最近よく聞く「再生可能エネルギー」。なんとなく環境に良さそうなイメージがあるものの、日々の暮らしの中では、再生可能エネルギーとの接点を感じづらいのも正直なところ。でも、再生可能エネルギーは、今こうしている間にも私たちの暮らしを支えている大切なエネルギーの一つなのです。

ここでは、さまざまな種類の再生可能エネルギーを利用した発電方法をわかりやすく一覧表で解説します。私たちが、安心で便利な毎日を送るための大切な存在として、再生可能エネルギーの特徴や種類を知っておきたいものです。再生可能エネルギーについての知識が深まれば、未来の地球環境を守る手立てを考えるきっかけにもなるでしょう。

再生可能エネルギーの定義と種類

画像1: Photo by iStock

Photo by iStock

そもそも、再生可能エネルギーとは何か、なぜ「再生可能」と呼ばれているのか気になったことはありませんか? 実は、再生可能エネルギーと一口にいっても、たくさんの種類があるのです。まず、再生可能エネルギーの定義とその種類について説明します。

再生可能エネルギーの定義

再生可能エネルギーとは、太陽の光や風、熱といった自然界にもともと存在しているエネルギーのことを指します。こうしたエネルギーは、石油や石炭、液化天然ガスといった化石資源と違ってなくなることがありません。これらの化石資源は埋蔵量が限られているため、いずれ枯渇してしまうといわれているのです。

一方で、太陽の光や風などは、地球の活動によって常に再生・供給され続けるものです。使い切ったらなくなってしまうような性質のエネルギーではありません。そのため「再生可能エネルギー」と呼ばれているのです。

参考:経済産業省資源エネルギー庁

再生可能エネルギー発電の種類と特徴

画像2: Photo by iStock

Photo by iStock

いろいろな種類がある再生可能エネルギーの中から、ここでは太陽光・風力・水力・バイオマス・地熱を利用した発電について、それぞれの特徴をわかりやすく説明します。

太陽光発電

画像: 太陽光発電

太陽光発電は太陽の光エネルギーを直接電気に変える発電の方法です。特別な半導体で構成される「太陽電池」に太陽の光が当たると、マイナスの電気を帯びた「電子」とプラスの電気を帯びた「正孔(せいこう)」が、半導体(n型半導体とp型半導体)に集まり、電気の流れが生まれます。この仕組みを使った発電の方法が太陽光発電で、私たちが普段「ソーラーパネル」や「太陽光パネル」と呼んでいるものは、この太陽電池(太陽電池セル)が集まったものを指します。

太陽光発電の特徴は、家庭でも導入できる手軽な再生可能エネルギーであることです。2022年現在、さまざまな種類や形状のソーラーパネルが販売されており、自宅の屋根などに設置して利用することもできるようになっています。

一方で、太陽光発電は天候や時間帯などによって発電の量が左右されてしまいます。例えば、晴れた日にはたくさん発電しますが、雨・雪の日などにはほとんど発電しません。もちろん、太陽が沈んだ夜間も発電することができません。このように、発電量が天候などによって左右される変動性を持っている点も、太陽光発電の大きな特徴だといえます。

風力発電

画像: 風力発電

風の力を利用して発電機を回し、電気を作るのが風力発電です。風力発電の特徴は、陸上だけでなく海上にも設置できる点です。特に、海の上ではより大きな規模で発電できると考えられていることから、たくさんの電気を一度に作ることで発電コストを引き下げる効果も期待されています。

一方で、太陽光発電と同じく、風が吹かなかったり、風が強すぎたりすると発電できないため、天候や季節によって発電量が左右されます。さらに、一定以上の風が常に吹いている場所は限られているため、風力発電所を設置できる適地も限られています。

風力発電の仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。

水力発電

画像: 水力発電

水が高い所から低い所へ流れるときの位置エネルギーを利用して、発電を行うのが、水力発電です。水力発電所のタイプとしては、ダムを使うダム式や水路を使う水路式、水車を逆回転させて水を汲み上げる機能を持つ揚水式といったさまざまなものがあります。

画像: 「ダム式」 川幅が狭く両岸の岩が高くきりたった場所にダムを築いて人造湖を造り、その落差を利用して発電する方式。

「ダム式」 川幅が狭く両岸の岩が高くきりたった場所にダムを築いて人造湖を造り、その落差を利用して発電する方式。

画像: 「水路式」 川の上流に小さな堤をつくって水を取り入れ、長い水路で適当な落差が得られるところまで水を導き発電する方式。

「水路式」 川の上流に小さな堤をつくって水を取り入れ、長い水路で適当な落差が得られるところまで水を導き発電する方式。

画像: 「揚水発電式」 上部と下部の2ヶ所に貯水池をつくり、電気が比較的使われない深夜に、火力発電所や原子力発電所の電気で下部の貯水池の水を上部の貯水池に汲み上げておき、電気が多く使われる昼間に水を落として発電する方式。

