毎年春に行われ、今年で10回目の開催を迎える「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022」。京都市内の各所を舞台に開催されている写真に特化した芸術祭です。世界的なアーティストの作品が街中に展示されるイベント期間は、写真を見ながら街歩きを楽しむこともできる1ヶ月となっています。外歩きが気持ちいい季節。アート作品を探して、街へ出かけてみてはいかがでしょうか。

KYOTOGRAPHIEとは?

「KYOTOGRAPHIE (キョウトグラフィー) 京都国際写真祭」は、世界屈指の文化都市である京都を舞台に開催される、国際的な写真展示のフェスティバルです。
京都市内にある歴史的建造物や近現代建築・ギャラリーにとどまらず、ビルの一角や広場などあらゆる場所が会場となります。

一千年もの長きにわたって伝統を守りながら、その一方で先端文化の発信地でもあり続けてきた京都。その京都の美しさが際立つ春に毎年開催されていることもあり、近年では桜の季節からGWにかけての風物詩となっています。
この季節になると、街中を彩るKYOTOGRAPHIEの広告や会場前に設置されるフラッグを見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

この2年は、新型コロナウイルスの影響により秋期開催となっていましたが、記念すべき第10回目となる2022年は、本来の春期に会期を戻しての開催となりました。

画像: KYOTOGRAPHIEとは?

チケット・参加方法は?

KYOTOGRAPHIEの会場には、有料会場と無料会場があります。各会場の入場に必要なチケットは以下の通りです。

<有料会場>
・各会場に1回ずつ入場できる「パスポートチケット」
・会場ごとに料金を支払う「単館チケット」
<無料会場>
・「パスポートチケット」もしくは「コロナ安心登録カード
※新型コロナウイルス感染症拡大防止対策。無料会場への入場時の他、単館チケット利用の際にも必要。パスポートチケットは購入時に同等の登録がされるため不要。

Webでも事前購入できますが、どこの会場でもすべてのチケットが購入可能です。思い立った時に参加できるのは嬉しいですね。
なお、複数会場に入場するのであれば、パスポートの購入をおすすめします。

KYOTOGRAPHIEの楽しみ方

KYOTOGRAPHIE最大の魅力は、世界的なアーティストたちの作品との出会いだけでなく、会場となる場や空間そのもの。鑑賞すること以上に、その場所を堪能するというのが醍醐味です。

いわゆるホワイトキューブと呼ばれる、真っ白い壁に作品が飾ってあるような場所での展示は少なく、独特の建造物や寺院などでの展示は、その展示方法も見どころのひとつ。さまざまな場所での鑑賞を通し、京都の新しい魅力を発見できることでしょう。

画像: KYOTOGRAPHIEの楽しみ方

初めてKYOTOGRAPHIEに参加する人は、まずは総合案内「KYOTOGRAPHIE Information Machiya」で情報をチェックすることをおすすめします。今年は京都市指定有形文化財に登録された「八竹庵(旧川崎家住宅)」が総合案内所になっています。会期中は毎日、10:00〜19:00まで無料で開放されています。

参加アーティストに関わる書籍などもチェックできるので、名前を知らなくても作品や雰囲気で行く場所を決めることもできるでしょう。また、コンシェルジュが常駐しているので回り方を相談してみてもいいかもしれません。

旧川崎家住宅は、1920年代に建築された京町屋。京都らしい和の雰囲気と、モダンな洋風の文化が入ってきた当時の趣がそのままに、大正ロマンを随所に感じる建築です。アーカイブや展示を眺めながら会場を回れば、いつの間にかタイムスリップしたような感覚になるに違いありません。

京都市内にあるギャラリーやショップ、そして街中にもさまざまな展示が展開されていますので、展示を探しながら街歩きするのも楽しいです。ここからは、今年展示されている約10箇所の会場のうち、写真やアートにそれほど詳しくなくても楽しめる、代表的な展示をご紹介します。本記事でご紹介する4箇所はすべて徒歩でも移動でき、全部回っても3時間ほど。ぜひ、GWの街歩きの参考にしてください。

注目展示① ギイ・ブルダン 「The Absurd and The Sublime」 Presented by CHANEL NEXUS HALL 京都文化博物館 別館

画像1: © The Guy Bourdin Estate 2022/Courtesy of Louise Alexander Gallery

© The Guy Bourdin Estate 2022/Courtesy of Louise Alexander Gallery

今年のKYOTOGRAPHIEのメインビジュアルに採用されているギイ・ブルダン(1928〜1991)の展示はとてもキャッチーな展示となっています。

ギイ・ブルダンはフランスを代表するファッションフォトグラファーです。ファッション誌のみならず、シャネルやシャルル・ジョルダンなどさまざまなブランドの広告を手がけたことでも知られています。鮮やかで挑発的なその作風は今も色褪せることなく私たちをドキドキさせてくれます。

画像1: 注目展示① ギイ・ブルダン 「The Absurd and The Sublime」 Presented by CHANEL NEXUS HALL 京都文化博物館 別館

会場となるのは「京都文化博物館 別館(重要文化財旧日本銀行京都支店)」。1906年(明治39年)に竣工した日本銀行京都支店の建物です。日本の近代建築の祖ともいうべき辰野金吾とその弟子が設計を担当。明治を象徴する洋風の建築物として、国の重要文化財に指定されました。

画像2: 注目展示① ギイ・ブルダン 「The Absurd and The Sublime」 Presented by CHANEL NEXUS HALL 京都文化博物館 別館

