.com/Willowpix

台風は、夏だけ発生するものだと思っていませんか? 実は、私たちの気づかないところで台風は一年中発生しているのです。気象庁によると、平年の台風の発生数、接近数、上陸数は下表の通りとなっています。

画像: 台風が多い時期は毎年8~9月

出典:国土交通省

表からは、数は少ないものの12月~3月といった冬場から春先にかけても台風が発生していることがわかります。しかし、やはり発生数、接近数がともに最も多くなるのは 8~9月です。7月頃から発生数が大きく増え、8~9月頃にピークを迎え、11月頃まで一定数発生していることが読み取れます。

月ごとの台風の進路

画像: 月ごとの台風の進路

一年中発生する台風ですが、上図のように、季節によって台風の発生場所やルートが大きく異なります。春先や秋口には、台風は緯度の低い南の方で発生し、そのままフィリピンなど西方に進むことが多いとされています。

しかし、7月頃からは発生場所が少し北上し、太平洋高気圧の周辺をぐるっと回るように、放物線を描くようなルートで日本にやってくる台風が増えてきます。そして、8月には日本列島を縦断するような進路をとるようになり、9月以降になると、台風の進路は少しずつ東側にずれていきます。
参考:気象庁

台風が8~9月に多く上陸する理由2選

日本では毎年8~9月に台風が上陸することが多いことをお伝えいたしました。上陸とは、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達することを指し、2021年には、7~9月に毎月1つの台風が上陸したと報告されています。

では、このように台風が夏に上陸することが多い理由とは一体どのようなものなのでしょうか? 主な理由を2つご紹介します。
参考:気象庁

①熱帯低気圧が発生しやすい

画像: ①熱帯低気圧が発生しやすい

まず、そもそも台風がどのように発生しているのかを簡単にご説明します。台風は、赤道付近の北緯5~20度のあたりの熱帯の海上で多く発生します。このあたりは海水が温かく、雲ができやすいため、台風が発生するのに適した環境なのです。

このような海域で、太陽により海水が温められると、上昇気流が発生して雲が発達していきます。この雲は成長して積乱雲と呼ばれる巨大な雲になりますが、それと同時に、上昇気流もさらに強まっていきます。

これを繰り返すうちに、雲の渦が大きく発達し、熱帯低気圧となるのです。この熱帯低気圧がさらに発達したものが台風です。台風とは正式には、赤道より北側で東経180度より西側の北西太平洋、もしくは南シナ海に存在しており、10分間平均の最大風速が毎秒約17m以上となった熱帯低気圧のことを指します。

台風はこのような仕組みで発生するため、気温が高く、海水温も上昇する8~9月により発達しやすいということがいえるのです。

こうした理由から、夏場は強力な台風ができやすく、強い勢力を保ったまま日本に接近することが多くなると考えられます。その一方で、気温が低くなり水蒸気ができにくい冬から春にかけては、台風は発生したとしても勢力が弱く、日本まで到達することは少ないと考えられるでしょう。
参考:気象庁

②日本列島が台風の通り道となりやすい

画像: ②日本列島が台風の通り道となりやすい

台風の進路は季節によって大きく異なりますが、夏から秋にかけては日本列島を通過するコースが多くなります。その理由は、夏場に日本を覆う太平洋高気圧にあります。

太平洋高気圧とは、夏になると日本の南海上から勢力を強める高気圧です。夏の初めには梅雨前線を伴いますが、梅雨明けとともに日本の広い範囲に安定した晴天をもたらし、気温と湿度がぐっと上がります。日本の夏の気候を象徴するのが、この太平洋高気圧だといえます。

このように、夏場は日本列島を太平洋高気圧が覆っており、台風は太平洋高気圧の周りを回るようなルートをたどります。

一方で、秋を迎える頃には太平洋高気圧が弱まり、台風がまっすぐ北上しやすくなります。そのため、日本列島全体が台風の通り道となってしまうのです。
参考:気象庁

台風に関する豆知識2選

画像: iStock.com/Muhammad Safuan

iStock.com/Muhammad Safuan

ここで、毎年のように訪れる台風に関して、意外と知られていない豆知識を2つご紹介いたします。

①台風は最高で39号まで存在した

気象庁では台風についての統計資料を公開しており、WEBではこれまでの台風の発生数などを確認することができます。

それによると、1951年以降でもっとも台風の発生数が多かったのは、今から50年以上前の1967年。なんと台風39号まで発生したのです。台風は、その年に初めて発生した台風を1号として数えるため、1967年には39の台風が発生したことになります。

この約半数が8~9月に発生しており、2ヶ月の間に18もの台風が発生しています。しかし、このうち日本に上陸したのは8月の2つのみ。9月の発生数は多かったものの、上陸はしなかったようです。

一方で、これまででもっとも台風の発生数が少なかった年は、2010年の14でした。しかし、発生数が少なかったとはいえ、8月と9月にはそれぞれ1回ずつ上陸しており、 単純に発生数が少ないだけで喜ぶことはできないかもしれません。
参考:気象庁
参考:気象庁

②台風の強さは3段階で表す

台風の強さは、シンプルに3段階で表すことをご存じでしたか? 気象庁によると、台風の強さは最大風速で表され、レベル分けは「強い・非常に強い・猛烈な」の3つだけなのです。それぞれの強さのイメージは次の通りです。