「揚水発電式」 上部と下部の2ヶ所に貯水池をつくり、電気が比較的使われない深夜に、火力発電所や原子力発電所の電気で下部の貯水池の水を上部の貯水池に汲み上げておき、電気が多く使われる昼間に水を落として発電する方式。

雨や雪どけ水などを活用して発電する水力発電は、太陽光発電・風力発電に比べて古くから行われてきた発電の方法です。また、水を上から下へ流すエネルギーの約8割を電気へ変えることができるため、ロスが少なく、短時間で相当量の電力を発電できる効率の良い方法であるといえます。

一方で、川や山地があっても、発電できるほどの水量や建設しやすい地形など、水力発電に適した場所はそれほど多くないという実態があります。

バイオマス発電

画像: 朝来バイオマス発電所

朝来バイオマス発電所

バイオマスとは、動物や植物から生まれたいろいろな生物資源のことを指します。「バイオマス」という言葉は、生物資源を意味する「バイオ」と、量を意味する「マス」の組み合わせによってできたものです。

バイオマス発電に使用する燃料には、「木質系」「食品産業系」など様々な種類に分類されます。

画像: バイオマス発電

バイオマス発電では、こうしたバイオマスを燃料として燃やしたり、ガスに変えたりして発電を行います。燃料を燃やすことでCO2が発生しますが、このCO2は動物や植物が成長する際に吸収したものです。そのため、燃やしても吸収されたCO2が再び放出されるだけで、大気中のCO2を増やすことがないと考えられています。

バイオマスは、CO2や水があれば持続的に生み出すことができる資源とされています。そのため、再生可能エネルギーのひとつに位置付けられているのです。

参考:農林水産省

地熱発電

画像: 地熱発電

地球の中心部には高温のマグマがあり、地球は常に内部から温められています。このような、地球内部の「地熱」によって発生した蒸気で直接タービンを回し発電するのが地熱発電です。また地熱は発電以外にも温泉や暖房などにも活用されています。

地熱発電の歴史は古く、日本では1966年から本格的に利用されはじめました。現在では、東北地方や九州地方など活発な火山帯のあるエリアで活用されています。

地熱は、天候や時刻、季節などによってなくなるものではありません。そのため、昼夜を問わず天然の蒸気を噴出させるため、安定的に発電できるとされています。また、火力発電が、石油や石炭などの化石燃料を燃やして発生する蒸気を使用してタービンを回すのと仕組みは同じですが、地熱はすぐに枯渇してしまうようなものではなく、将来にわたって使い続けることができるエネルギーだと考えられています。

一方で、地熱発電所の性格上、立地する場所は温泉などの施設がある地域と重なることもあり、東北や九州などといった地方に集中しています。全国どこでも地熱発電が行えるかというと、そうではないのです。

FIT制度・FIP制度とは?

FIT制度とは、再生可能エネルギーによる発電を増やすため、再生可能エネルギーで発電された電力量を電力会社が買い取ることを、国が約束する制度です。FITとは「フィード・イン・タリフ」の略で、日本語では「固定価格買取制度」といいます。FIT制度の対象とされているのは、太陽光発電、陸上風力・洋上風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電です。

FIT制度の買取対象となると、発電した電力量が固定の買取単価で10~20年間買い取られます。買取単価や買取期間は、発電の方法や規模、事業者向けか家庭向けかなどの区分によって異なります。

このFIT制度は、2022年4月から新しい「FIP制度」へと一部が移行します。FIPとは「フィード・イン・プレミアム」の略です。FIP制度では、買取価格が市場と連動して値動きしますが、買取価格には「プレミアム(補助額)」が上乗せされます。

国は、こうしたFIT制度・FIP制度によって設備導入のハードルを下げることで再生可能エネルギーの普及を図っているのです。

画像1: 今さら聞けない再生可能エネルギーとは? その種類を一覧でわかりやすく解説

再生可能エネルギーのメリット・課題は?