銀行時代の名残である窓口が保存されているのが楽しいですね。

2階に上がると会場となっている階下を見下ろすことができます。渦巻き型になっている展示方法もユニークですね。カラフルな展示パネル、鮮やかなファッションフォトと明治時代からの厳かな雰囲気の建築とのコントラストを楽しみましょう。

注目展示② イサベル・ムニョス×田中泯×山口源兵衛 「BORN-ACT-EXIST」 誉田屋源兵衛 黒蔵、奥座敷

1738年創業、280年を超える歴史がある帯匠の老舗「誉田屋源兵衛」。その拠点である築100年の蔵と奥座敷ではスペインの写真家、イサベル・ムニョスの展示が行われています。

由緒正しき屋敷の、ミステリアスな蔵。凛とした空気が漂うそこへ足を踏み入れると、なんとも神秘的ともいえる異空間が広がっており、幻想的な映像や作品が並びます。

ここで堪能できるのは、誉田屋源兵衛10代目当主である山口源兵衛と、ダンサーの田中泯の写真を糸状に裁断し、絹糸と共に織り上げた「写真の織物」。写真といえば一般的には光沢紙にプリントされているものを指しますが、この展示ではプラチナ箔を張った和紙などを使用。まるで絵画のように見える作品たちは、一見の価値ありです。そして最大の目玉は「写真の織物」=写真を「帯」として織り上げた作品です。織物の名匠、日本有数のダンサーと世界的フォトグラファー……この3者のコラボが生み出す至高の奇跡は、まさに芸術作品と呼ぶにふさわしいでしょう。

注目展示③ プリンス・ジャスィ「いろのまこと」 Supported by Cheerio Corporation Co., LTD. ASPHODEL

画像: 注目展示③ プリンス・ジャスィ「いろのまこと」 Supported by Cheerio Corporation Co., LTD. ASPHODEL

有数の観光スポット・四条大橋を渡って少し足を伸ばした先にあるのはアートギャラリー「ASPHODEL(アスフォデル)」。商店街のなかに突如現れる3階建てのビルですが、今年はなんとビル全体を作品が覆っています。「ここは何だろう?」と通行人が見上げる様子が多く見られ、かなり目を惹く存在感です。

タペストリーをめくった先には心躍るダンスミュージックが鳴り響き、原色の鮮やかな作品群が心に迫る世界観。シックで幻想的な世界観だった誉田屋と真逆の雰囲気といえるでしょう。

この陽気な世界のつくり手はガーナ出身のヴィジュアル・アーティスト「プリンス・ジャスィ」。iPhoneで撮影した作品が世界中で注目され、Apple社とコラボレーションするなど20代半ばにしてアフリカの現代アートを牽引する一人なのです。
ジャスィは音を色として感じたり、特定の言葉や文字が色とリンクしたりするなど、「共感覚」という特別な感覚の持ち主だそうです。
ビビッドな世界観に触れれば、自然と元気とエネルギーがもらえそうな気がしますね。

注目展示④ 奈良原一高「ジャパネスク〈禅〉」 Supported by LOEWE FOUNDATION 両足院(建仁寺山内)

画像: 注目展示④ 奈良原一高「ジャパネスク〈禅〉」 Supported by LOEWE FOUNDATION 両足院(建仁寺山内)

京都の観光といえば寺院めぐりを挙げる人も多いでしょう。KYOTOGRAPHIEでは、そんな歴史ある寺院でも展示を行っています。

建仁寺の両足院では、2020年に逝去した日本を代表する写真家のひとりである奈良原一高の展示を見ることができます。

画像1: ©︎ Narahara Ikko Archives

©︎ Narahara Ikko Archives

本展示で見られる「禅」と名付けられた作品群は、力強い奈良原作品の特徴がよく現れているシリーズ。曹洞宗の総本山である總持寺(そうじじ)の僧侶たちの静謐さと厳粛さがモノクロ写真で映し出されています。

会場となっている両足院は京都府の名勝庭園に指定されている庭園が見どころとなっているのですが、まさに会場から見える初夏の庭園は趣深く、ゆったりとした時の流れを感じられるでしょう。

京都・春の新風物詩で街歩きを楽しもう

街歩きでは「見たいところ」を巡るのも楽しいですが、「見たいアート」で場所を決め、思いもよらない空間との出会いを楽しむのも粋なものです。目で見るだけでなく、足裏で感じる建物の感触や匂い、手触りなど全身で空間を楽しみましょう。

10年目を迎え、春の風物詩となったKYOTOGRAPHIEに参加し、今まで知らなかった京都の表情を発見するのはいかがでしょうか。フラッグを探してアートな街歩きをすれば、新しい京都と出会えるかもしれません。

イベントKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2022
会期2022年4月9日(土)- 5月8日(日)
会場京都文化博物館 別館、京都市美術館別館、出町桝形商店街、DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space、ASPHODEL、誉田屋源兵衛 黒蔵、奥座敷、嶋䑓ギャラリー、蹴上インクライン、Y gion、両足院( 建仁寺山内)、HOSOO GALLERY 、堀川御池ギャラリー
Webhttps://www.kyotographie.jp/
画像23: アートな街歩き「KYOTOGRAPHIE」で京都のいまを楽しむ

みなぱん

街歩きをしながら、様々な場所でアートに触れられる「KYOTOGRAPHIE」。先進的なアートを見ると、なんだか新しいアイデアが湧いてくる気がします!

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