まず、「強い」は風速が毎秒33~44m未満であることをいいます。これは「トラックが横転するレベル」と表現され、3段階の1つ目ですが相当な強さであることがわかります。

画像: iStock.com/felixmizioznikov

iStock.com/felixmizioznikov

次に「非常に強い」は風速が毎秒44~54m未満で、「電柱が倒れる、ブロック塀が壊れるレベル」とされています。非常に危険な状態で、住宅や建物にも大きな被害が予想されます。

画像: iStock.com/nycshooter

iStock.com/nycshooter

最後の「猛烈な」は風速が毎秒54m以上。これは「家が倒壊するレベル」とされており、甚大な被害を引き起こします。

画像: iStock.com/CHUYN

iStock.com/CHUYN

また、ニュースなどでよく見聞きする「強風域」とは、毎秒15m以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲のことを指します。気象庁では、台風の中心位置である×を囲んだ黄色の円で表現しています 。

「暴風域」は、強風域よりさらに強く、毎秒25m以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲のこと。気象庁では、赤い色の円で表しています。

ニュースなどで台風の進路予報を示すとき、台風の予報円が、大きくなっていくように見えることがあります。しかし、これは予想進路であり、台風の中心がこの円の範囲に70%の確率で入ることを意味しているのです。したがって、台風の大きさを表しているわけではないので、注意が必要です。
参考:気象庁

コラム:ハリケーン・サイクロンとの違い

画像1: 夏場は台風が多い!?台風事情について成り立ちからわかりやすく解説!

日本の台風と、海外のハリケーンやサイクロンは同じものなのでしょうか?

実は、発生場所によって呼び方が違うだけで、いずれも熱帯低気圧を指すことは同じなのです。

台風とは日本での呼び方で、経度180度線より西の太平洋や南シナ海で発生した熱帯低気圧のうち、風速が毎秒17m以上のものを指します。

一方で、ハリケーンとは、北大西洋やカリブ海、メキシコ湾で発生する熱帯低気圧のうち、風速が毎秒33m以上のものを指し、台風より風速が大きいのが特徴です。

さらに、サイクロンとは、インド洋北西部にあたるベンガル湾やアラビア海などで発生する熱帯低気圧のうち、風速が毎秒17m以上のものを指します 。

ちなみに、台風の名前は、アジア・太平洋地域の14カ国などが加盟する「台風委員会」が決めています。台風の名前の候補としては、あらかじめ140個の言葉が順番にリストアップされており、1番目の言葉は、カンボジア語で象を意味する「ダムレイ」です。日本語では「コイヌ」「ヤギ」「ウサギ」などの言葉がリストに入っています。

このように、身近な動物の名前などを台風につける背景には、アジア・太平洋地域で親しみのある名前をつけることで、多くの人の防災意識を高めようとする狙いがあるのです。

台風は毎年25ほど発生するため、この140個の名前のリストは5~6年で一巡し、最初の「ダムレイ」に戻ることになっているのです。

台風による災害

台風によってもたらされる災害にはさまざまなものがありますが、中でも自然災害やインフラへの影響は、しばしば私たちの暮らしに大きな被害を及ぼします。

①大雨や暴風・土砂崩れなどの自然災害

画像: iStock.com/Svetlana Ikriannikova

iStock.com/Svetlana Ikriannikova

台風は、強風だけでなく大雨を伴うことがあります。大雨が降り続くと地盤が緩み、土砂災害などの大きな被害を引き起こすこともあるため、とても危険です。土砂が崩落して道路を寸断してしまうと、必要な物資が届きにくくなるなどの二次被害も予想されます。

台風による自然災害は、地方だけでなく都市部でも十分起こり得ます。例えば、強風によって飛ばされたものに当たったり、住宅などの窓ガラスが割れたりする危険性も考えられます。

こうした自然災害による被害を防ぐには、事前に台風への対策を行っておくことが大切です。台風の対策については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。大切な家族や自宅を台風の被害に遭わせないためにも、ぜひ併せてご覧ください。

②インフラへの影響

画像: iStock.com/brazzo

iStock.com/brazzo

台風の被害として困るのが、電車や飛行機といった交通インフラへの影響ではないでしょうか。台風によって電車が遅延したり飛行機が欠航したりすると、移動や旅行を予定している方には大きな影響があります。

大きな台風が接近している際に移動の計画などがある場合は、焦らずに対応できるよう最新情報を細かくチェックしましょう。

まとめ:日本の台風シーズンは8~9月

台風といえば夏のイメージが強いのですが、実は、台風は1年を通して発生している反面、やはり日本に接近するのは8~9月がもっとも多いことがわかりました。また、台風の進路は、太平洋高気圧や偏西風などの影響を受け、季節によって少しずつ異なります。

台風の強さはもちろん、「暴風域」「強風域」といった専門用語の意味など、台風についての知識を広げ理解を深めることが防災にもつながっていくでしょう。台風について正しく学び、ニュースなどの最新の気象情報を確認しながら、8~9月の台風シーズンも安全に楽しく過ごせるように心がけましょう。

画像2: 夏場は台風が多い!?台風事情について成り立ちからわかりやすく解説!

よしおちゃん

こうして記事にすることで、台風の発生の仕組みや、時期について知識が広がりました。正しい知識を広げつつ、気象情報を有効活用して早めの防災行動をとったり、お出かけの計画をすることが重要ですね!

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