自然界に常に存在する(存在し、尽きることのない)資源を活用する再生可能エネルギー。再生可能エネルギーには、その特徴からさまざまなメリットがあります。一方で、課題があるのも事実。再生可能エネルギーの特長と課題について解説します。

メリット課題
発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない(増加させない)気候条件によっては安定した発電が難しい
資源が枯渇する心配がない発電所を建設する適地が少ない
エネルギー自給率向上につながる

再生可能エネルギーのメリット

再生可能エネルギーの特長として挙げられるのは、まず、発電の際にCO2を排出しない(増加させない)ことが大きなメリットだとされています。CO2は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスのひとつであり、18世紀半ばの産業革命の開始以降、温室効果ガスの濃度は急激に増加しています。それが異常気象や海面上昇といったさまざまな問題を引き起こすことが指摘されています。

次に、エネルギー源が枯渇する心配がないということです。埋蔵量が有限である化石燃料と違って、太陽の光や風といった再生可能エネルギーは常に存在するエネルギーです。私たちが、将来にわたってエネルギーを使っていくためには、枯渇しないことはとても大切なポイントだといえます。

地球温暖化はいま、世界中で問題視されており、原因となるCO2を出しにくいエネルギー源へのシフトが求められています。例えば、2021年10月に開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)では、日本はもちろん200を超える国と地域が参加して、産業革命前からの気温上昇幅を1.5℃に抑えることが目標とされました。こうした背景があり、再生可能エネルギーによる発電が大きく注目されているのです。

また、太陽の光や風、水や生物資源などの再生可能エネルギーは日本国内に存在するエネルギー源でもあります。そのため、エネルギーの自給自足を拡大することにつながると期待されています。

再生可能エネルギーの課題

太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーは、発電する量が自然環境に左右されてしまいます。そのため、貯めることができない電気を私たちが利用するタイミングに合わせて必要な分だけ発電量を確保することが難しいのです。このような需要と供給のバランスを保つ難しさは、再生可能エネルギーの課題となっています。

また、発電所を設置する場所に限りがあるのも難点です。例えば、電気事業用の太陽光発電や風力発電では、大規模な設備を設置する広い土地や発電に適した環境のある場所には限りがあります。狭い国土の中では、より効率的に発電設備を設置する技術や、発電効率を高める技術を進化させることが必要になります。

再生可能エネルギーのメリット・課題については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

再生可能エネルギーの現状

枯渇しないことやCO2を発生しにくいといった、さまざまなメリットがある再生可能エネルギー。日本ではいま、再生可能エネルギーはどれくらい導入され、どのような取り組みがなされているのでしょうか?

日本での取り組み

日本は2020年10月に、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを世界に宣言しました。翌2021年4月には、2030年の温室効果ガス排出量を2013年と比べて46%削減するという目標を発表しました。

画像: 出典:資源エネルギー庁『2020—日本が抱えているエネルギー問題(後編)』

しかし、2019年時点で、日本の発電電力量のうち再生可能エネルギーによる発電が占める割合は約18%となっています。カナダが66.3%、ドイツやイギリスといった欧州諸国の中には30%を超える国があるなど、世界と比べると日本の比率は高いとはいえない状況です。

画像: 出典:経済産業省『2030年度におけるエネルギー需給の見通し』

そこで、国は2021年10月に「第6次エネルギー基本計画」を決定し、同時に2030年の電源構成に占める再生可能エネルギーの割合なども発表しました。それによると、2030年には、再生可能エネルギーの比率を36~38%程度に引き上げることを目指すとされています。

また、再生可能エネルギーの最大限導入に向けた取り組みを行うなど、意欲的な方針を示しています。

関西電力の取り組み

関西電力では、再生可能エネルギーによる発電に以前から積極的に取り組んできました。たとえば、かつて「世紀の大工事」と呼ばれた黒部ダムは、日本の水力発電を代表するダムであり、いまもなお多くの人々を惹きつけています。

また、堺市と関西電力の共同事業である堺太陽光発電所は、全国で初めて電力会社により営業運転を開始したメガソーラーです。関西電力グループでは、地方自治体をはじめとする地域と協力しながら、太陽光発電の導入を進めています。

ほかにもバイオマス発電や洋上風力発電にも取り組み、再生可能エネルギーの普及や拡大を図っています。

課題を乗り越え、一層の拡大が求められる再生可能エネルギー

太陽光や風力、水力、バイオマスといったさまざまな種類がある再生可能エネルギー。発電する際にCO2を排出しない(増加させない)ため、地球温暖化の対策として役立つとされています。一方で、発電量が安定しないことなどに課題があることもわかりました。

国は再生可能エネルギーによる発電を増やしていくという目標を掲げており、これからますます再生可能エネルギーの普及が拡大していくと考えられます。

私たちにできる第一歩は、この再生可能エネルギーについてまず「知ること」。そして、活用することで、安心で便利な生活や豊かな自然環境を次の世代へつないでいけるのです。

画像2: 今さら聞けない再生可能エネルギーとは? その種類を一覧でわかりやすく解説

みなぱん

再生可能エネルギーは、持続可能な社会の実現に向けて、今後ますます注目されそうです。

RECOMMEND この記事を読んだ
人におすすめ

This article is a sponsored article by
''.